テクニカル分析解説

第3波動の目標を示すフィボナッチ・エクスパンション


1.トレンドの行き先の予想に役立つ


フィボナッチ・リトレースメントは、任意の波動がどこまで押し/戻しするかの予測に用いられます。それに対してフィボナッチ・エクスパンションは、任意の波動が押し/戻しという小休止を経て、それからどこまで進んでいくのかを予想するのに用いられます。これはN波動の考え方を知ることで理解しやすくなります。N波動とは、「上昇→押し→上昇」「下降→戻し→下降」といった三つの波動を1セットにする考え方です。

画像1に書き込んだ、A-B-C-DというN波動で解説しましょう。フィボナッチ・エクスパンションは、A-Bの値幅を基準とします。この波動に対するフィボナッチ比率の値幅を、Cに足した水準(チャートに「FE」で示されるライン)が、Dの目標となります。

画像1/フィボナッチ・エクスパンション

フィボナッチ・エクスパンション

A-Bという上昇波動、B-Cという押しの波動が作られた時点で、C-Dの向かう先を予想できるというわけです。画像1の例では、Cの押し目以降は61/8%、100%を超えてD(1)をつけ、そこから押し目を作った後に161.8%水準のD(2)をつけているのが分かります。


2.フィボナッチ系ツールを組み合わせて分析


先ほどの画像1では、A-B-C-D(1)の波動を作ってから、押し目を作りました。ではその押し目はどのあたりになるか、というのを予測できるのがフィボナッチ・リトレースメントです。フィボナッチ系のツールは、いくつかの波動に引いてみることで、重要なターゲットを見いだすことができます。画像2ではA-D(1)の波動に、フィボナッチ・リトレースメントを引きました。

画像2/フィボナッチ・リトレースメントを併用

フィボナッチ・リトレースメントを併用

すると、リトレースメントの38.2%(青色)の水準が、エクスパンションの61.8%(赤色)と同じ水準になることが分かり、ここで反発上昇する可能性を読み取れます。実際にここで反発上昇し、エクスパンションが示す161.8%まで進みました。また、そこからの押し目もリトレースメントの23.6%(青色)、エクスパンションの100.0%(赤色)で反発上昇しています。

以上のように、複数のエクスパンションのライン、リトレースメントのラインが重なる場合は、重要なターゲットとなります。

監修:山中康司氏

フィボナッチについてもっと学びたい方へのオススメコンテンツ

フィボナッチ

長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、フィボナッチの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAではフィボナッチに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。インジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。

この記事をシェアする

ホーム » テクニカル分析解説 » 第3波動の目標を示すフィボナッチ・エクスパンション