トレンドの押し/戻りを視覚化するトレンドライン
1.斜めのサポートライン/レジスタンスライン
チャートに現れた以前の安値/高値は、相場参加者に意識され、その手前にオーダーが入りやすい傾向があります。そのため、安値水準では下値がサポート(支持)、上値水準ではレジスタンス(抵抗)として機能し、値動きの反転が見られます。/p>
その安値や高値の水準に水平線を引いたのがサポートライン、レジスタンスラインですが、安値同士/高値同士を結んだ斜めのラインであっても同様の働きをします。つまり、上昇相場では切り上がる安値を結んだ線がサポートラインに、下降相場では切り下がる高値を結んだ線がレジスタンスラインとして機能するのです。
画像1/サポートラインとレジスタンスライン

画像1のAは、下降トレンドの高値を結んだレジスタンスラインであり、ここで何度か戻りの流れが反転しています。同様にBは上昇トレンドの安値を結んだサポートラインであり、ここで何度か押しの流れが反転していることが分かるでしょう。
2.平行のチャネルライン
サポートライン/レジスタンスラインは、平行にコピーするとチャネルラインとして利用できる場合もあります。チャネルとは「水路、航路」といった意味で、上昇相場のサポートラインを平行に上へコピーするとアップチャネル、下降相場のレジスタンスラインを平行に下へコピーするとダウンチャネルとなり、トレンドの推移を視覚化できます。
画像2/チャネルラインの例

画像2のサポートライン(A)を水平コピーしたのがアップチャネル(B)、レジスタンスライン(C)を水平コピーしたのがダウンチャネル(D)です。A~Dまで、それぞれのラインが上値を抑えたり、下値を支持したりする役割を果たす特徴が見られます。
3.ラインの引き方のルール
特定の安値/高値に水平線を引く場合と異なり、斜めのトレンドラインを引く場合は、どの安値/高値を結べば良いか判断が難しいところがあります。あれこれと迷わないためには、安値/高値の選び方に一定のルールを決めると良いでしょう。
単純な方法として、直近の2本程度は対象から外し、それ以前にさかのぼって最も高い高値から、その次に高い高値にレジスタンスラインを引く(最も安い安値から、その次に安い安値にサポートラインを引く)というのがお勧めです。画像3は、AとBを結んでレジスタンスライン、CとDを結んでサポートラインを引いた例です。
画像3/トレンドラインの簡単な引き方

あるいは、ラインを引く際に対象とする期間(ローソク足の本数)を限定する考え方も有効です。例えば、フィボナッチ数列の「34」を利用する形で、3本前から37本前までのローソク足を対象にして、最も高い高値から、その次に高い高値にレジスタンスラインを引く(最も安い安値から、その次に安い安値にサポートラインを引く)という方法です。
4.トレンドラインを引くために便利なインジケーター
MT4/MT5でトレンドラインを引く場合は、フラクタルというテクニカル指標を目安にする方法もあります。フラクタルとは、「両側により低い高値を持つ高値」「両側により高い安値を持つ安値」を示すものです。簡単にいえば、チャートが逆V字やV字になっている箇所を強調してくれるツールです。
画像4で赤い矢じりで示されている(デフォルトではグレーで表示)のが、フラクタルの条件を満たす高値/安値です。これらを結ぶことで、簡単にトレンドラインを引くことが可能です。
画像4/フラクタル

あるいは、所定のルールに従って自動的にトレンドラインを引いてくれるカスタムインジケーターもあります。それぞれのインジケーターによってルールは異なりますが、トレンドラインの引き方に迷うようなら採用してみると良いでしょう。
なお、OANDAラボではチャネルを自動で描画する「OANDA Channels」を提供しています。本口座をお持ちの方は、無料で利用することができます。
監修:山中康司氏
サポートライン・レジスタンスラインについてもっと学びたい方へのオススメコンテンツ

長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、サポートライン・レジスタンスラインの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAでは、独自開発したオリジナルインジケーターを多数提供しています。このオリジナルインジケーターは、OANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。
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