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WTI原油先物とは|特徴・見方・今後の見通しなどを詳しく解説


WTI原油先物とは、米国のWTI原油を対象とした先物です。

WTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト)はテキサス州などで採掘される軽質・低硫黄の原油で、ガソリンなどへの精製に適しているとされています。

本記事では、WTI原油先物の特徴や今後の見通しなどを解説します。

なお、OANDA証券では先物を取り扱っていないものの、WTI原油先物を原資産とするCFD(USOIL)の取引が可能です。

WTI原油(USOIL)のリアルタイムレートはこちらで確認いただけます。

WTI原油先物とは

WTI原油先物の特徴などについて解説します。

  • ・WTI原油先物の特徴
  • ・WTI原油先物は原油の世界3大指標の1つ

WTI原油先物の特徴

WTI原油先物は、世界の原油価格を決める基準商品(ベンチマーク)とされています。

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)に上場しており、流動性が高いエネルギー先物です。

電子取引(Globex)を通じて、世界中の投資家がリアルタイムで参加可能なことも特徴として挙げられます。

WTI原油先物は原油の世界3大指標の1つ

原油市場には3つの重要な指標があり、WTI原油先物もその中に含まれます。

世界には数百種類の原油があるとされ、それぞれの原油価格は指標価格を参考にして決定されています。

原油の名称 産地 どの市場の指標か
WTI原油 米国 北米
ブレント原油 英国 欧州
ドバイ原油 アラブ首長国連邦 アジア

WTI原油先物の主な価格変動要因

WTI原油先物の主な価格変動要因を解説します。

  • ・需給バランス
  • ・地政学リスク
  • ・為替相場
  • ・EIA原油在庫統計

需給バランス

原油に対する需要と供給の変動が、先物価格に直接的に影響します。

世界の景気が拡大局面に入ると、原油需要の増加が見込まれて価格が上昇する傾向があります。

景気後退の場合は、需要の低下を受けて逆の値動きとなります。

また、産油国が生産量を減らすと需給の逼迫懸念から価格が上昇しやすく、逆に生産量を増やす場合は価格下落要因となります。

地政学リスク

産油国周辺で武力紛争等が生じると、原油輸出の阻害要因となるためWTI原油先物価格は上昇しやすくなります。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻では、ウクライナがロシアの石油関連施設を積極的に攻撃しています。

ロシアの石油輸出能力の減退が指摘されており、価格上昇要因と言えます。

また、中東地域でも不安定な状況が続いています。

為替相場

原油は主に米ドルで取引され、為替レートがWTI原油先物価格に影響するとされます。

米ドルが他の通貨に対して強くなる場合、米ドル以外の通貨建ての原油価格は割高になります。

原油価格が割高になると需要が減退しやすくなるとされており、価格下落要因となります。

逆に、米ドルが弱くなる場合は、原油価格は上昇しやすいです。

EIA原油在庫統計

EIA(米エネルギー情報局)が毎週水曜日に原油の在庫状況を発表します。

在庫増加量が市場予想を下回るとWTI原油先物の上昇要因、市場予想を上回ると下落要因となります。

WTI原油先物の価格推移と今後の見通し

WTI原油先物の価格推移等を解説します。

  • ・WTI原油先物の価格推移
  • ・WTI原油先物の今後の見通し【2025年】

WTI原油先物の価格推移

20251025_WTI原油先物の価格推移

出典:TradingView

2015年以降の値動きを見ると、2020年にコロナショックで暴落した様子がわかります。

先物価格はゼロを下回り、マイナスを記録しました。

その後は反発局面に入り、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けてさらに上昇しました。

買いの勢いが収まった後の原油価格は、緩やかに下落して現在に至ります。

WTI原油先物の今後の見通し【2025年】

EIA(米エネルギー情報局)や世界銀行によると、今後のWTI原油先物価格は下落の見通しです。

供給面を見ると、2025年後半に入ってOPECプラスが原油増産に踏み切っています。

また、世界全体の原油貯蔵量は2026年にかけて増加傾向にあると報じられています。

需要面を見ると、世界経済は成長するものの、米国の関税政策等を受けて成長率はやや抑制的との見通しです。

WTI原油(USOIL) リアルタイムCFDチャート・レート


  • ※スプレッドは東京サーバーコースにある通貨/銘柄はTY3のものを表示しています。それ以外はNY4のものを表示しています。

チャートの時間軸を選択可能です(5分足、15分足、1時間足、4時間足、日足)。

また、チャートにカーソルを合わせると、ローソク足の四本値が表示されます。

WTI原油先物に関するQ&A

WTI原油先物に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・WTI原油先物はどこで取引できますか?
  • ・WTI原油先物とETF・CFDとの違いは?
  • ・原油の価格はマイナスになることがありますか?

WTI原油先物はどこで取引できますか?

WTI原油先物は主に、米国のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で取引されており、世界中の投資家が電子取引(Globex)を通じて参加しています。

ただし、日本の一般投資家が取引に参加するには実務上ハードルが高く、現実的な代替の選択肢としてはWTI原油連動型のETFや、差金決済のCFDなどがあります。

WTI原油先物とETF・CFDとの違いは?

WTI原油先物ETFは、WTI原油先物価格に連動する上場投資信託です。

上場株式と同様に売買できます。

WTI原油先物CFDはデリバティブ取引の一種で、価格は原油先物の価格変動に連動し、差金決済で取引するのが特徴です。

原油の価格はマイナスになることがありますか?

通常はマイナスになりませんが、2020年4月にマイナスを記録しました。

コロナショックの影響で需給のバランスが失われたことや、貯蔵場所が不足しており貯蔵可能量の限界が近かったことなどが理由として挙げられます。

【まとめ】WTI原油先物とは|特徴・見方・今後の見通しなどを詳しく解説

WTI原油先物は米国のWTI原油を対象とした先物で、世界3大指標の1つです。

北米地域の原油価格は、WTI原油先物価格を参照して決定されます。

原油先物価格は需給関係だけでなく、地政学リスクや為替レート変動などの影響を受け、短期間で大きく変動する場合があります。

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