MT4の使い方

MT4でバックテストを行うやり方や上手くできない時の3つの解決策


MT4(メタトレーダー4)では、デフォルト機能のストラテジーテスターを利用し、EA(自動売買プログラム)のバックテストを行います。
EAのバックテストを行うことで、そのEAが実際の取引で利益を得られるかどうかを検証することが可能です。
全てのEAが必ず利益を得られるものではないので、EAを使い取引を行う前は、必ずバックテストを行うようにしましょう。

本記事では、MT4でEAのバックテストを行う方法について詳しく解説します。

1.MT4でバックテストを行う前に準備すべき3つのこと

MT4でバックテストを行うには、以下3つの準備をする必要があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

MT4にログインする

まず、MT4にログインします。
ログイン方法は、以下の通りです。

  • 「ファイル」を選択
  • 「取引口座にログイン」を選択

MT4にログインする方法

「取引口座にログイン」を選択すると、以下のログイン情報を入力する画面が表示されます。

「取引口座にログイン」を選択

「ログインID」「パスワード」を入力し「サーバー」の選択後、ログインを選択します。

なお、MT4へログインを行う際は、MT4専用のアカウントを作成する必要があります。 アカウントの作成方法は、取引をするFX会社によって異なります。
OANDA証券でMT4のアカウントを作成する方法については、以下の記事をご参考下さい。

>MT4(メタトレーダー4)アカウントの作成・ダウンロードおよびログイン

MT4にEAを設定する

MT4にログインした後は、EAの設定を行います。
EAの設定方法は、以下の通りです。

  • 「ナビゲーター」を選択
  • 「エキスパートアドバイザー」を選択
  • 「使用するEAをドラッグ&ドロップ」する

EAの設定方法

  • 「自動売買を許可するにチェック」を選択
  • 「OK」を選択

「自動売買を許可するにチェック」を選択

EAがMT4に設定されると、チャート右上にマークが表示されます。

 
EAが稼働中 EAが停止中
EAが稼働中 EAが停止中

ニコニコマークはEAが稼働中であり、怒っているマークはEAが停止中です。
チャート上部にある「自動売買」をクリックすることで、稼働や停止の操作が行えます。

ヒストリカルデータをダウンロードする

デフォルトのMT4内に蓄積されているヒストリカルデータ(価格データ)はそれほど多くはないので、バックテストを行うのに十分な価格のデータをダウンロードする必要があります。
価格の取得方法はいくつかありますが、ここでは一番簡単なメタクォーツ社のデータをダウンロードする方法を紹介します。

まず、データをダウンロードする前に、MT4内に蓄積できる価格データの量を最大にします。
その方法は、以下の通りです。

  • チャート上部にある「ツール」を選択
  • 「オプション」を選択

チャート上部にある「ツール」を選択

  • 「オプション」のウィンドウの中の「チャート」を選択
  • 「ヒストリー内の最大バー数とチャートの最大バー数」に「999999999…」と9を打ち込められるだけ打ち込む
  • 「OKボタン」を押す

「オプション」のウィンドウの中の「チャート」を選択

続いて、MT4にヒストリカルデータを取り込みます。
その方法は、以下の通りです。

  • チャート上部にある「ツール」を選択
  • 「ヒストリカルセンター」を選択

チャート上部にある「ツール」を選択

  • 欲しい通貨ペアの時間軸を選択
  • 「ダウンロード」ボタンを押す

欲しい通貨ペアの時間軸を選択

このダウンロードには数分かかることもあるので、時間的に余裕を持って行いましょう。
これでバックテストの前の準備が完了です。

2.MT4でバックテストを行う方法

では実際に、MT4でバックテストを行う方法について解説します。

バックテストを行うには、MT4のデフォルト機能である「ストラテジーテスター」を使います。
ストラテジーテスターの表示方法は、以下の通りです。

  • チャート上部にある「表示」を選択
  • 「ストラテジーテスター」を選択

チャート上部にある「表示」を選択

以下のように、チャート上にストラテジーテスターが表示されます。

チャート上にストラテジーテスターが表示

ストラテジーテスターでバックテストを行うには、いくつか設定項目があります。

【設定1】
エキスパートアドバイザ

エキスパートアドバイザでは、バックテストで使用するEAを選択します。
使用するEAが表示されない場合は、MT4を再起動してください。

エキスパートアドバイザでは、バックテストで使用するEAを選択

【設定2】
通貨ペア

通貨ペアでは、バックテストを行う通貨ペアを選択します。
ここで選択する通貨ペアは、先ほどのヒストリカルデータで取得した通貨ペアを選んでください。

通貨ペアでは、バックテストを行う通貨ペアを選択

【設定3】
期間

期間では、バックテストを行う時間足を決めます。
使用するEAによっては、時間足が決められている可能性もあります。
その場合は、EAと同じ時間足を選択して下さい。

期間では、バックテストを行う時間足を決めます

【設定4】
モデル

モデルでは、バックテストを行う方法を選択します。

モデルでは、バックテストを行う方法を選択

パラメータの変更や様々なEAのバックテストを多く行いたいのであれば、始値のみやコントロールポイントなどで良いでしょう。
じっくりと正確に行いたいのであれば、時間はかかりますが全ティックが適しています。

【設定5】
スプレッド

スプレッドでは、実際に取引する通貨ペアのスプレッドを選択します。
もしない場合は、近いスプレッドを選択しましょう。
なおスプレッドが「2」は「0.2pips」という意味です。

スプレッドでは、実際に取引する通貨ペアのスプレッドを選択

【設定6】
期間を指定

期間を指定では、バックテストを行う期間を入力します。
開始日と終了日を入力すれば、その期間のバックテストを行うことが可能です。

期間を指定では、バックテストを行う期間を入力

【設定7】
最適化

最適化では、過去のデータを元にパラメータをどの数値にしたら利益が出やすいのかを検証してくれます。
通常のバックテストを行う際はチェックする必要はないので、チェックを外しておきましょう。

最適化

【設定8】
ビジュアルモード

ビジュアルモードでは、EAがチャート上のどこで注文を行ったのかを確認できます。
ただし、時間がかかるので、基本的にはチェックを外して問題はありません。

ビジュアルモード

【設定9】
エキスパート設定

エキスパート設定では、証拠金の設定や買いや売りどちらで取引を行うかなど様々な設定を行えます。

エキスパート設定

テスト設定タブ

テスト設定タブでは、初期証拠金の金額を設定し、買い(Long)と売り(Short)の双方で行うか売買どちらか一方のみを行うかを選択します。
下部の最適化の部分は、最適化を行う場合のみ使用します。

テスト設定タブ

パラメーターの入力タブ

パラメーターの入力タブでは、バックテストを行うパラメーターを設定します。
その他の欄は、最適化を行う際に使う項目です。
設定が完了したらOKボタンを押して閉じます。

パラメーターの入力タブ

最適化タブ

最適化タブでは、一定の条件になったらテストを止めるという制限を加えられます。
特にここは入力しなくても問題ありません。

最適化タブ

これで、バックテストの設定は完了です。
ストラテジーテスターに戻り、右下にあるスタートボタンを押すとバックテストが開始します。

スタートボタン

3.バックテストの結果を検証する方法

バックテストの完了後、バックテストの結果を確認します。
バックテストの結果は、ストラテジーテスターの「結果」タブ、「グラフ」タブ、「レポート」タブにてチェックすることが可能です。
各項目の見方は、以下の通りです。

「結果」タブ

「結果」タブでは、取引の結果が順番に表示されます。
残高の増減が確認でき、どのような取引を行ったのかを確認できます。

「結果」タブでは、取引の結果が順番に表示されます

「グラフ」タブ

「グラフ」タブでは、資産の推移グラフが確認できます。
波の大きくない緩やかな右肩上がりの曲線が理想です。

「グラフ」タブ

「レポート」タブ

「レポート」タブでは、バックテストのまとめが表示されます。
この「レポート」タブで、テスト結果の概要が確認できます。

「レポート」タブ

レポートタブにある項目の詳細は、以下の通りです。

 
項目 詳細
テストバー数 テストをしたバーの数
モデルティック数 テストに用いたティック数
モデリング品質 バックテストの品質
不整合チャートエラー チャートのデータに抜けなどがある場合
スプレッド テストをした時のスプレッド
初期証拠金 テスト開始時の金額
純益 損益金額
総利益 利益の合計
総損失 損失の合計
プロフィットファクタ 総利益÷総損失
期待利益 損益÷トレード回数
絶対ドローダウン 開始資金に対して最大のドローダウン
最大ドローダウン テスト期間での最大のドローダウン
相対ドローダウン 最大ドローダウンの比率
総取引数 取引を行った回数
売りポジション、買いポジション 売りで入った回数と買いで入った回数
最大勝トレード、最大負トレード 勝ちトレードの最高利益、負けトレードの最高損失
平均勝トレード、最大負トレード 勝ちトレードの平均利益、負けトレードの平均損失

レポートタブで重視したい項目は諸説ありますが、最大ドローダウン、プロフィットファクタ、期待利益、最大勝ちトレードと最大負けトレードの差などが挙げられます。
これらの数字が悪い場合は、将来の運用に不安が残ります。

4.バックテストが上手くできない時の3つの解決策

MT4でEAのバックテストを行おうとしても上手くできない場合があります。
ここでは、上手くいかないときの3つの対処法について紹介します。

【解決策1】
EAとMT4は同じアカウントであるか確認する

EAによっては、アカウントの制限がかけられている場合があります。
その場合は、EAを取得する際に登録したアカウントと同じアカウントでなければ使用することは出来ません。
まず、アカウントが同じであるかを確認しましょう。

【解決策2】
ヒストリカルデータを正しくダウンロードできているかを確認する

ヒストリカルデータを上手くダウンロードできていないと、EAが上手く稼働しない可能性があります。
ヒストリカルデータの確認方法は、レポートタブのモデリング品質を確認し、90%になっていれば正確にダウンロードができています

ヒストリカルデータの確認方法

万が一、90%以下の数値である場合は再度ヒストリカルデータのダウンロードをやり直す必要があります。

【解決策3】
EAによっては通貨ペアや時間足が決められている場合がある

EAによっては、稼働する通貨ペアや時間足が決まっている場合があります。
EAとストラテジーテスターの設定があっているかを確認しましょう。

5.OANDA証券の「MT5」ならより高精度なヒストリカルデータを利用しバックテストが可能

MT4を使ったバックテストのやり方を紹介しましたが、MT5(Meta Trader5)でもバックテストを行うことが可能です。

MT4でバックテストを行う場合、OANDA証券のヒストリカルデータを提供しておらず、メタクオーツ社(MetaQuotes)のヒストリカルデータを使ってバックテストを行います。
メタクオーツ社は、MT4を開発している会社なので、どうしても精緻ではありません。
また、OANDA証券のデータではないので、サポートができません。

そこで条件はありますが、OANDA証券のMT5なら、実際にOANDA証券で配信したティック単位の高精度なヒストリカルデータを使い、バックテストを行えます。
MT5用ティックデータのダウンロードは【前月のお取引数が500万ドルを超えたお客様限定】のサービスです。
条件を満たしたお客様は、以下のページからMT5用ティックデータのダウンロードを行えます。

ダウンロードは、以下のページから行えます。
ダウンロードする際は、OANDA証券のマイページへログインしてから行って下さい。
>OANDA証券のマイページへログインする
>MT5用ティックデータのダウンロードはこちら

OANDA証券のマイページ

では、ダウンロードしたティックデータをMT5にインポートする手順について解説します。

【手順①】
MT5を起動し「①表示」→「②銘柄」を選択

MT5を起動し「①表示」→「②銘柄」を選択

【手順②】
「銘柄」ダイアログが表示されるので、インポートしたい銘柄を選択した状態で「1. カスタム銘柄を作成する」をクリック

「銘柄」ダイアログが表示

【手順③】
「カスタム銘柄」ダイアログが表示されたら、「1. 銘柄」をダブルクリックして編集し、お好みの名前を設定してください。名前の設定が完了したら「2. Yes」 を押してカスタム銘柄を作成します。

「カスタム銘柄」ダイアログが表示

【手順④】
「銘柄」ダイアログに戻り、「1. 一覧」から作成した「2. カスタム銘柄」を選択して、「3. 銘柄を表示する」ボタンを押す

「銘柄」ダイアログに戻り、「1. 一覧」から作成した「2. カスタム銘柄」を選択して、「3. 銘柄を表示する」ボタンを押す

【手順⑤】
次に「1. ティック」タブをクリック

「1. ティック」タブをクリック

【手順⑥】
右上の「1. 選択ボックス」で、先ほど作成したカスタム銘柄を選択し「2. ティックをインポートする」ボタンをクリック

右上の「1. 選択ボックス」で、先ほど作成したカスタム銘柄を選択し「2. ティックをインポートする」ボタンをクリック

【手順⑦】
「ティックをインポートします」ダイアログが表示されるので、「1. 選択」を押して、ダウンロードしたZIPアーカイブの中にあるCSVファイルを選択

「ティックをインポートします」ダイアログが表示されるので、「1. 選択」を押して、ダウンロードしたZIPアーカイブの中にあるCSVファイルを選択

【手順⑧】
1. インポートするデータが表示されるので確認して 「2. YES」でインポートを完了

1. インポートするデータが表示されるので確認して 「2. YES」でインポートを完了

これでティックデータのインポートは完了です。
作成した銘柄をチャート画面にドラッグ & ドロップすれば、過去のチャートを確認できます。

作成した銘柄をチャート画面にドラッグ & ドロップすれば、過去のチャートを確認

また、バックテスト時に対象銘柄として選択することもできます。

MT5でバックテストを行う方法については、以下の記事をご参考下さい。
>MT5(メタトレーダー5)のバックテストの方法

以上、MT4でEAのバックテストを行う方法について解説しました。
OANDA証券では、バックテストの方法だけではなく、MT4に関するあらゆる基礎コンテンツを提供しています。
詳しくは、以下の記事をご参考下さい。

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OANDA Lab編集部

OANDA証券株式会社が運営する「OANDAラボ」は、FX/CFDを統計学的側面で科学するメディアです。外国為替(FX)や世界の株価指数、金や原油などの商品市場に関するマーケット情報やデータ、ニュースを提供しています。
会社名:OANDA証券株式会社
所在地:東京都千代田区平河町1-3-13 CIRCLES平河町 10階
加入協会:一般社団法人金融先物取引業協会 / 日本証券業協会 / 日本商品先物取引業協会 / 日本投資者保護基金
登録番号:第一種 金融商品取引業 関東財務局長 (金商) 第2137号
問い合わせ先:お問い合わせフォームから


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