MT5(メタトレーダー5)用OANDA Stealth Orders(ブローカーに注文の水準を知られずに注文を設定)の使い方
MT5のOANDA Stealth Ordersの使い方
OANDA Stealth Ordersでできること
OANDA Stealth Ordersは指値・逆指値注文をMT5内で管理し、指定した価格に到達した時点で成行注文を出すというツールです。
このツールを使うと、OANDAに注文の水準を知られることなく、指値・逆指値注文を発注することができます。
※ただし、オーダーが正常に発注されるためには、MT5、OANDA Stealth Orders、通信がそれぞれ正常に動作している必要があります。また、指定した条件に到達してから成行注文を出すので、通常よりもスリッページが発生するリスクが高くなるという点があります。通常の指値・逆指値注文と併用するなどの工夫をすると、リスクを軽減することができます。
OANDA Stealth Ordersの設定
OANDA Stealth Ordersはエキスパートアドバイザ型のプログラムです。
OANDA Stealth Orders用に新規のチャートを1つ用意し、MT5の「ナビゲータ」の「エキスパートアドバイザ」内にある「OANDA Stealth Orders」をダブルクリックまたは、チャート上にドラッグ&ドロップします。
最初に表示されるエキスパートアドバイザの設定画面の「仕様」タブで「DLLの使用を許可する」にチェックが入っていることを確認し、「OK」を押すと起動します。
【OANDA Stealth Ordersの設定画面】
OANDA Stealth Ordersの構成
Stealth Ordersは5つのタブに分けられています。
各タブでは次のような注文を出すことができます。
(1)Entries(新規注文)
新規の注文を発注する場面で使います。指値、逆指値、成行注文を発注することができます。
設定項目は次の通りです。
①Symbol
銘柄を選択します。
②Lot size
取引数量はロット数で指定します。ロット数はFXの場合、1ロット=100,000通貨、CFDの場合、1ロット=1取引単位となります。
③Type
注文の種類を選択します。「Buy-Limit(買いの指値)」、「Sell-limit(売りの指値)」、「Buy-stop(買いの逆指値)」、「Sell-stop(売りの逆指値)」のほか、「Buy(成行の買い)」、「Sell (成行の売り)」も選択することができます。
④Price
価格を指定します。「Fixed price(固定価格)」で具体的な価格を指定するか「From current price(現在の価格からのPips数)」で指定することができます。
⑤S/L、T/P
「S/L」は損切り注文、「T/P」は利益確定注文の水準を入力します。「Fixed price(固定価格)」のほか、「Pips from fill price(約定価格からのPips数)」、「Cash(損失想定額)」、「Trailing(トレールストップ)」から選択することができます。
⑥Max spread
条件に達した時のスプレッドで取引を制限することができます。経済指標の発表など相場が不安定な状況となりスプレッドが拡大し、ここで設定したスプレッドを超えるような場面では注文が取り消され、エントリーを回避することができます。
⑦OCA group
OCAとはone-cancel-allの省略でここでグループを設定すると一つの注文が約定するとその他の注文がキャンセルされるという設定です。設定したい場合は、
⑧Comment
コメントを入力する場合はコメント欄に入力します。
⑨Magic number
マジックナンバーを設定したい場合はここにマジックナンバーを入力します。
(2)Exits(ポジションを指定した決済)
保有しているポジションを指定して決済の注文を発注する場面で使います。保有しているポジション全体の決済はもちろん、割合や数量を指定して指値・逆指値の注文を出すことができます。
①Ticket
指値/逆指値を設定するポジションを選択します。
②Close
指定したポジションの決済する割合を選択します。Whole ticket(そのポジションの全部)、Percentage(%で割合を指定)、Quantity(具体的な数量)から選択することができます。
※OANDAの東京サーバーのFX口座は10,000通貨(0.1ロット)以上1000通貨単位が取引単位となるため、それ以下の割合を指定すると10,000通貨(0.1ロット)に切り上げて処理されます。
例えば0.1ロットのポジションに対し、50%の決済注文を出した場合は10,000通貨(0.1ロット)の決済が行われます。
また、10,000通貨(0.1ロット)以上の数字となる場合の端数は1000通貨単位で切り上げたポジションが決済されます。③S/L、T/P
「S/L」は損切り注文、「T/P」は利益確定注文の水準を入力します。Fixed price(固定価格)のほか、Pips from current(現在の価格からのPips数)、Cash(損失想定額)、Trailing(トレールストップ)から選択することができます。
(3)Symbols(銘柄ごとの決済)
銘柄毎に複数のポジションを保有している場合にまとめて決済注文を出す場合に使用します。指定した価格水準に到達したら決済のほか、利益や損失の合計金額が指定した金額に到達した場合に決済という注文を出すこともできます。
設定項目は次の通りです。
①Symbol
銘柄を選択します。
②Exit
決済の条件の種類を選択します。Total profit(損益の金額を指定する方法)かPrice(具体的な価格を指定する方法)から選ぶことができます。
③Lower limit、Upper limit
「Lower limit」は現在よりも下の決済値を入力します。(①選択において損益金額の場合は現在よりも不利な損益額を入力、具体的な価格を指定する場合は現在よりも下の水準を入力)
「Upper limit」は現在よりも上の決済値を入力します。(損益金額の場合は現在よりも有利な損益額を入力、具体的な価格を指定する場合は現在よりも上の水準を入力)
④Close %
その銘柄の何%を閉じるかを入力します。
※OANDAの東京サーバーのFX口座は10,000通貨(0.1ロット)以上1000通貨単位が取引単位となるため、それ以下の割合を指定すると10,000通貨(0.1ロット)に切り上げて処理されます。
例えば0.1ロットのポジションに対し、50%の決済注文を出した場合は10,000通貨(0.1ロット)の決済が行われます。 10,000通貨(0.1ロット)以上の数字となる場合の端数は1000通貨単位で切り上げたポジションが決済されます。
また、割合を指定した場合はチケットごとの判断となります。
例えば、10,000通貨(0.1ロット)のポジションを4つ保有している場合(合計0.4ロット)に50%を決済とすると4つのポジションの全てが決済されます。(各チケットが10,000通貨(0.1ロット)の決済に切り上げられてしまうため)
⑤Pending orders
未約定の注文がある場合は取り消すかどうかを選択します。「Close pending orders」が未約定の注文を取消す場合、「Don’t close pending orders」が未約定の注文を残す場合となります。
⑥Long/short
買いポジションのみ(Long trades only)、売りポジションのみ(Short trades only)、双方のポジション(All trades)のいずれかを選択します。
⑦Comment filter、Magic # Filter
「Comment filter」は特定のコメントの付いているポジションのみを決済する場合にそのコメントを入力します。銘柄の部分で「All symbols」を選択した場合には同じコメントの付いた全ての銘柄を決済することも可能です。
「Magic # Filter」はMagicナンバーの付いているポジションのみを決済する場合にそのMagicナンバーを入力します。銘柄の部分で「All symbols」を選択した場合には同じMagicナンバーの付いた全ての銘柄を決済することも可能です。
⑧Repeat
その決済ルールを繰り返すかどうかを選択します。「Delete this rule when triggered」を選択するとその売買ルールは1回きりのルールとなります。「Keep this rule when triggered」を選択すると繰り返しそのルールが残ります。
(4)Account(全てのポジションを決済)
このタブでは、未実現損益等の、口座情報に基づく内容を元に全てのポジション決済する場面で使用します。
設定項目は次の通りです。
①Metric
決済の条件の対象となるものを選択します。「Account floating P/L(未実現損益の額)」、「Account equity(口座資産)」、「Account free margin(余剰証拠金)」、「Account used margin(必要証拠金)」から選ぶことができます。
②Lower limit、Upper limit
「Lower limit、Upper」は現在よりも下(不利な)の水準の条件(金額)を入力します。「Upper limit」は現在よりも上(有利な)の水準の条件(金額)を入力します。
③Pending orders
未約定の注文がある場合は取り消すかどうかを選択します。「Close pending orders」が未約定の注文を取消す場合、「Don’t close pending orders」が未約定の注文を残す場合となります。
(5)Log(操作履歴)
このタブでは、Stealth Ordersの動作のログをとることができます。
OANDA Stealth Ordersの注文の変更、取消方法
Stealth Ordersで設定した注文は各タブに次のように表示されます。
変更、取消を行いたい注文がある場合は、その注文をクリックします。
注文の内容が拡大表示されるので、変更する場合は変更箇所を修正し、「Save」をクリック、取消を行う場合は「Remove」をクリックします。
「Cancel」をクリックすると、注文の変更を行わずに元の画面に戻ります。