原油在庫量とは|見方・算出元・主な変動要因などをわかりやすく解説
原油在庫量とは、ある国の石油会社や製油所、貯蔵施設などに貯蔵されている原油量を表す数値です。
金融市場では、世界有数の産油国であり、消費国でもある米国の原油在庫量が特に注目されています。
本記事では、原油在庫量の見方や算出元、主な変動要因などをわかりやすく解説します。
目次
- 1.原油在庫量とは
- 2.原油在庫量の主な算出元
- 3.原油在庫量の見方
- 4.原油在庫量が変動する主な要因
- 5.原油在庫量に関するQ&A
- 6.【まとめ】原油在庫量とは|見方・算出元・主な変動要因などをわかりやすく解説
原油在庫量とは
まずは、原油在庫量とは何かについて解説します。
- ・原油在庫量の概要
- ・原油在庫量が注目される理由
原油在庫量の概要
原油
在庫量は、ある国の石油会社や製油所、貯蔵施設などに貯蔵されている原油量を表した数値です。原油市場の需給バランスを把握するための指標として重要視されています。
金融市場では世界有数の産油国かつ消費国でもある米国の原油在庫量が特に注目され、増減によって原油価格が変動する場合があります。
原油在庫量が注目される理由
原油在庫量の増減は原油価格に影響を与える可能性があり、原油価格の変動は他の市場にも波及する場合があります。
例えば、在庫量が減少すると、原油価格が上昇しやすくなります。
原油価格が上昇すると、石油製品を扱う企業や燃料コストの影響を受ける企業の株価、産油国の通貨、債券価格なども影響を受けます。
原油価格をはじめ、株式、為替、債券、インフレ動向にも影響を与えることから、市場参加者に注目されています。
原油在庫量の主な算出元
原油在庫量は主にどこが発表しているのかを解説します。
- ・EIA(米国エネルギー情報局)
- ・API(米国石油協会)
- ・日本の資源エネルギー庁
EIA(米国エネルギー情報局)
米国エネルギー省に属する統計機関のEIA(米国エネルギー情報局)は、原則として毎週水曜日に「週間石油在庫統計」を公表しています。
週間石油在庫統計では原油在庫のほか、生産量、輸出入量なども発表されます。
政府機関の統計であるため、市場参加者からは特に重要視されます。
API(米国石油協会)
民間団体であるAPI(米国石油協会)は、原則として毎週火曜日に原油在庫量や主要な石油製品の在庫などをまとめた週間統計を公表しています。
調査対象やデータの収集・集計方法が異なるため、EIAの統計とは一致しない場合があります。
有料購読者向けに提供されており、一般の投資家は証券会社や金融系メディアを通じて確認可能です。
日本の資源エネルギー庁
日本では、経済産業省が「石油統計」で原油在庫などを公表しています。
また、資源エネルギー庁は別途、国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄からなる「石油備蓄の現況」を公表しています。
なお、「石油備蓄の現況」はEIAやAPIの在庫統計とは性格が異なり、緊急時に備えた日本の石油備蓄の状況を表す資料です。
原油在庫量の見方
原油在庫量の基本的な見方を解説します。
- ・在庫の増減が示す意味
- ・市場予想との乖離を確認する
在庫の増減が示す意味
在庫量が増加している場合は、供給が需要を上回っているなど、需給が緩んでいる可能性があると捉えられ、原油価格が下落する場合があります。
反対に、在庫量が減少している場合は、需要に対して供給が少なく、需給が引き締まっている可能性が考えられ、原油価格が上昇しやすくなります。
ただし、原油在庫量の増減が必ずしも原油価格に影響を与えるわけではない点に注意が必要です。
市場予想との乖離を確認する
市場で重要視されているのが、市場予想との差です。
市場予想との差が大きいほど、市場への影響も大きくなる傾向があります。
例えば、100万バレル増加の市場予想に対し、結果が500万バレル増加の場合、想定よりも需給が緩んでいると受け止められ、原油価格は下落しやすくなります。
反対に市場予想に反して減少した場合は、原油価格は上昇しやすくなります。
単純な増減だけでなく、市場予想と結果の差に注目することも重要です。
ただし、市場予想と結果の差があるからといって、原油価格に必ず影響を与えるわけではありません。
原油在庫量が変動する主な要因
原油在庫量が変動する要因を解説します。
- ・原油需給の増減
- ・季節や災害による要因
- ・地政学リスク
原油需給の増減
原油需給の増減は原油在庫の変動要因です。
景気拡大や輸送の増加などで原油に対する需要が増えると消費量が増えるため、原油在庫は減少しやすい傾向があります。
反対に、景気後退や再生可能エネルギーの普及などで原油需要が減少すると消費量も減るため、原油在庫は増加しやすくなります。
また、供給量の増減も原油在庫の変動要因です。
原油輸出が増加すると国内在庫は減少しやすくなり、製油所の稼働率が上昇して原油処理量が増えた場合にも、原油在庫の減少要因となります。
季節や災害による要因
季節による原油需要の変化も原油在庫の変動要因です。
米国では、夏のドライブシーズンや冬の暖房需要などによって石油製品の需要が季節的に変動します。
こうした需要の変化に加え、製油所の稼働状況やメンテナンスなども原油在庫に影響を与えます。
また、災害発生も原油在庫に影響を与えます。
ハリケーンや津波、豪雪などによって石油の生産設備やパイプラインなどに被害が出ると、原油在庫が増減する可能性があります。
ただし、季節要因や災害による影響は一時的な変動要因であることも多いです。
地政学リスク
地政学リスク
の高まりは原油供給に影響を与える可能性があり、原油在庫の変動要因になりえます。特に、中東やロシアなどの産油国で戦争や紛争、テロが発生して原油生産や供給網が制限された場合、輸入国側の原油在庫が減少する可能性があります。
原油在庫量に関するQ&A
原油在庫量に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・原油在庫量はどこで確認できますか?
- ・APIとEIAの違いは何ですか?
- ・日本の石油備蓄はどのくらいありますか?
原油在庫量はどこで確認できますか?
米国はEIAの公式ホームページ、日本は経済産業省の「石油統計」で確認可能です。
また、経済指標カレンダーや金融関係の情報サイトなどでも確認できます。
なお、OANDA証券ではEIAを基にした週間原油在庫のチャートを提供しています。
APIとEIAの違いは何ですか?
API(American Petroleum Institute)は米国石油協会で、米国の石油や天然ガスの業界団体です。
一方、EIA(Energy Information Administration)は米国エネルギー情報局で、米国のエネルギー省に属しています。
APIは民間団体、EIAは公的機関という大きな違いがあります。
日本の石油備蓄はどのくらいありますか?
資源エネルギー庁が公表している石油備蓄の現況では、2026年6月末時点で合計保有量が3.7億バレルで、IEA基準だと175日分とされています。
なお、この数値は民間企業が保有する石油製品などを含んでいます。
【まとめ】原油在庫量とは|見方・算出元・主な変動要因などをわかりやすく解説
原油在庫量とは、ある国の石油会社や製油所、貯蔵施設などに貯蔵されている原油量を表す数値です。
原油在庫量の増減は原油価格に影響を与え、原油価格の変動は株式市場や為替市場、債券市場などにも波及することから、投資家に注目されています。
主な変動要因には、原油需給のバランス変動、季節要因や災害、産油国を中心とした地政学リスクが挙げられます。
ただし、原油在庫量の増減が必ずしも原油価格に影響を与えるわけではありません。
OANDA証券では、原油在庫量をはじめ投資に関わる基礎的な用語を、初心者の方向けにわかりやすく解説するコンテンツを提供しています。
OANDA証券での取引に興味をお持ちいただけた方は、以下のボタンから口座開設をご検討ください。
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。
