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物価上昇率とは|意味や投資に与える影響などを詳しく解説


物価上昇率とは、一定期間におけるモノやサービスの価格の変化の度合いを示す指標です。

一般的に、先進国では安定的な物価上昇率として年率2%が目標とされています。

本記事では、物価上昇率の意味、特徴、よくある質問などを解説します。

物価上昇率とは

物価上昇率の意味と、インフレ率との違いについて解説します。

  • ・物価上昇率の意味
  • ・物価上昇率とインフレ率の違い

物価上昇率の意味

物価上昇率とは、商品等の価格が、1か月や1年など特定の期間でどれほど上昇したかを示す経済指標です。

物価が継続的に上昇する状態をインフレーション(インフレ)、逆に下落する状態をデフレーション(デフレ)と表現します。

上昇の度合いは%(パーセント)で表示され、一時的な物価変動でなく継続的な変動を測定する点が特徴です。

経済活動に与える影響が大きいことも特徴の1つであり、日銀など各国の中央銀行は金融政策の決定にあたって物価上昇率を重視します。

なお、一般的に緩やかなインフレ状態が望ましいとされており、先進国ではおおむね年率2%が基準です。

また、デフレや過度なインフレは経済に与えるダメージが大きく、回避すべき状態とされます。

物価上昇率とインフレ率の違い

物価上昇率は、インフレ率とほぼ同義で使われることが多いです。

しかし、正確には「物価上昇率」は統計データとしての数値指標であり、「インフレ」は経済全体の持続的な物価上昇を意味する概念です。

物価上昇率を測る代表的な経済指標

物価上昇率を測る代表的な経済指標として、3つが挙げられます。

  • ・CPI(消費者物価指数)
  • ・PPI(生産者物価指数)
  • ・PCE(個人消費支出)

CPI(消費者物価指数)

CPI(消費者物価指数)は家計の購入コストを測るための指標で、日本では総務省統計局が毎月発表しています。

全体の物価動向を示す総合指数のほか、価格変動の激しい食料品やエネルギーを除いた指数も市場に注目されます。

日銀が金融政策を決定する際に重視する指標の1つです。

> CPI(消費者物価指数)とは|計算方法、各国の比較や為替相場に及ぼす影響を解説

PPI(生産者物価指数)

PPI(生産者物価指数)は生産者が販売する財の物価を測定する指標で、原材料や中間財の価格動向を示します。

CPIの先行指標と考えられ、PPIの動向を追うことでCPIの推移を推測できることが特徴です。

日本では日銀が毎月公表しています。

> PPI(生産者物価指数)とは|CPIとの違い・マーケットへの影響などをわかりやすく解説

PCE(個人消費支出)

PCE(個人消費支出)は米国の個人消費にかかる物価の変動を示す指標で、インフレ率の把握に用いられます。

FRB(米連邦準備制度理事会)はCPIよりもPCEを重要視していると言われています。

なお、日本にPCEに相当する指標はありません。

> PCE(個人消費支出)とは|インフレ指標としての役割や影響などを解説

物価上昇が投資に与える主な影響

物価上昇は投資にさまざまな影響を与えます。

  • ・現金の価値の目減り
  • ・金利の上昇(金融引き締め)

現金の価値の目減り

物価が上昇すると、現金の価値は低下します。

特定の商品を買う場合に、過去に要した金額と同額では、今はもう買えないという状態です。

同じ商品を買うには、より多くのお金を出す必要があります。

物価が上昇しても現金は自動的に増えないため、資産の実質的な価値を守る手段として投資が検討されます。

投資にはリスクが伴いますが、期待通りに資産が増えれば、物価上昇による資産の実質的な減少を回避したり、資産を物価上昇率以上に増やしたりできます。

金利の上昇(金融引き締め)

物価が上昇すると、中央銀行は政策金利を引き上げます。

政策金利の引き上げは、債券利回りの上昇や為替レートの変化などを通じて経済に反映されます。

一般的に、金利の上昇は株価にマイナスとされ、投資に大きな影響を与えます。

外国為替においては、政策金利の高い通貨はスワップポイント狙いの投資家にとって魅力的であり、政策金利が低い通貨に対して強くなる傾向があります。

物価上昇率に関するQ&A

物価上昇率に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・日本の2025年の物価上昇率は?
  • ・物価上昇の主な変動要因は?
  • ・物価上昇率の目標はなぜ2%?

日本の2025年の物価上昇率は?

20251121_国別経済指標

> 国別経済指標

日本の物価上昇率は毎月発表されており、2022年半ば以降おおむね3%前後で推移しています。

2025年に入ってからは3~4%台を推移し、8月に2%台に低下しました。

年間の物価上昇率も発表されており、2025年分は2026年に入ってから公表される見込みです。

物価上昇の主な変動要因は?

物価上昇の変動要因として、需要と供給、通貨の信頼度などさまざまな理由が挙げられます。

需要が供給を上回れば物価は上昇しやすく、コスト増加など供給側の理由による物価上昇もあります。

また、通貨の信頼度が落ちる場合も物価は上昇しやすく、極端な場合にはハイパーインフレーションになります。

物価上昇率の目標はなぜ2%?

2%の理由として、日銀は以下の3点を提示しています。

  • ・CPI(消費者物価指数)は消費者物価の上昇率を高めに示しやすいため
  • ・景気悪化時に金融政策で対応できる余地を残したいため
  • ・多くの中央銀行が2%を目安にしているため

日銀の目標は物価の安定であり、安定的な物価として2%が示されています。

【まとめ】物価上昇率とは|意味や投資に与える影響などを詳しく解説

物価上昇率とは、モノやサービスの価格の変化の度合いを示す経済指標です。

一時的な変動でなく、継続的な価格変動を追跡します。

物価上昇率は経済に与える影響が大きく、各国の中央銀行は目標物価上昇率を設定して物価が安定的に推移するように金融政策を実行しています。

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