カンザスシティ連銀とは｜Fedとの関係性や主な役割をわかりやすく解説
カンザスシティ連銀とは米国の地区連銀の1つで、米連邦準備制度理事会 （FRB）と協力しながら担当地区内の銀行を監督します。
担当地区内の金融システムの安定維持や地区内景気に関する各種調査も、重要な業務です。
本記事では、カンザスシティ連銀の特徴やよくある質問などを解説します。
目次
- １．カンザスシティ連銀とは
- ２．カンザスシティ連銀の主な役割
- ３．カンザスシティ連銀製造業指数
- ４．カンザスシティ連銀に関するQ&A
- ５．【まとめ】カンザスシティ連銀とは｜Fedとの関係性や主な役割をわかりやすく解説
カンザスシティ連銀とは
カンザスシティ連銀の管轄地域や連邦準備制度（Fed）との関係について解説します。
- ・カンザスシティ連銀の管轄地域
- ・カンザスシティ連銀と連邦準備制度（Fed）の関係
カンザスシティ連銀の管轄地域
地区連銀（連邦準備銀行）は、全米12の地区に設置されています。
このうちカンザスシティ連銀の管轄地域は地図内⑩の中西部や山岳地帯で、コロラド州やカンザス州などが含まれます。
カンザスシティ連銀と連邦準備制度（Fed）の関係
カンザスシティ連銀は全米12地区の連銀の1つで、地区連銀はFedを構成する主要組織の1つです。
FRBは米国の金融政策の実施と国内金融システムの統制を主要任務とし、連邦公開市場委員会（FOMC）は政策金利などを決定します。地区連銀はFRBとともに、地区内の銀行を監督したり決済サービスを提供したりします。
地区内の景気動向を調査し、Fed内で共有することも任務の1つです。
カンザスシティ連銀の主な役割
金融機関の監督や調査研究等に加えて、カンザスシティ連銀の主な業務は以下の通りです。
- ・FOMCへの参加
- ・ジャクソンホール会議の主催
FOMCへの参加
FOMCは日銀の金融政策決定会合に相当する機関で、政策金利の決定などを主要業務とします。
年8回開催され、カンザスシティ連銀総裁も参加します。
投票権に関して、FRB理事とニューヨーク連銀総裁は常に保有する一方、その他の連銀総裁は輪番で投票権を得ます。
カンザスシティ連銀総裁は2025年に投票権を持ち、次回は2028年に投票権が回ってきます（2026年と2027年は投票権を持ちません）。
ジャクソンホール会議の主催
ジャクソンホール会議とは世界経済や金融政策に関する会議で、毎年8月に開催されます。
ワイオミング州のリゾート地にあるジャクソンホールで開催されるのが通例で、ワイオミング州はカンザスシティ連銀の管轄下にあります。
カンザスシティ連銀にとって重要な主催事業の1つです。
ジャクソンホール会議ではFRB議長の講演が特に注目を集め、FRB議長の発言を契機として相場が動くことがあります。
カンザスシティ連銀製造業指数
カンザスシティ連銀製造業指数の意味や推移等を解説します。
- ・カンザスシティ連銀製造業指数とは
- ・カンザスシティ連銀製造業指数の推移
カンザスシティ連銀製造業指数とは
カンザスシティ連銀製造業指数とは、カンザスシティ連銀管轄地区（第10地区）の製造業の景気動向を示す経済指標です。
毎月発表され、FRBによる金融政策分析で参照にも使用されます。
指数は、管轄地区内の製造業企業にアンケートを実施し、その回答を集計することで算出されます。
「良くなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を引く方法で算出し、0よりも大きければ拡大、0よりも小さければ悪化を示します。
カンザスシティ連銀製造業指数の推移
出典：カンザスシティ連銀
上のグラフは2020年10月から2025年10月までの推移を示し、青線は前月比、紫の線は前年比です。
前年比のグラフは2023年にマイナスに転じ、2025年に至るまでマイナス圏での動きが継続しています。
前月比も同様にマイナス圏で推移してきたものの、2025年後半にプラス圏に浮上しました。
前年比でも同様にプラスに転じるかどうかに注目です。
カンザスシティ連銀に関するQ&A
カンザスシティ連銀に関するよくある質問は、主に以下の通りです。
- ・カンザスシティ連銀の総裁は誰ですか？
- ・カンザスシティ連銀とFRBの違いは何ですか？
- ・カンザスシティ連銀製造業指数はどこで確認できますか？
カンザスシティ連銀の総裁は誰ですか？
2025年時点の総裁はジェフリー・シュミッド（Jeffrey R. Schmid）です。
前任者の任期途中の退任を受け、その残任期間を引き継ぐ形で就任しました。
任期は2023年8月1日から2026年2月28日です。
カンザスシティ連銀とFRBの違いは何ですか？
米連邦準備制度理事会 （FRB）の主な役割は、米国の金融政策の実施と国内金融システムの統制です。
FRBは地区連銀とともに国内金融機関を監督します。
一方、カンザスシティ連銀は地区連銀の1つであり、担当地区内の銀行の監督や金融システムの安定維持に関する業務を遂行しています。
カンザスシティ連銀製造業指数はどこで確認できますか？
カンザスシティ連銀製造業指数は、カンザスシティ連銀のホームページで確認できます。
分析記事を閲覧できるほか、指数の内訳を含む毎月のデータをエクセル形式でダウンロード可能です。
【まとめ】カンザスシティ連銀とは｜Fedとの関係性や主な役割をわかりやすく解説
カンザスシティ連銀は全米12地区の連銀の1つで、FRBとともに地区内の銀行を監督したり金融システムの安定維持に務めたりします。
カンザスシティ連銀の主催事業で注目を集めるのは、ジャクソンホール会議です。
会議でのFRB議長の講演を受けて、相場が動くこともあります。
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