NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)とは|役割やFRBとの関係性をわかりやすく解説
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)は、米国の中央銀行制度を構成する12の地区連邦準備銀行の1つです。
連銀総裁は連邦公開市場委員会(FOMC)の常任メンバーであり、金融政策の実施や資金供給など、米国の連邦準備制度において重要な役割を担っています。
本記事では、NY連銀の役割や連邦準備制度理事会(FRB)との関係性をわかりやすく解説します。
目次
- 1.NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)とは
- 2.NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)の主な役割
- 3.NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)の発表する経済指標
- 4.NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)に関するQ&A
- 5.【まとめ】NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)とは|役割やFRBとの関係性をわかりやすく解説
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)とは
まずはNY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)がどのような組織なのかを解説します。
- ・NY連銀の意味・特徴
- ・NY連銀と連邦準備制度の関係性
NY連銀の意味・特徴
NY連銀は、米国の中央銀行制度を構成する12の地区連邦準備銀行の1つで、英語では「Federal Reserve Bank of New York」と呼ばれます。
管轄は、ニューヨーク州、ニュージャージー州北部の12郡、コネチカット州フェアフィールド郡、プエルトリコ、米領バージン諸島を含む第2地区です。
世界でもトップクラスの金融街であるニューヨークのウォール街が位置する地区であることから、金融市場とのつながりが非常に深く、地区連邦準備銀行の中でも重要視されます。
金融政策は連邦公開市場委員会(FOMC)で決定され、NY連銀を含む地区連邦準備銀行が地域でその実行を担います。
NY連銀と連邦準備制度の関係性
連邦準備制度(Federal Reserve System)とは米国の中央銀行制度のことで、FRB、FOMC、12行の地区連邦準備銀行によって成り立っています。
地区連邦準備銀行の中でもNY連銀は、米国の連邦準備制度において重要なポジションを担っています。
例えば、米国の公開市場操作はFOMCによって決定されますが、実施するのはNY連銀です。
さらに、NY連銀総裁はFOMCの投票権を常時保有する地区連邦準備銀行の中で唯一の常任メンバーであり、米国の連邦準備制度において重要視されていることがわかります。
なお、各地区連邦準備銀行はFRBの監督下にあるものの独自の法人格を持っており、地域経済への対応では一定の自主性がありますが、金融政策の運営に関してはFRBの方針に従って動いています。
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)の主な役割
連邦準備制度において、NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)はどのような役割を担うのかを解説します。
- ・FOMCで中心的な役割
- ・金融政策の実施や資金供給
- ・金塊の保管
FOMCで中心的な役割
米国の金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)は、FRBの理事および地区連邦準備銀行総裁で構成されます。
FOMCにはFRB理事7名と12地区連銀の総裁が参加しますが、投票権を持つのはそのうちの12名です。
このうちNY連銀総裁は唯一の常任投票権を持ち、他の地区連銀総裁は持ち回り制で交代します。
金融政策の実施や資金供給
NY連銀はFOMCで決定された金融政策の実施や資金供給を行います。
例えば、公開市場操作はFOMCの指示の下、NY連銀が実施します。
また、FOMCの政策目標達成のため、レポ取引による資金供給も行っています。
金塊の保管
NY連銀は各国の中央銀行や国際機関など、政府系機関からの依頼により金(ゴールド)を保管しています。
総重量約6,000トン規模の金塊が保管されており(2024年時点)、民間以外の保管機関としては世界最大級とも言われます。
なお、米国政府が保有する金塊は別の施設(フォートノックスなど)で管理されており、NY連銀では保管していません。
また、個人や民間団体の金塊は保管できません。
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)の発表する経済指標
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)が公表する経済指標のNY連銀製造業指数について解説します。
NY連銀製造業指数とは
NY連銀が調査・公表する経済指標の1つで、毎月中旬に当月分が発表されます。
NY連銀の管轄である第2地区(ニューヨーク州、ニュージャージー州北部、コネチカット州フェアフィールド郡など)の製造業者に対してアンケート調査を行い、回答を指数化します。
0を基準として、プラスであれば景況感が良く、マイナスであれば景況感が悪化していることを意味します。
単体の数値だけでなく、推移をチェックすることが重要です。
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)に関するQ&A
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)に関するよくある質問は、以下の通りです。
- ・NY連銀の総裁は誰ですか?
- ・NY連銀とFRBの違いは何ですか?
- ・NY連銀製造業指数はどこで確認できますか?
NY連銀の総裁は誰ですか?
NY連銀の現在の総裁はジョン・C・ウィリアムズ氏です。
2018年に就任し、連邦公開市場委員会(FOMC)の常任投票メンバーとして政策決定に関わっています。
NY連銀とFRBの違いは何ですか?
NY連銀は、連邦準備制度を構成する12の地区連邦準備銀行の1つです。
連邦準備制度理事会(FRB)は、連邦準備制度の中枢組織であり、主要な金融政策を策定します。FRBが定めた金融政策を、各地区連邦準備銀行が実施します。
NY連銀製造業指数はどこで確認できますか?
NY連銀製造業指数は、NY連銀のホームページで確認できます。
また、証券会社などの経済指標カレンダーでも発表日時や結果を確認できます。
OANDA証券では、「国別経済指標」のリンクより、NY連銀製造業指数を含む各国の経済指標を確認できます。
【まとめ】NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)とは|役割やFRBとの関係性をわかりやすく解説
NY連銀(ニューヨーク連邦準備銀行)は、米国の中央銀行制度を構成する12の地区連邦準備銀行の1つで、英語では「Federal Reserve Bank of New York」と呼ばれます。
FOMCの常任メンバーとして中心的な存在であり、金融政策の実施や金塊の保管を行うなど、米国の連邦準備制度の中でも重要な役割を担っています。
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