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フィラデルフィア連銀とは|主な役割やフィラデルフィア連銀景況指数などをわかりやすく解説


フィラデルフィア連銀とは米国の地区連銀の1つで、米連邦準備制度理事会 (FRB)と協力しながら担当地区内の銀行を監督します。

地区内景気に関する各種調査も重要な業務で、フィラデルフィア連銀景況指数は市場の注目を集める経済指標です。

本記事では、フィラデルフィア連銀の役割やよくある質問などを解説します。

フィラデルフィア連銀とは

フィラデルフィア連銀の管轄地域や連邦準備制度(Fed)との関係について解説します。

  • ・フィラデルフィア連銀の管轄地域
  • ・フィラデルフィア連銀と連邦準備制度(Fed)の関係

フィラデルフィア連銀の管轄地域

20251121_フィラデルフィア連銀の管轄地域

地区連銀(連邦準備銀行)は、全米12の地区に設置されています。

このうちフィラデルフィア連銀の管轄地域は地図内③の大西洋岸で、管轄地域はペンシルベニア州中部および東部、ニュージャージー州南部、デラウェア州にまたがっています。

第3地区は米国で経済活動が活発な地域の1つであり、他の管轄地域に比べて面積は狭いものの、市場関係者の注目を集めています。

フィラデルフィア連銀と連邦準備制度(Fed)の関係

フィラデルフィア連銀は全米12の地区連銀の1つで、地区連銀はFedを構成する主要組織の1つです。

FRBは米国の金融政策の実施と国内金融システムの統制を主な任務とし、FOMCは政策金利などを決定します。

フィラデルフィア連銀を含む地区連銀は、FRBとともに地区内の銀行を監督したり決済サービスを提供したりします。

地区内の景気動向を調査してFed内で共有することも任務の1つで、FOMCでの金融政策に反映されます。

フィラデルフィア連銀の主な役割

フィラデルフィア連銀の主要な業務を紹介します。

  • ・FOMCへの参加
  • ・金融機関の監督

FOMCへの参加

FOMCは米政策金利の決定などを主要業務とし、年8回開催されます。

フィラデルフィア連銀総裁も参加し、投票権を持つ場合は投票します。

投票権に関して、FRB理事とニューヨーク連銀総裁は常に保有する一方、その他の連銀総裁は輪番で投票権を得ます。

フィラデルフィア連銀総裁は2026年に投票権を持ち、2027年と2028年は投票権を持ちません。

金融機関の監督

地区連銀の業務の1つに、地区内の金融機関の監督があります。

FRBが方針を決定し、フィラデルフィア連銀は地区内の銀行を監督します。

また、決済システムの安全性と効率性の向上に関する業務を遂行し、民間銀行への貸付業務も実行しています。

フィラデルフィア連銀景況指数

フィラデルフィア連銀景況指数の意味や推移等を解説します。

  • ・フィラデルフィア連銀景況指数とは
  • ・フィラデルフィア連銀景況指数の推移

フィラデルフィア連銀景況指数とは

フィラデルフィア連銀景況指数とは、フィラデルフィア連銀管轄地区(第3地区)の製造業の景気動向を示す経済指標です。

毎月発表され、FRBによる金融政策分析に参照されるほか、市場の注目度が高いことでも知られています。

指数は製造業企業へのアンケート調査で求められ、算出方法は「良くなった」と答えた企業の割合から「悪くなった」と答えた企業の割合を引く方法です。

0よりも大きければ改善、0よりも小さければ悪化を示します。

フィラデルフィア連銀景況指数の推移

20251121_フィラデルフィア連銀景況指数の推移

出典:フィラデルフィア連銀

2011年1月から2025年10月までの推移(オレンジ線)を見ると、2020年初めに大きく落ち込んだ点が特徴的です。

コロナショックを受け、フィラデルフィア連銀管轄地域にも大きなダメージがあったことがわかります。

コロナショック後に短期間で回復したものの、2022年以降はゼロを挟んで上下動しており、従来よりも活動水準が低下した可能性があります。

一方、将来の見通し(黒線)は現在よりも良くなるという回答が優勢で、比較的楽観的です。

フィラデルフィア連銀に関するQ&A

フィラデルフィア連銀に関するよくある質問は、主に以下の通りです。

  • ・フィラデルフィア連銀の総裁は誰ですか?
  • ・フィラデルフィア連銀とFRBの違いは何ですか?
  • ・フィラデルフィア連銀景況指数はどこで確認できますか?

フィラデルフィア連銀の総裁は誰ですか?

フィラデルフィア連銀総裁はアナ・ポールソン(Anna L. Paulson)で、2025年7月1日に就任しました。

総裁就任前は、シカゴ連銀で副総裁と調査部門のディレクターを努めていました。

フィラデルフィア連銀とFRBの違いは何ですか?

米連邦準備制度理事会 (FRB)の主な役割は、米国の金融政策の実施と国内金融システムの統制です。

FRBは地区連銀を統括し、地区連銀とともに国内金融機関を監督します。

一方、フィラデルフィア連銀は地区連銀の1つであり、担当地区内の銀行の監督や金融システムの安定維持に関する業務を遂行しています。

フィラデルフィア連銀景況指数はどこで確認できますか?

フィラデルフィア連銀景況指数は、フィラデルフィア連銀公式ホームページで公開されています。

各調査項目の数字や分析に加えて、推移グラフも確認可能です。

OANDA証券の「経済指標 予測カレンダー」では、フィラデルフィア連銀景況指数の公表日程や結果を確認できます。

【まとめ】フィラデルフィア連銀とは|主な役割やフィラデルフィア連銀景況指数などをわかりやすく解説

フィラデルフィア連銀は全米12地区の連銀の1つで、FRBとともに地区内の銀行を監督したり金融システムの安定維持に務めたりします。

フィラデルフィア連銀景況指数は市場の注目度が高いことで知られており、OANDA証券の経済指標カレンダーで発表日程や結果を確認可能です。

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