最終更新日:2021年8月30日 12時42分
FXのスキャルピング手法とは?利益を出すコツや禁止理由なども紹介
FXのスキャルピング手法とは?
FXのスキャルピング手法とは、1回の取引を数秒~数分までの短期間で取引を完了させる取引スタイルです。1日に何度も取引を行い、小さな利幅をコツコツと積み重ねます。
スキャルピングという名前の由来は、ネイティブ・アメリカンが行っていた頭皮を剥ぐという習慣から来ているといわれます。相場から頭皮を剥ぐように薄い利益を狙っていく取引手法がスキャルピングです。
他のトレード手法と比較
FXの世界ではスキャルピング以外にも、デイトレードやスイングトレードといった様々な取引スタイルがあります。それぞれ取引スタイルの特徴や違いについて、以下の表でまとめました。
表1/各取引スタイルの特徴や違い
取引スタイル | スキャルピング | デイトレード | スイングトレード | ポジショントレード |
---|---|---|---|---|
使用するチャート | 1分足~15分足 | 5分足~日足 | 1時間足~週足 | 日足~月足 |
メリット | ・1回のトレードリスクが少ない ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない |
・1回のトレードリスクが少ない ・資金効率が良い ・翌日にポジションを持ち越さない |
・一度に狙える利益はデイトレより大きい ・相場に張り付く必要がない ・ポジショントレードより取引機会が多い |
・一度に大きな利益を狙うことができる ・相場に張り付く必要がない |
デメリット | ・取引回数が増えるためスプレッド分のコストがかかる ・一度に大きな利益は期待できない ・トレード中は相場に張り付く必要がある |
・一度に大きな利益は期待できない ・相場を頻繁にチェックする必要がある |
・1回のトレードリスクが大きい ・ポジションを翌日に持ち越すためストレスが大きい ・週を跨いでポジションを持つと週末リスクがある |
・1回のトレードリスクが大きい ・トレードチャンスは少ない ・ポジションを翌日に持ち越すためストレスが大きい ・週を跨いでポジションを持つと週末リスクがある |
FXのスキャルピングのメリット
スキャルピングのメリットは、主に以下5つです。
メリット①:価格変動リスクを抑えられる
スキャルピングは短時間で取引を完了させるので、価格変動リスクを抑えられます。価格変動リスクとは、価格の変動によって資産価値が変動する意味です。ポジションを保有している時間が長いほど、価格変動リスクは高まります。
また長くポジションを保有していると、資産価値の増減によって精神的な負担も大きいです。素早くポジションを決済するスキャルピングなら、価格変動リスクや資産価値の増減による精神的な負担を抑えられます。
メリット②:資金効率が良い
スキャルピングは、チャンスがあれば1日に何度も取引を行います。取引が成功すれば資金効率が良い取引スタイルです。FXにおいての資金効率とは、口座の資金が増えるスピードを指します。
例えばスイングトレードは、1回の取引で約100pips以上の値幅を狙います。相場状況にもよりますが、2日~1週間程度の保有が一般的です。しかしスキャルピングなら取引が成功すれば、1日で100pips以上の値幅を狙うことも可能です。取引スキルが高まれば、より資金効率を見込める取引スタイルといえます。
メリット③:オーバーナイトによるリスクがない
スキャルピングは日をまたいでポジションを保有しないので、オーバーナイトによる損失のリスクがありません。寝ているときはチャートを監視できないので、深夜帯に相場が急激に変動した場合は想定外の損失を出す可能性があります。
保有しているポジションが気になってしまい、なかなか眠れないこともあるでしょう。その日のうちに全て取引を完了させるスキャルピングなら、オーンバーナイトを気にする必要はありません。
メリット④:仕事で忙しい方でも取引しやすい
スキャルピングは短時間で取引を完了させるので、仕事で忙しい方でも取引をしやすいといえます。例えば仕事から帰ってきて休憩した後に、1時間だけ取引をすることも可能です。
またちょっと時間が空けば、スキマ時間を使っての取引もできます。普段仕事で忙しくなかなかFXに取り組めない方は、スキャルピングを検討しても良いかもしれません。
メリット⑤:取引経験を積みやすい
スキャルピングは1日に何度も取引を行うので、取引経験が積みやすいといえます。FXは取引経験を多く積み、失敗と反省を繰り返すことで上達します。ただし適当に何度も取引をしているだけでは上達しないので、1回1回の取引に集中することが可能です。
FXのスキャルピングのデメリット
スキャルピングのメリットは、主に以下3つです。
デメリット①:瞬時の判断力やある程度の相場経験が必要
スキャルピングは短時間で何回も取引を繰り返すので、瞬時の判断力が必要な取引スタイルです。エントリーに躊躇すれば、機会損失を引き起こす可能性があります。また損切りができなければ、大きな損失を出す可能性もあります。
エントリーや損切りなどを瞬時に行うのは、簡単そうで実は難しいものです。ある程度の取引経験を積み、精神的な強さも必要な取引スタイルといえます。
デメリット②:集中力や精神的負担が大きい
スキャルピングはパソコンに張り付き淡々と取引を行うので、集中力が必要な取引スタイルです。1回1回の取引を適当にしては損失を出す確率も高めてしまうので、しっかりと相場分析をし取引しなければなりません。
また損失を出しても感情に流されず淡々と取引をしなければならず、精神的な強さも必要といえます。短時間の取引とは言え、集中力や精神的負担が大きな取引スタイルです。
デメリット③:取引コストがかかる
スキャルピングは取引回数も多くなるので、取引コストがかかる取引スタイルです。FXは取引ごとにスプレッドが発生します。スプレッドは手数料のようなものです。取引コストは必ず発生するものなので、損小利大の取引を心がけなければなりません。
FXのスキャルピングで利益を出すコツ
スキャルピングはある程度の相場経験が必要です。取引スキルを身に付ければ資金効率や時間効率が良い取引スタイルです。ここではスキャルピングで利益を出すコツについて詳しく紹介します。
コツ①:利確と損切りの判断を瞬時に行う
スキャルピングは利確や損切りなど、売買判断を瞬時に行うのが利益を得るコツです。主に取引する時間足は1分足や5分足など短い時間足です。値動きが早く躊躇しているとエントリーできなかったり予定外の損失を被る可能性があります。
特にスキャルピングの場合は、損失を最小限に抑えなければなりません。大きな損失をだすと取り戻すのに時間がかかります。瞬時の判断がなかなかうまくできない人は、指値注文や逆指値注文などの予約注文を活用しましょう。
コツ②:値動きが活発になりやすい時間帯や通貨ペアで取引する
スキャルピングで効率よく利益を得るためには、値動きが活発になりやすい時間帯や通貨ペアを選び取引することが大切です。FXは24時間取できますが、いつでも活発に動いているわけではありません。
FXは為替差益で利益を得る投資です。ボラティリティが低い時に取引をしても効率よく利益を得るのは難しいといえます。その他にもスプレッドが拡大したり急な価格変動が起こったりと、様々なリスクが生じます。
そういったリスクを避けるために、まずは東京市場・欧州市場(ロンドン)・米国市場(ニューヨーク)で取引を始めましょう。市場参加者も多く値動きが活発になりやすい市場なので、取引に成功すれば効率よく利益を得られるでしょう。
コツ③:取引コストを抑えられる環境で取引をする
スキャルピングは何度も取引を繰り返します。取引コストを抑えられれば効率よく利益を得ることも可能です。実質的な取引コストはスプレッドですが、スプレッドを抑えれば取引コストが収まるのかといえばそうではありません。なぜならばスリッページや約定スピードも取引コストに影響するからです。
スプレッドがいくら狭くても約定スピードやスリッページが発生すれば、その分取引コストが発生します。もしかしたらさらに多くの取引コストを、支払う可能性があるかもしれません。表面的なスプレッドの狭さだけではなく、約定スピードやスリッページも確認する必要があります。
OANDAでは見せかけだけのスプレッドだけではなく、リアルスプレッド№1を目指しています。OANDAが考えるリアルスプレッド№1とは、見えているスプレッド+約定力です。約定力を強化することで、本当の意味での最狭水準のスプレッドを提供できると考えます。
またお客様に公正・公平な取引環境の提供を目指しており、約定までの時間やスリッページの発生状況など情報を公開しています。高性能で安定したインフラを提供するOANDAでの取引をご検討ください。
OANDAが提供する約定までの時間やスリッページの発生状況などの確認はこちら
コツ④:長期足のトレンドを分析する
スキャルピングは1分足や5分足という短い時間足で取引をします。だからと言って1分足や5分足だけをみて取引するのはやめましょう。FX相場は月足や週足など長期足のトレンド方向に沿って動く傾向があります。
短い時間足のみを見て取引をすれば、高値掴み・安値掴みをする可能性があります。長期足のトレンドを分析したうえで、現在の取引は順張りなのか逆張りなのかを把握しながら取引をすることも重要です。必ず月足や週足などの長期足を分析してから、取引を始めましょう。
コツ⑤:自分で決めた取引ルールを守る
FXで長期的に利益を得るのであれば、取引ルールを必ず守りながら取引をしましょう。FXの世界において勝率100%はなく、プロトレーダーでも損失を出すといわれています。
そのような先の分からない相場で長期的に利益を得るのであれば、ルールを作り機械的に取引をする必要があります。まずはエントリー・決済・ストップロス(損切り)の3つで取引ルールを作成し、必ず守りながら取引をしましょう。
FX初心者がスキャルピングをする際の注意点
スキャルピングをする際に注意すべきことは、以下2つです。
注意点①:スプレッドだけではなく約定力も大切
スキャルピングは取引コストがかかるので、スプレッドを気にする方も多いです。しかし前述したように、スプレッドだけではなく約定力も確認する必要があります。リアルスプレッド№1を目指しているOANDAで、ぜひ取引をご検討ください。
OANDAが提供する約定までの時間やスリッページの発生状況などの確認はこちら
注意点②:通信環境にも気をつける
スキャルピングはスキマ時間を使って手軽に取引ができます。取引チャンスがあれば、外出時にも取引をする可能性もあります。通信環境があまりよくない無料Wi-Fiを使い、取引をする方もいるかもしれません。
しかし瞬時の判断を下すスキャルピングでは、通信環境が悪いと約定や損切りがうまくできない可能性もあります。なるべくなら無料Wi-Fiではなく、有線の安定した通信環境で取引するようにしましょう。
FXのスキャルピングに向いている人・向いていない人
FXの取引スタイルは生活スタイルや性格など、様々な要因によって向き不向きがあります。ここではスキャルピングに向いている人・向いていない人について詳しく紹介します。
向いている人
スキャルピングに向いている人は、以下の通りです。
- 仕事で忙しくなかなか時間が取れない人
- 毎日淡々とFXに取り組める人
- 気持ちの切り替えが早い人
- 短期間で大きな利益を狙いたい人
スキャルピングは何度も取引をし派手に感じるかもしれません。しかしやってみると地味なものです。毎日チャートと向き合い、淡々とFXに取り組める人が向いているといえます。また損切りをしても冷静で入られる精神的な強さも必要なので、気持ちの切り替えが早い人も向いているでしょう。
向いていない人
スキャルピングに向いていない人は、以下の通りです。
- 集中力がない人
- 判断力や決断力に自信がない人
スキャルピングでは瞬時の判断力や決断力が大切です。もしそのスキルに自信がないのであれば利益を得るのは難しいといえます。また短時間とはいえ集中力も必要なため、集中力がない人はより取引時間が長いデイトレードやスイングトレードが良いでしょう。
OANDAでスキャルピングを行うのは禁止?
OANDAではスキャルピングを禁止にするという明確な規定はありません。しかし弊社にてお客様の取引手法に問題があると判断した場合は、お取引をご遠慮いただく場合がございます。また弊社のカバー先がお客様の取引のカバーを継続することが難しいと判断した場合も同様です。
なお、お客様の取引状況、また弊社カバー先のカバー状況、またそのときの相場状況を勘案したのちに弊社にて取引制限を行う場合があるため、具体例を提示することはできかねます。
生活スタイルに合った無理のない取引手法を選びましょう
FXを始めると早く利益を得たいという考えから、スキャルピングを選ぶ人も多いでしょう。しかしFXの世界では、一般的に9割のトレーダーが1年以内に相場から退場するとも言われています。ほとんどのトレーダーが相場から退場するので、FXで利益を得ることは想像以上に難しいのです。
FXで利益を得るためには取引スキルや経験が必要であり、継続して取り組む必要があります。短期間で利益を得ようとするのではなく、自分の生活スタイルに合った無理のないトレードスタイルで長期的に取り組むことが大切です。
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