評価損益とは|見方や実現損益との違いなどをわかりやすく解説
評価損益とは、FXや株式投資、投資信託などで保有している金融資産の、購入価格と現在価格の差額を表した数値です。
「その時点で売却(決済)した場合の利益または損失がいくらになるか」を表します。
本記事では、評価損益の見方や実現損益との違いなどをわかりやすく詳しく解説します。
評価損益とは
まずは評価損益の意味と、関連用語の評価損益率について解説します。
- ・意味
- ・評価損益率とは
意味
評価損益とは、保有している資産の「購入時の価格(簿価)」と「現時点の価格(時価)」の差額を表した数値です。
購入時の価格よりも現在の価格が高ければ評価益、購入時の価格よりも現在の価格が低ければ評価損と呼ばれます。
一般的に、金融商品の価格は時間経過とともに変動し、評価益や評価損が増減します。
この評価損益は「その時点で売却(決済)した場合の利益や損失がいくらになるか」を表し、売却(決済)をすることで初めて利益や損失が確定します。
この確定した損益のことを、実現損益と呼びます。
評価損益率とは
評価損益率は、主に信用取引で用いられる用語です(信用評価損益率とも呼ばれます)。
信用取引の買残高全体に対する評価損益の割合を示す指標で、投資家心理や過熱感を測る指標として使われています。
数値がプラスだと買残高の多くに評価益が出ている状態、マイナスだと買残高の多くに評価損が出ている状態を示します。
信用取引では評価益が出るとすぐに利益確定をする傾向があるため、評価損益率は一般的にマイナスで推移することが多く、プラスに近づいている場合は相場は天井に近づいていると判断できます。
反対に、マイナス20%付近になると、株価が下げ止まって反転する可能性があると見なされます。
評価損益の仕組みと見方
個人投資家に人気のある金融商品ごとに、評価損益の仕組みと見方について解説していきます。
- ・投資信託の評価損益
- ・株式投資の評価損益
- ・FXの評価損益
投資信託の評価損益
投資信託の評価損益は、取得時の価額と直近の基準価額によって算出されます。
購入時の価格よりも現在の基準価額が値上がりしているとプラス、値下がりしていればマイナスです。
投資信託には分配金をもらえる銘柄もありますが、評価損益の算出に分配金は含まれません(再投資した分は基準価額の一部となり、間接的に反映されます)。
評価損益や分配金、手数料など投資期間中の総合的な損益を知りたい場合は「トータルリターン」を確認します。
なお、投資信託はFXや株式投資のようにリアルタイムで売買できるわけではありません。
1日1回発表される基準価額を基に売買が行われるため、売買できるタイミングも1日に1回までです。
株式投資の評価損益
株式投資の評価損益は、株価が購入時よりも上昇していればプラス、下落していればマイナスです。
仮に、1万円で購入した株式が現在は1万1000円になっていれば評価損益は1000円のプラスで、売却をすれば1000円の利益が確定します。
現物取引は買いでしか取引できませんが、信用取引の場合は売りからスタートできます。
売りの場合は、株価が購入時よりも下落していればプラス、上昇していればマイナスです。
評価損益の時点では損益が確定していないため、マイナスでも株式を待ち続けていればプラス転換する場合もあります。
そのため、「塩漬け」という好ましくない状態で放置する投資家もいます。
一方で、現在の評価損益がプラスでも将来的にマイナスに転換する可能性もあるため、売却タイミングの見極めには注意が必要です。
FXの評価損益
FXの評価損益は、ポジションを保有したときの価格と現在の価格によって決まります。
買いポジションを保有している場合は、エントリーレートより現在のレートが高ければ評価損益はプラス、低ければマイナスになります。
スワップポイントは通常、評価損益とは別に計上されますが、FX会社によっては合算表示される場合もあります。表示方法は取引ツールやFX会社によって異なるため、確認する必要があります。
なお、FXには買値と売値の価格差であるスプレッドが存在します。
基本的に買値よりも売値の方が低いので、理論的にはポジションを持った瞬間に売却すると損失が発生します。
買いでも売りでもポジションを保有した瞬間に評価損益がマイナス表示されるのは、スプレッドが影響しています。
評価損益に関するQ&A
評価損益に関してよくある質問は以下の通りです。
- ・評価損益は課税対象ですか?
- ・評価損益と実現損益の違いは何ですか?
- ・評価損益と時価評価額の違いは何ですか?
それぞれ解説していきます。
評価損益は課税対象ですか?
個人投資家の場合は基本的にFXや株式、投資信託、暗号資産などの評価損益に課税されることはありません。
ただし、1億円以上の有価証券等を保有する個人が海外に転出する際には出国税(みなし譲渡課税)が適用され、含み益に対して課税される場合があります。
評価損益と実現損益の違いは何ですか?
実現損益は実際に得られた利益や被った損失を表します。
評価損益は実現した損益ではなく、いま売却(決済)すればどのくらいの利益や損失になるかの計算上の金額を表します。
評価損益と時価評価額の違いは何ですか?
時価評価額は、金融資産を現在の市場価格(時価)で換算した金額です。
一方、評価損益は、時価評価額から購入時の価格(簿価)を差し引いた数値です。
購入時よりも時価評価額が上がっていればプラス(評価益)、下がっていればマイナス(評価損)となります。
【まとめ】評価損益とは|見方や実現損益との違いなどをわかりやすく解説
評価損益とは、保有している資産の「購入時の価格(簿価)」と「現時点の価格(時価)」の差額を表した数値です。
その時点で売却(決済)した場合に利益や損失がどのくらいになるかを表します。
金融商品の価格は、取引時間中に常に変動し、評価損益も変わります。
評価損益の時点では利益や損失は確定しておらず、売却して初めて利益や損失が確定します。
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