グロース投資とは|特徴やバリュー投資との違いなどを初心者向けにわかりやすく解説
グロース投資とは、将来的に大きく成長が予想される企業に投資する手法です。
期待通りに成長し、かつ市場の期待を上回ることで、株価が上昇して大きな利益が得られる可能性があります。
本記事では、グロース投資の特徴・ポイント・バリュー投資との違いなどを詳しく解説します。
※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.グロース投資とは
- 2.グロース投資のメリットとデメリット
- 3.グロース投資を行う際のポイント
- 4.グロース投資に関するQ&A
- 5.【まとめ】グロース投資とは|特徴やバリュー投資との違いなどを初心者向けにわかりやすく解説
グロース投資とは
まずは、グロース投資の基本と、バリュー投資との違いについて説明します。
- ・グロース投資の意味・特徴
- ・バリュー投資との違い
グロース投資の意味・特徴
グロース投資とは、現在は利益や規模が大きくなくても将来的な事業成長が期待される企業や、すでに一定の市場シェアを持ちながらさらに拡大が見込まれる企業に投資する方法です。
現在はAIや半導体などのテック関連、バイオテクノロジー、クリーンエネルギーなどがグロース株として挙げられます。
注意したいのは、将来の成長を期待できる企業であっても、必ず成長するわけではないことです。
事業の実用性が乏しい、想定通りに成長しない、競合が出現したなどの要因で株価が大きく下落することなどが起こり得ます。
バリュー投資との違い
グロース投資は、将来的に大きく成長が予想される銘柄に投資する手法である一方、バリュー投資は割安株に投資する手法です。
基本的に業績や財務体質は安定しているものの、相場環境や知名度の低さなどで株価が下落している割安株は、将来的に再評価されて株価が適正価格まで上昇する可能性が高く、値上がり益を狙えると考えられます。
以下の表は、グロース投資とバリュー投資の主な違いです。
グロース投資 | バリュー投資 | |
---|---|---|
意味 | 将来的に成長する可能性が高い銘柄に投資 | 企業の資産価値や利益水準と比較して株価が割安の銘柄に投資 |
投資の狙い | 企業が成長することによる株価上昇 | 企業価値が適正に再評価されることによる株価上昇 |
投資対象 | 売上や利益の伸びが予想される企業 | 本来の企業価値よりも低評価されている企業 |
投資先のタイプ | IT、AI、半導体、バイオテクノロジーなど | 業績や財務は安定しているが一時的に株価が下落している大型株、相場環境の影響で今は注目度が低い銘柄など |
リスク | 想定通りに成長しない可能性がある | 再評価されなければ株価が低迷したままの可能性がある |
グロース投資とバリュー投資にはどちらも一長一短があるので、自分の投資スタイルに合った方法を選ぶことが推奨されます。
グロース投資のメリットとデメリット
グロース投資のメリットとデメリットについて解説します。
- ・グロース投資のメリット
- ・グロース投資のデメリット
グロース投資のメリット
グロース投資の主なメリットは、以下の3点です。
- ・成功すれば大きなリターンを得られる
大きく成長する銘柄に投資できれば、将来的に大きな利益が期待できます。
グロース銘柄の代表例として、米国の半導体メーカーであるエヌビディアがあり、10年間で株価が数十倍に上昇しました(株式分割の影響を含む)。
エヌビディアのような銘柄に早い段階から投資ができると大きなリターンを得られる可能性がある点が、グロース投資の最大の魅力です。
- ・短期間に株価が大きく値上がりする可能性がある
業績が予想を大きく上回った、新技術の開発に成功した、新薬が当局に承認されたなどのポジティブなニュースが発表されれば、株価が短期間に高騰する可能性が高まります。
特に、グロース株は投資家からの注目度が集まりやすく、期待感で投資されることからボラティリティが高い傾向があります。
ただし、グロース投資は通常、中長期的な成長を見据えた投資スタイルであるため、短期の株価変動に一喜一憂しない姿勢が重要です。
- ・新しい技術への投資や企業の成長ストーリーを楽しめる
利益追求とは別に、出資者として新技術や新興企業が成長していくストーリーを楽しめることもグロース投資のメリットです。
AI、自動運転、半導体、クリーンエネルギー、医療、バイオテクノロジー、フィンテックといった技術や、これらを製品とする新興企業が期待通りに大きく成長していく過程を見守れるのは、この投資の醍醐味といえます。
グロース投資のデメリット
グロース投資のデメリットは、主に以下の3点です。
- ・投資した銘柄が必ず成長する保証はない
将来に期待できるといっても、必ず企業が成長して株価も上昇する保証はありません。
グロース株はあくまでも「これから成長していくと思われる企業」であって、「必ず成長していく企業」ではない点に注意が必要です。
実際に成長するかどうかは誰にもわからないため、想定よりも成長しない、数年後も赤字が続くというケースも考えられます。
- ・株価が割高になる可能性がある
グロース株の株価は、現在の業績に対して割高に見える価格まで上昇することがあり、期待が過剰になると、成長鈍化時に株価が急落するリスクがあります。
特に、AIや半導体など話題の業界ほど投資家からの注目度が高く、すでに過熱状態になっていることも多いため、高値での購入を余儀なくされる場合があります。
- ・配当が出ない銘柄も多い
グロース株は株主に還元するよりも会社の成長に利益を回しているため、配当が少ない、もしくは出さない企業が多いです。
代表的なグロース企業である米国のアマゾンやテスラなども、長年配当を出さずに成長投資を優先してきた例があります。
配当によるインカムゲインを狙いたい人、増配を期待している人にはグロース投資はあまり向いていないといえます。
グロース投資を行う際のポイント
グロース投資を行う場合、どこに注目するべきかを解説します。
- ・売上高の成長率を見る
- ・株価指標を使って収益性や成長性を確認する
- ・市場シェアや事業モデルの持続性を分析する
売上高の成長率を見る
売上高が順調に伸びていれば、提供している製品やサービスの需要が高まっていると考えられます。
売上高の成長率は、将来性があるかどうかを判断するための方法の1つです。
ただし、グロース株は利益が少ない企業も多く、特にバイオ株は研究費で赤字になっている場合もあります。
売上高は、企業のIRページ、証券会社、投資情報メディアなどで確認可能です。
株価指標を使って収益性や成長性を確認する
投資指標とは、企業の価値や株価などを測るために用いられる数値や比率で、株価や業績、財務などを基に算出されます。
代表的な株価指標として、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)がよく知られています。
企業の収益性や成長性を確認する株価指標には、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株あたり純利益)、売上高成長率、営業利益率、PSR(株価売上高倍率)があります。
それぞれの意味と特徴は以下になります。
株価指標 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|
ROE(自己資本利益率) | 投資家が出資した資金を使って、どのくらい効率よく利益をあげているかを示す指標 | 高いほど効率よく利益をあげていると考えられる |
EPS(1株あたり純利益) | 1株に対して、どのくらいの利益を出しているのかを示す指標 | 高いほど収益性の高い企業と考えられる |
売上高成長率 | 売上高がどのくらい伸びているのかを示す指標 | 高いほど売上高が伸びていると考えられる |
営業利益率 | 売上高のうち、営業利益がどのくらいなのかを示す指標 | 高いほど企業の収益力が高いと考えられる |
PSR(株価売上高倍率) | 企業価値(時価総額)に対する売上高の水準を示す指標 | 一般的に高成長企業で高くなる傾向がある |
なお、いずれの指標も高いほど良いというわけではありません。
業種や業界によって平均値は異なるため、業界平均や他社と比較分析することが重要です。
これらの指標以外にもROA(総資産利益率)、ROI(投資利益率)、営業キャッシュフローなどを確認することで、企業の成長性をより詳しく判断しやすくなります。
市場シェアや事業モデルの持続性を分析する
グロース投資では、市場が伸びているか、事業モデルが継続していけそうかという点も大切です。
企業が属している業界の市場が伸びていれば、企業も成長しやすい傾向があります。
特に、注目されている業界でシェアが拡大している企業は、今後も成長していく可能性が高いと判断できます。
売上高や利益を継続的に伸ばしていけるビジネスモデルを構築しているかどうかも重要です。
グロース投資に関するQ&A
グロース投資に関して、よくある質問を解説します。
- ・グロース株とは?
- ・グロース投資は初心者でもできますか?
- ・グロース投資とバリュー投資はどちらが有利ですか?
グロース株とは?
グロース株とは、将来的に売上や利益が大きく伸びると期待されている銘柄のことです。
新しい技術を研究している企業や、急成長している業界の企業が該当します。
大きく成長した企業の代表例には、米国のエヌビディアやテスラが挙げられます。
グロース投資は初心者でもできますか?
投資初心者でもグロース投資は可能です。
分散投資や長期投資といった基本的な投資原則に従えば、初心者にも取り組みやすいと考えられます。
ただし、価格変動が大きくなりやすい、必ず成長するわけではない、業績に対して株価が高くなりがちなどのリスクもあります。
グロース投資とバリュー投資はどちらが有利ですか?
グロース投資は成長性重視、バリュー投資は割安さ重視の戦略で、それぞれメリットとデメリットがあり、一概にどちらが有利とはいえません。
有利不利ではなく、自分の投資目的や性格に合った方を選ぶことが大切です。
【まとめ】グロース投資とは|特徴やバリュー投資との違いなどを初心者向けにわかりやすく解説
グロース投資とは、将来的に大きく成長が予想される企業に投資する手法です。
期待通りに成長し、かつ市場の期待を上回ることで、株価が上昇して大きな利益を得られる可能性があります。
グロース株は売上高の成長率、企業の成長を表す投資指標、業界のトレンドなどを参考にすると見つけやすくなります。
一方で、必ず成長する保証はない、投資家の期待感から割高になっている、配当金が少ないなどのデメリットもあります。
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