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値がさ株とは|特徴・代表銘柄・投資するメリットと注意点をわかりやすく解説


値がさ株(値嵩株)とは、株価の水準が高い銘柄のことを指します。

投資に必要な資金は大きくなりますが、企業の安定性や成長性が見込まれることから投資家の注目を集めやすいです。

本記事では、値がさ株の特徴や代表銘柄、投資するメリットと注意点などをわかりやすく解説します。

※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。

値がさ株とは

まずは値がさ株の定義、低位株との違いを解説します。

  • ・値がさ株の定義
  • ・値がさ株と低位株の違い

値がさ株の定義

値がさ株とは、株価の水準が高い銘柄のことを指します。

明確な基準があるわけではありませんが、日本市場では一般的に数千円~数万円の銘柄が値がさ株と呼ばれることが多いです(市場や投資家によって基準が異なる場合もあります)。

1株あたりの株価が高いため、単元株(100株)を購入するにはまとまった資金が必要になりますが、その分、企業の安定性や成長性が期待できるケースが多いという特徴があります。

値がさ株かどうかの判断は株価の額面で行われるため、その銘柄が割高か割安かは考慮されません。

値がさ株でも、業績や成長性によっては割高な場合もあれば割安な場合もあります。

なお、値がさ株とは反対に、株価の水準が低い銘柄を「低位株」と呼びます。

値がさ株と低位株の違い

値がさ株と低位株は株価の水準で区別され、それぞれ異なる特徴を持っています。

主な違いは以下の通りです。

項目 値がさ株 低位株
株価水準 高い(一般的に数千円~数万円) 低い(一般的に1,000円以下)
投資に必要な資金 まとまった資金が必要 少額から投資が可能
主な特徴 企業の安定性や成長性が期待される 株価変動が大きく、短期的な値上がり益を狙える可能性がある
投資スタイル 長期投資に適している銘柄が多い 短期的な売買に適している銘柄が多い

一番の違いは株価水準で、一般的に値がさ株が「数千円~数万円の水準にある銘柄」を指すのに対して、低位株は一般的に「1,000円以下の水準にある銘柄」を指します。

値がさ株=株価が高い銘柄、低位株=株価が安い銘柄と理解すると違いがわかりやすいです。

値がさ株の主な特徴

ここでは、値がさ株の特徴を3つ紹介します。

  • ・株価の変動幅が大きい傾向にある
  • ・企業規模や知名度が高い銘柄が多い
  • ・売買単位が大きく、投資金額も高額になりやすい

株価の変動幅が大きい傾向にある

値がさ株は株価が高いことから、価格の変動幅が大きくなりやすいです。

例えば、株価が100円の銘柄が1%変動しても1円の動きにしかなりませんが、株価が10,000円の銘柄が1%変動すると100円の動きになります。

そのため、短期間で大きな利益や損失が生じることもあります。

投資する際は、株価変動リスクを十分に理解しておくことが重要です。

企業規模や知名度が高い銘柄が多い

値がさ株には、安定した収益基盤を持ち、売上高や利益が大きく、社会的知名度の高い企業が多く含まれます。

代表例として、キーエンスや任天堂などの大手企業が挙げられます。

こうした企業は信用力やブランド力が高いため、比較的安定した投資先として注目される場合があります。

売買単位が大きく、投資金額も高額になりやすい

日本の株式市場では、株の売買単位は1単元(100株)と定められています。

例えば、株価が10,000円の値がさ株の場合、1単元(100株)を購入するには100万円が必要です。

このように、値がさ株は少額からの投資が難しく、高額な投資資金が必要になるため、参入できる投資家が限られる場合があります。

値がさ株の代表例

ここでは、株価10,000円以上の主な値がさ株を紹介します。

企業名 証券コード 業種 株価
キーエンス 6861 電気機器 56,690円
ファーストリテイリング 9983 小売業 48,490円
SMC 6273 機械 44,780円
コナミグループ 9766 情報・通信業 21,840円
東京エレクトロン 8035 電気機器 20,240円
ダイキン工業 6367 機械 18,420円
レーザーテック 6920 電気機器 15,645円
ソフトバンクグループ 9984 情報・通信業 15,540円
任天堂 7974 その他製品 13,270円
アドバンテスト 6857 電気機器 11,440円

※株価は2025年9月5日時点のものです。

業種は電気機器、情報・通信業、機械など幅広く、さまざまな分野の企業が挙げられます。

各銘柄はそれぞれの業界をリードする企業であり、株価には企業のブランド力や安定性といった本質的な価値が反映されています。

値がさ株に投資するメリット・デメリット

値がさ株にはメリットとデメリットの両面があり、投資を行う際にはそれぞれを理解しておくことが重要です。

  • ・値がさ株に投資するメリット
  • ・値がさ株に投資するデメリット

値がさ株に投資するメリット

値がさ株には、投資家にとって以下のようなメリットがあります。

  • ・安定性が高い

株価の高い企業は、一般的に財務基盤がしっかりしており、業績が安定しています。

倒産リスクが低い傾向にあるため、長期的な資産形成に向いています。

  • ・信頼性が高い

市場での信頼度が高く、投資家向けのIR情報開示も充実していることが多いです。

そのため企業の状況を把握しやすく、投資判断がしやすい利点があります。

  • ・安定した配当収入

安定した収益力を持つ企業が多く、高い配当利回りを維持しているケースも少なくありません。

配当金重視の投資戦略にも適しています。

値がさ株に投資するデメリット

値がさ株には、投資家が注意すべき以下のようなデメリットがあります。

  • ・投資単位が大きい

株価が高いため、少額からの投資が難しく、まとまった資金が必要です。

そのため投資機会が限定され、分散投資がしにくくなる可能性があります。

  • ・成長・値上り余地が限定的

株価が高く、すでに大きな市場シェアを持つ企業が多いため、短期的な株価上昇による利益は期待しにくいです。

リターンの多くはキャピタルゲインではなく、配当収入に依存する傾向があります。

  • ・市場全体の影響を受けやすい

値がさ株は市場を代表する銘柄が多く、景気動向や金融政策などのマクロ経済の影響を受けやすい傾向があります。

好業績を発表しても、市場全体が軟調であれば株価が下落するケースも珍しくありません。

値がさ株に関するQ&A

値がさ株に関するよくある質問は、以下の通りです。

  • ・日経平均株価が値がさ株の影響を受けやすいのはなぜですか?
  • ・値がさ株と大型株の違いは何ですか?
  • ・値がさ株は少額でも買えますか?

日経平均株価が値がさ株の影響を受けやすいのはなぜですか?

日経平均株価が値がさ株の影響を受けやすい主な理由は、その算出方法にあります。

日経平均株価は、株価換算係数で調整した225銘柄の株価を合計し、それを除数で割って算出する株価平均型の指数です。

この仕組み上、株価の絶対値が高い値がさ株ほど、その値動きが指数全体の変動に大きく反映されます。

日経平均株価を分析する際には、特に値がさ株の動向に注目することが重要です。

値がさ株と大型株の違いは何ですか?

値がさ株と大型株は、どちらも株の規模を示す用語ですが、その基準は異なります。

値がさ株は1株あたりの株価の高さを基準とするのに対し、大型株は時価総額の大きさを基準としています。

そのため、株価がそれほど高くなくても、企業規模が大きければ大型株に分類されるのが特徴です。

値がさ株は少額でも買えますか?

日本の株式は通常、100株単位での売買が基本のため、1株あたりの株価が高い値がさ株を少額資金で購入することは難しいです。

ただし、一部の証券会社では、1株単位から購入できる単元未満株取引のサービスを提供しています。

そのようなサービスを利用すれば、通常は高額で手が出せない値がさ株でも、少額から取引を始めることが可能です。

【まとめ】値がさ株とは|特徴・代表銘柄・投資するメリットと注意点をわかりやすく解説

値がさ株とは、株価の水準が高い銘柄のことです。

明確な定義はありませんが、一般的には株価が数千円~数万円程度の銘柄が値がさ株と呼ばれます。

日本の株式では、単元株(100株)単位での購入が基本のため、値がさ株を取引するにはまとまった資金が必要となり、少額投資や分散投資が難しいという側面があります。

一方で、安定した収益基盤やブランド力を持ち、市場を代表する企業が多く、長期投資や底堅い配当を期待できる点も大きな特徴です。

値がさ株に投資する際は、こうしたメリットとデメリットを理解したうえで、自身の投資スタイルに合った銘柄を選ぶことが大切です。

OANDA証券では株式取引サービスを提供していませんが、より少額から始められるFXCFD取引ができます。

FXやCFD取引はレバレッジが利用できたり、24時間取引が可能であるなど、株式投資とは異なる魅力があります。

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