バリュー投資とは|初心者でもわかる特徴・方法・メリット・注意点を詳しく解説
バリュー投資とは、企業の本来の価値と比較して、割安と判断される銘柄を狙う投資手法です。
株価は企業の本質的価値と必ずしも一致するわけではなく、実態以上に下落している場合もあります。
将来的に投資家が企業価値を再評価すれば、株価が本質的な価値に近づく可能性があり、値上がり益を期待できます。
本記事では、バリュー投資の特徴・方法・メリット・注意点などを詳しく解説します。
※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.バリュー投資とは
- 2.バリュー投資のメリット・デメリット
- 3.バリュー投資を行う際のポイント
- 4.バリュー投資に関するQ&A
- 5.【まとめ】バリュー投資とは|初心者でもわかる特徴・方法・メリット・注意点を詳しく解説
バリュー投資とは
まずは、バリュー投資とは何かについて解説します。
- ・バリュー投資の意味・特徴
- ・グロース投資との違い
バリュー投資の意味・特徴
バリュー投資とは、ベンジャミン・グレアム氏が提唱した手法で、投資の神様と呼ばれているウォーレン・バフェット氏も実践しています。
企業の本来の価値(主に収益性、資産価値、財務健全性などの実績ベース、将来性など)と比較して、 株価が割安と判断される銘柄(バリュー株)を狙う投資手法です。
株価は必ずしも企業の価値と一致するわけではなく、一時的な業績不振や金融危機、地政学リスク、金融政策、不祥事などの要因により、実態以上に株価が下がることがあります。
割安銘柄は、投資家が再評価した場合に本来の企業価値に株価が近づきやすい傾向があり、その過程で値上がり益を狙う投資が、バリュー投資です。
バリュー株は成熟産業の大企業、一時的に業績が悪化している企業、市場で評価が低い業界に属する企業、小型株や地方企業に多く見られる傾向がありますが、大型株の中にも存在します。
ただし、割安なまま長期間放置されるケースもあるため、絶対視はできません。
グロース投資との違い
バリュー投資と比較される投資手法に、グロース投資があります。
バリュー投資は割安の銘柄を狙うのに対し、グロース投資は将来的に大きく成長しそうな銘柄(グロース株)を狙う投資手法です。
グロース株が多い代表的な業種として、半導体やテック関連が挙げられます。
成長期待性が高い銘柄は多くの投資家に注目されやすいことから、すでに株価が上昇している場合が多く、本来の企業価値よりも割高で買うことになる可能性があります。
一方で、企業が成長していくほど株価も上がっていきやすいため、グロース投資は大きなリターンを期待できます。
バリュー投資のメリット・デメリット
バリュー投資のメリットとデメリットについて解説します。
- ・バリュー投資のメリット
- ・バリュー投資のデメリット
バリュー投資のメリット
バリュー投資の主なメリットは、以下の3点です。
- ・適正価格よりも安価で株式を購入できる
バリュー投資の最大のメリットは、本来の企業価値に対して安価で株式を購入できる点です。
基本的に業績や財務体質が安定している優良企業は投資家からの人気が高く、株価が高くなりやすい傾向があります。
そのような優良株を、相場環境や金融政策など何らかの要因で割安になっているタイミングで購入できれば、将来的に企業の本来の価値に見合う株価水準まで回復していく際の値上がり益を期待できます。
- ・配当利回りが相対的に高い傾向がある
配当利回りとは、株価に対する配当金の割合で、数値が高いほどリターンが大きくなります。
ただし、配当は企業の業績次第で減配・無配となるリスクもあるため、財務状況や配当方針の継続性も確認する必要があります。
- ・株価下落のリスクが比較的低い
バリュー投資は割安で株式を購入するため、株価下落のリスクが相対的に抑えられる可能性があります。
また、将来的に投資した企業が正当に評価されるまで待つことが前提の投資手法であり、特に配当金が出る銘柄であれば株価が回復するまで塩漬けにしても心理的クッションになりやすいです。
ただし、大規模な金融危機や景気後退期のような市場全体が暴落する場面や企業業績の急変、致命的な不祥事などが起きると、バリュー株であっても大きく下落する可能性があるため、過信は禁物です。
バリュー投資のデメリット
バリュー投資の主なデメリットは、以下の3点です。
- ・株価の上昇までに時間がかかる
バリュー投資は、本来の価値よりも低く評価されている企業の株価が、適正価格まで上昇する可能性を狙う投資手法です。
言い換えると、投資家が企業の持つ本来の価値に気がつかない限り、株価は上がらないということで、数日後に評価されて上昇することもあれば、数年後にようやく評価されて上昇することもあります。
月単位、年単位で低迷を続ける可能性もあるため、短期で利益を獲得したい人にはあまり向いていない投資手法です。
- ・割安だからといって必ず上昇するとは限らない
今が割安だからといって、将来的に必ず上昇していくわけではありません。
赤字続きで経営状態に問題がある、業績が長期的に右肩下がりである、衰退産業で将来的に成長する見込みが薄いなどの問題で割安の場合は、投資家から敬遠されているため、株価が回復しない可能性が高まります。
このように、銘柄が割安のまま放置される状態をバリュートラップと呼びます。
- ・割安銘柄が見つからない可能性がある
株式相場が好況で株価が全面高になっていると、割安銘柄が見つからない場合があります。
特に株価が全面高になるのは景気が良い場面が多く、株価が上昇している中で割安になるまで待つと機会損失につながります。
なお、相場が全面高になっているにもかかわらず割安の銘柄は、投資家に買われない理由があるということなので、取引する際はしっかりと決算内容や財務状況、業界動向、相場状況などを確認する必要があります。
バリュー投資を行う際のポイント
実際に、バリュー投資を行う際の重要なポイントを解説していきます。
- ・業種や市場環境を踏まえて比較する
- ・株価指標を使って割安株を探す
- ・長期的な業績や配当をチェックする
業種や市場環境を踏まえて比較する
バリュー投資では、まず業種や市場環境を踏まえた分析が大切です。
一口に割安といっても、業種ごとに割安の基準も、投資家からの印象も異なります。
成熟産業は成長期待が低いため、PERが低くなる傾向があります。
一方で、テック系や半導体のような将来的に大きく成長しそうな業界は成長期待が織り込まれるため、PERが高くなる傾向があります。
また、金融政策や景気状況によって、投資家が注目する業界も変化します。
業界全体の規模や将来性、同業他社との比較、相場環境のトレンドなどを踏まえることで、優良な割安株を見極めやすくなります。
株価指標を使って割安株を探す
割安なのか見極める判断材料に、株価指標があります。
株価指標とは、株価や業績、財務などを基に算出する数値や比率です。
代表的な株価指標には、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)があります。
それぞれ以下の特徴があります。
株価指標 | 意味 | 特徴 |
---|---|---|
PER(株価収益率) | 株価がEPS(1株あたり純利益)の何倍かを示す | 数字が大きいほど割高、小さいほど割安 |
PBR(株価純資産倍率) | 株価が1株あたり純資産(BPS)の何倍かを示す | 数字が大きいほど割高、小さいほど割安 |
※それぞれの数値は業種によって適正水準が異なるため、同業他社や過去の水準と比較して判断することが重要です。
また上記以外にも、配当利回り、ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)などさまざまな株価指標があります。
これらを参考に、企業の財務健全性や将来性も併せて確認することで、より優良な割安株を選別しやすくなります。
ただし、株価指標が割安を示しているからといって、必ずしも上昇していくわけではなく、優良銘柄とは限らない点には注意が必要です。
長期的な業績や配当をチェックする
将来的に成長しそうな業界の企業で、PERやPBRなどが割安を示していても、業績が悪化していれば株価が上昇するどころか、下落するリスクがあります。
一時的に業績が悪化している場合、業績が回復すると株価が上昇する可能性があります。
反対に、長期的に業績が低下している場合は、今後も株価が下落しやすい傾向にあります。
また、配当金の動向も重要です。
業績が悪化すると減配や無配になりやすく、長期的に安定した配当を出し続けている企業は堅実な経営をしていると評価できます。
バリュー投資に関するQ&A
バリュー投資に関するよくある質問について解説していきます。
- ・有名なバリュー投資家は?
- ・バリュートラップとは?
- ・ディープバリュー投資とは?
有名なバリュー投資家は?
有名なバリュー投資家では、「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェットが挙げられます。
その他に、バフェットの右腕と知られるチャーリー・マンガー、「バリュー株の父」と呼ばれるベンジャミン・グレアム、ヘッジファンド「バウポスト・グループ」の創設者であるセス・クラーマンも有名なバリュー投資家とされています。
バリュートラップとは?
バリュートラップとは、指標上は割安銘柄なのに株価が上がらず、そのまま放置されている状態です。
理由としては、競争力の低下や市場縮小、金融政策、技術革新、経営体質の悪化などが考えられます。
バリュートラップは投資家から敬遠されています。
ディープバリュー投資とは?
ディープバリュー投資とは、極端に過小評価された銘柄に投資する手法で、成功すると大きなリターンを得られます。
一方で、経営難、競争力の低下、致命的な不祥事などが原因で安くなっている可能性もあり、株価が回復しないことや企業の倒産といったリスクもあります。
【まとめ】バリュー投資とは|初心者でもわかる特徴・方法・メリット・注意点を詳しく解説
バリュー投資は、企業の本来の価値と比較して、割安と判断される銘柄を狙う投資手法です。
将来的に投資家が企業価値を再評価すれば、株価が企業の収益力や資産価値を反映した水準に近づいていく可能性があり、値上がり益を期待できます。
優良な割安銘柄は、業界全体の規模や将来性の把握、株価指標を使って同業他社と比較、市場環境のトレンド分析などを行うと見つけやすくなります。
ただし、株価が低迷を続けたままだとバリュートラップに陥る可能性もあります。
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