PSR(株価売上高倍率)とは|【株初心者向け】計算式・目安・活用ポイントをわかりやすく解説
PSRとは株価売上高倍率のことで、企業の売上高に対して株価が割高か割安かを表す指標です。
売上高と株価の関係を基に、株価の評価や投資判断の目安として活用できます。
本記事では、PSRの計算式や目安、活用ポイントなどをわかりやすく解説します。
※OANDA証券では株式取引をサービスとして提供していません。本記事は株式取引に関する一般的な知識を提供することを目的としています。
目次
- 1.PSR(株価売上高倍率)とは
- 2.PSR(株価売上高倍率)で分かること
- 3.PSR(株価売上高倍率)と他の指標との違い
- 4.PSR(株価売上高倍率)を活用する際のポイント
- 5.PSR(株価売上高倍率)に関する注意点
- 6.PSR(株価売上高倍率)に関するQ&A
- 7.【まとめ】PSR(株価売上高倍率)とは|【株初心者向け】計算式・目安・活用ポイントをわかりやすく解説
PSR(株価売上高倍率)とは
PSR(株価売上高倍率)の意味や計算式、具体例を解説します。
- ・PSRの意味
- ・PSRの計算式
- ・PSRの具体例
PSRの意味
PSRとはPrice to Sales Ratioの略称で、日本語では株価売上高倍率と呼ばれます。
「企業の株価が、1株あたりの売上高の何倍になっているか」を示す指標で、株価の価値と売上高(企業の規模や成長力)を比較する際に用いられます。
特に新興・成長企業の株価の割高・割安を判断する際に役立つ指標です。
一般的に、PSRが高いほど株価は「割高」、低いほど「割安」とされます。
PSRの計算式
PSRの計算式は、下図の通りです。
株価を、1株あたりの売上高(SPS:Sales Per Share)で割って求めます。
SPSは「売上高÷発行済み株式総数」で算出できます。
また、PSRは「株価×発行済み株式総数(時価総額)÷売上高」とも表せます。
株価と発行済み株式総数を掛けて求められる時価総額を売上高で割ることでも、PSRを算出可能です。
最終的に、株価ベースでも時価総額ベースでも、同じ結果となります。
PSRの具体例
PSRを理解するには、実際の数字で比較するとわかりやすいです。
例えば、A社とB社の株価がどちらも1,000円だとします。
A社の1株あたりの売上高(SPS)が200円の場合、PSRは1000÷200=「5倍」です。
一方、B社の1株あたりの売上高(SPS)が500円の場合、PSRは1000÷500=「2倍」になります。
両社を比較すると、PSRが低いB社の方が株価が割安と判断できます。
PSR(株価売上高倍率)で分かること
PSRは、1株あたりの売上高に対して株価がどの程度評価されているかを示す指標です。
売上高は利益に比べて、会計上の処理や一時的な損失の影響を受けにくいため、赤字企業や成長段階にある企業の評価にも役立ちます。
株価評価にはPER(株価収益率)もよく使われますが、利益が赤字だと計算できません。
そのため、赤字の新興企業や成長段階の企業の評価においてはPSRが特に有効です。
一般的に、PSRが高い場合は将来の売上成長への期待が大きく、株価は割高とされ、逆にPSRが低い場合は成長性への期待が小さく、株価は割安とされます。
PSR(株価売上高倍率)と他の指標との違い
PSR(株価売上高倍率)と類似の指標に「PER」「PBR」があります。
それぞれの違いについて解説します。
- ・PSRとPERの違い
- ・PSRとPBRの違い
PSRとPERの違い
PSRは株価売上高倍率を指すのに対し、PERは株価収益率を指します。
PSRは株価を1株あたりの売上高(SPS)で割った指標で、株価と売上高を比較して企業の評価水準を把握するために使われます。
一方、PERは株価を1株あたりの純利益(EPS)で割った指標で、株価と利益(企業の収益力)を比較して評価するのが特徴です。
「PER」については、以下の記事で詳しく解説しています。
PER(株価収益率)とは|【株初心者向け】目安や計算式などをわかりやすく解説
PSRとPBRの違い
PBRとは、株価純資産倍率を指します。
株価と企業の1株あたりの純資産(BPS)を比較して、株価が割安か割高かを判断する指標です。
PBRの数値が高ければ株価が純資産に対して割高、低ければ割安と判断されます。
「PBR」については、以下の記事で詳しく解説しています。
PBR(株価純資産倍率)とは|目安・計算式・注意点などをわかりやすく解説
PSR(株価売上高倍率)を活用する際のポイント
PSR(株価売上高倍率)を活用する際のポイントは、主に以下の2つです。
- ・過去の数値や推移を考慮する
- ・高PSR・低PSR銘柄の特徴を分析する
過去の数値や推移を考慮する
PSRは、企業の売上高に対して株価がどの程度割高か割安かを示す指標ですが、その水準は景気や市場環境などによって変動します。
そのため、過去のPSRの数値や推移を確認しておくと、現在の水準が適正かどうかを判断しやすくなります。
PSRの動き | 意味・示唆 |
上昇傾向 | 売上高の伸び以上に株価が上昇しており、成長期待が株価に反映されている可能性 |
下落傾向 | 企業の成長に対する懸念や、市場全体でのリスク回避の動きが強まっている可能性 |
このように、PSRの変化を時間軸で追うことで、単なる数値以上に企業の成長性や市場での評価を把握する指標として活用できます。
なお、PSRが急激に変化する場合は、市場における投資家の期待や心理が大きく動いていることを示唆するため、注意が必要です。
高PSR・低PSR銘柄の特徴を分析する
PSRを活用する際は数値の高さや低さだけでなく、その背景にある企業の特性まで考慮することが大切です。
■高PSR銘柄の特徴
- ・将来の成長期待が株価に既に織り込まれている
- ・投資家の注目を集めやすく株価の変動が大きい
- ・期待外れの決算では下落リスクが高い
■低PSR銘柄の特徴
- ・株価が売上高に対して割安に見える
- ・成熟企業や成長性が限定的な企業が多い
- ・業績改善時に株価上昇の余地がある
こうした特徴を踏まえることで、企業の成長段階や市場での位置づけを測る指標として、より深く活用できるようになります。
PSR(株価売上高倍率)に関する注意点
PSR(株価売上高倍率)に関する注意点は、主に以下の2つです。
- ・同業種間で比較する
- ・他指標と併用する
同業種間で比較する
PSRは、企業の事業構造や成長性によって大きく変動するため、異なる業種の企業をPSRだけで比較しても、あまり意味がありません。
例えば、将来の売上成長が大きく期待されるIT企業やベンチャー企業は、PSRが高くなる傾向があります。
その一方、安定した成熟企業や製造業では、PSRが低めになりやすいです。
PSRを評価する際は、事業内容が類似している企業同士で比べることが重要です。
他指標と併用する
PSRは、あくまで投資判断のための数ある指標の1つに過ぎません。
PSRが低い場合でも、売上高の一時的な変動や季節要因、業界環境の影響などで一時的に低く見えている可能性も考えられます。
そのため、PSRだけで割高や割安を判断するのではなく、売上成長率、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)といった他の指標と併用し、総合的に評価することが推奨されます。
PSR(株価売上高倍率)に関するQ&A
PSRに関するよくある質問に回答していきます。
- ・PSRの目安はありますか?
- ・PSRが低いとどうなりますか?
PSRの目安はありますか?
PSRは業種や企業の成長段階によって適切な水準が異なるため、明確な基準はありません。
一般的には1倍前後が目安とされ、これを下回る場合は割安の可能性があります。
ただし、成長企業ではPSRが10倍を超えることも珍しくなく、逆に成熟企業では1倍以下になる場合もあります。
そのため、業界や企業の成長段階に応じて判断することが重要です。
PSRが低いとどうなりますか?
PSRが低い場合、株価は売上高に対して割安と見なされ、企業の成長が限定的であるか、市場からの期待が控えめであることを示唆します。
そのため、株価は比較的安定した動きになりやすい傾向があります。
一方で、業績改善や売上の増加などのきっかけがあれば、市場の評価が見直され、株価が上昇する余地もあると考えられます。
【まとめ】PSR(株価売上高倍率)とは|【株初心者向け】計算式・目安・活用ポイントをわかりやすく解説
PSR(Price to Sales Ratio)とは株価売上高倍率のことで、「企業の株価が、1株あたりの売上高の何倍になっているか」を示す指標です。
一般的にPSRが高ければ「割高」、低ければ「割安」と判断されます。
成長段階にある企業は売上高の伸びが大きいためPSRが高くなる傾向があり、成熟企業や安定した企業ではPSRは低めに推移する傾向があります。
PSRの水準は業種や企業の成長段階によって異なるため、同業種間での比較や、売上成長率、PER、PBRなど他の指標と併用して評価することが重要です。
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