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新型コロナ対策後の主要中央銀行のバランスシートの変化を紹介


中央銀行のバランスシートの変化


中央銀行のバランスシート(貸借対照表)の大きさは、その中央銀行が管理する通貨がどの程度出回っているかの目安になります。

中央銀行が金融緩和を行い、国債等の資産を買ったり、貸出を増やすとバランスシートの資産の部が拡大し、その分の金銭が市中に出回るという仕組みです。

昨今では、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速対策として、各国の中央銀行で歴史的に大規模な金融緩和が行われており、これにより、中央銀行のバランスシートが急拡大しています。

FXの場合は通貨の出回っている量は通貨の価値に大きく影響します。また、株価指数でも景気の状態、株式の対価としての通貨の価値を考える上で、市場にどの程度お金が出回っているかを確認することは重要です。

今回は、米国のFRB(米連邦準備理事会)とユーロ圏のECB(欧州中央銀行)、日本銀行の3つの中央銀行のリーマンショック前から、新型コロナ対策開始後までのバランスシートの資産の部の変化をグラフで確認したいと思います。


FRB(米連邦準備理事会)のバランスシートの資産の部の推移


FRBのバランスシートはリーマンショック後の景気減速に対応するために大規模な量的緩和QE1、QE2、QE3を行い国債、MBS等を大量に購入し、バランスシートを拡大させました。

QE3終了後は、景気回復に併せ、徐々にバランスシートを縮小を開始していましたが、その後、余剰資金が減少した市場では、金利が不安定な状態に陥ったこともあり、短期金融市場の資金不足解消のため、国債の買い入れを再開していました。

その後に新型コロナウイルスの感染が拡大し、大規模な追加緩和が行われ、リーマンショック後のQEを上回るペースで国債を中心とした資産の買い入れを行い、バランスシートが大幅に拡大しています。

FRBのバランスシートの資産の部の変化のグラフ

出所:FREDのデータを元にOANDA Japan作成


ECB(欧州中央銀行)のバランスシートの資産の部の推移


ECBは複数の国の集合体ということもあり、当初、国債の購入には消極的でした。

このため、リーマンショック後、欧州債務危機に対抗するために長期の貸出しを増やす金融政策を中心に行い、バランスシートを拡大させてきました。

しかし、その後の景気減速、物価の低迷に対抗するために2015年からは国債を買い入れる量的緩和を導入し、バランスシートが大きく拡大しました。

その後の景気回復に伴い、量的緩和を2018年12月に一度は量的緩和を終了するものの、2019年9月には景気減速、物価の伸び悩みを理由に再開していました。

そして、新型コロナ対策の金融緩和により、さらにバランスシートが拡大しています。

ECB(欧州中央銀行)のバランスシートの資産の部の変化のグラフ

出所:ECBのデータを元にOANDA Japan作成


日本銀行のバランスシートの資産の部の推移


日本銀行(日銀)はリーマンショック以前から、量的緩和行っている、いわゆる量的緩和のパイオニアでした。

リーマンショック後のバランスシートの拡大幅は他の中央銀行に比べると、限定的でしたが、黒田総裁の就任後、国債、ETF等を大規模に購入する量的質的金融緩和を導入し、バランスシートの拡大を続けていました。

他の中央銀行のバランスシートの拡大が鈍化する局面でも日本の物価が低迷を続けたこともあり、日銀のバランスシートの拡大が続いた後に新型コロナ対策の追加緩和が行われ、バランスシートの規模がさらに拡大しています。

日本銀行のバランスシートの資産の部の変化のグラフ

出所:日本銀行のデータを元にOANDA Japan作成


その後のバランスシートの規模に注目


現在の主要の3中央銀行のバランスシートの状態は前述の通りです。

今後の市場を占う上で、このバランスシートの推移がどのようになるかに注目すると、値動きを予想する上で参考になることがあります。

中央銀行のバランスシートが拡大すると、世の中に出回るお金が増えるので、景気が良くなり、物価も上昇しやすいというメリットがあるのに対し、拡大し過ぎてしまうと、通貨の信用が低下し、お金の価値が大きく減少、物価が急騰し、深刻な景気減速となるリスクがあります。

また、金融引締を行い、バランスシートを縮小する場合では、世の中に出回るお金が減るので、景気の過熱を抑制することができ、物価の上昇を抑えることができます。ただし、縮小しすぎてしまうと、お金の回りが悪くなり、景気が大きく後退してしまうというリスクが発生します。

現在の各中央銀行のバランスシートの状況、マーケットの状況をしっかりとチェックし、変化を探っていると、市場の大きな変化に素早く気づくことができるかもしれません。

   


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