FXに関するコラム・豆知識

仮想通貨市場の動向、米国経済指標等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年5月24日)


仮想通貨市場の下落でリスク回避色強まる


前週はビットコインを中心とした仮想通貨が大幅下落となったことを受けて、株式市場が軟調な推移となり、市場全体でリスク回避色が強まりましたが、週末にかけては下落が一段落したこともあり、徐々にリスク許容度が回復する動きとなりました。

米国債利回りは伸び悩む動きが続いたこともあり、FX市場では、米ドルは軟調な推移となりました。

【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】

 

【残存期限別の米国債利回りの推移】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債、日本国債利回りの推移はこちら

 

【3Dグラフで見た米国債イールドカーブの推移】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債、日本国債のイールドカーブの推移はこちら

 

ドル円のチャートに米国10年債利回りと日本10年債利回りの差を表示したチャートを比較すると、利回り差の変化との相関性を見出すことができます。

 

【ドル円と米国10年債利回り-日本10年債利回りの比較】


仮想通貨市場動向、米国経済指標に注目


先週は仮想通貨市場の下落によりリスク回避色が強まりましたが、今週も土日に仮想通貨市場が下落し、安値を切り下げるような動きとなっており、週明けからリスク回避色が強まる可能性に注意が必要となりそうです。

【BTC/JPYのチャート】

このほか、市場では米国の金融緩和縮小(テーパリング)開始時期への関心が徐々に強まっており、今週は米国でGDP改定値、個人所得・個人消費支出、耐久財受注等の重要経済指標の発表に注目が集まりそうです。

底堅い結果が続くと、緩和縮小が意識され、米ドルの下支え材料となるのに対し、株式市場や仮想通貨市場では上値圧迫材料となる可能性に注意が必要となりそうです。

また、欧州ではドイツのIFO景況指数の発表が予定されています。欧州でも新型コロナのワクチン接種が進み、景気回復期待が強まっており、底堅い結果となると、ECBの緩和縮小への意識が徐々に強まる可能性も考えられそうです。

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

過去の経済指標の推移はこちら


主要通貨の強弱


先週のFX市場では豪ドル、NZドルの弱さが目立つ週となりました。その他通貨は強弱がはっきりとしない中、米ドルが比較的弱い推移となったのに対し、スイスフランやポンド、円が比較的強い推移となりました。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ると、引き続き、円の弱さが目立つほか、米ドルも依然として弱い状態が続いています。これに対し、カナダドル、ポンド、スイスフランが比較的強い推移が続いています。

【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら


直近30日間の株価指数の変化率


米国市場

先週の米国株式市場は仮想通貨が大幅下落となったことを受けて下押しが強まったものの、終盤にかけては持ち直す動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

欧州市場

欧州の株価指数も仮想通貨下落を受けて下押す動きとなりましたが、週末にかけては米国の株価指数同様に反発に転じる動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

アジア・オセアニア市場

先週のアジア・オセアニアの株価指数は欧米の株価指数に比べて仮想通貨下落の影響は限定的な銘柄が多かったですが、伸び悩む銘柄が多いようです。

 

主要銘柄の相関性分析


先週の主要なドルストレートの銘柄の相関性を見ると、全面安となった豪ドルを除いては対ドルである程度の相関性がある動きとなりました。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

先週のドル円とクロス円の相関関係は、豪ドル円、NZドル円とカナダドル円では相関性を見出すことができるものの、その他は相関性が薄く、円の強弱ははっきりとしない状態であったのが確認できます。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株価指数とドルㇲトレード、株価指数とクロス円のいずれも相関性の薄い動きとなっており、株式市場とFX市場の相関性を見出すことはできませんでした。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は上値が重く、ジリジリと安値を切り下げる動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションの比率が高い中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが少し増えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

依然として大きな方向感を見出しにくい状態が続いていますが、直近のレジスタンスやサポート等に注目しながら、方向感を探っていきたいです

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは、買いポジションが減少、売りポジションが増加となり、ネットすると円売りポジションの比率が増加となりました。前週に続き円売りポジションが増加となり、今後も増加傾向が続くかに注目したいところです。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/5/18)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週のユーロドルは底堅い推移となり、1.22台に乗せる動きとなったものの、1.2245付近で押し戻される動きが続きました。

上昇基調が続いていますが、OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率が高いものの、直近の伸び悩みでストレスを抱えた買いポジションが少し増えており、上昇した水準では利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値が重くなる可能性にも注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていますが、直近では高値更新に失敗するような動きとなっており、流れが変わる可能性にも少し注意が必要となりそうです。安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、また上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは、前週に続き、買いポジション、売りポジションが共に増加となり、ネットすると買いポジション比率が微増となりました。

このところ、ユーロ買いポジションがジリジリと増加しており、今後も増加傾向が続くかを見守りたいです。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/5/18)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンドドルは底堅く、1.42台に乗せる動きとなったものの、1.42台では上値が重く、1.41台に押し戻され、伸び悩む動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が少し多いものの、直近の伸び悩むによりストレスを抱えた買いポジションも増えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増える可能性に少し注意が必要となりそうです。

先週は伸び悩む推移となりましたが、大きな流れでは依然として上昇基調が続いており、下押す動きとなった際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいところです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは買いポジションが減少、売りポジションが増加となり、ネットすると買いポジション比率が減少となりました。

依然として買いポジションが優勢な状況が続いてはいますが、伸び悩む状態が続いており、今後の変化を見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/5/18)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは上下に振れる方向感の鈍い推移が続きましたが、週末は下押しし、直近のレンジの安値圏でNYクローズを迎えました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が少し多い中、週末の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、上昇した水準では利益確定の売りが上値を圧迫、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

これまで0.77を少し割り込んだ水準で反発する動きが続いていることを考えると、0.77をしっかりと割り込むような動きとなると、下落基調が本格化する可能性にも注意が必要となりそうです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは大きな変化はありませんが、ネットすると先週も買いポジション比率が少し上昇となりました。依然として、売買の偏りは少ない状態が続いていますが、今後も、売買いずれにポジションが傾いていくかに注目したいです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/5/18)】

投機筋の通貨先物ポジションのチェックはこちら

CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は前半は下値を探る動きとなり、4060付近まで下押す動きとなったものの、後半は反発に転じ下落分を取り戻す動きとなりました。

ただし、4100台後半では伸び悩む推移が続いており、上値の重さも残っており、踏ん張ることができるかに注目したいところです。

OANDAのオープンポジションを見ると、直近では方向感の鈍い横ばい推移が続いていることもあり、売買の偏りは少ない状態ですが、含み損を抱えた買いポジションが少し多く、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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S&P500の先物市場における投機筋のポジションを見ると、買いポジションの比率がやや多い状態が続いていますが、依然として、売買の偏りは少ない状況です。今後、ポジションの偏りが出てくるのかを見守りたいです。

【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/5/18)】

投機筋の株価指数先物市場のポジションのチェックはこちら

 
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