暗号資産(仮想通貨)の基礎

パーミッションドブロックチェーンとは?パーミッションレスブロックチェーンとの違い


18:パーミッションドブロックチェーン

ブロックチェーン技術は仮想通貨を実現するために考案されたものなので、中央で絶対的な権限を持つ管理者がいないことを前提とする仕組みとなっています。
しかし、管理者がいる環境でも、地理的に分散したサーバ群で管理するので災害に強く、すべての取引履歴を誰でも見られるという利点を活かしたいと考える企業が出てきました。

ブロックチェーン技術の課題は、トランザクション処理システムとして使う場合、処理性能が悪い(処理が遅い)という点にあります。
しかし、中央で絶対的な権限を持つ管理者の存在を許せばこの問題をいくらか緩和できます。
そこで管理者が許可した人だけが参加できる「パーミッションドブロックチェーン」が作られています

仮想通貨はパーミッションレスブロックチェーン

ビットコインを初めとする仮想通貨は、中央の管理者が不在で一般の利用者が誰でも参加できるので、パーミッションレス(許可がいらない)ブロックチェーンと呼ばれます。

ブロックチェーン技術はパーミッションレスの環境で完全なセキュリティを確保する仕組みです。
参加者の信頼性について誰も保証してくれないので、ブロックチェーン技術だけで不正を防がなければなりません。
多数の参加者の中に混じって不正を働く参加者がいても少数であれば不正が失敗するという仕組み、それがブロックチェーンであると考えられます。

しかしセキュリティの確保を実現するには、例えばビットコインでは1ブロックを生成するのに10分程度の時間を要するPoWを実行しなければなりません。
さらに多数のマイナー間の調整を確実にするのに、厳密には6ブロックの生成が完了するまでの間、送金トランザクション処理は結果が確定しません。

つまり、ひとつのトランザクションの処理結果を確定させるには60分の時間を要することになり、トランザクション処理システムとしては通常はあり得ないほど遅いです。

ひとつのトランザクションの処理結果を確定させるには60分の時間を要することになる

 

処理が速くなるパーミッションドブロックチェーン

マイナーやトランザクション生成・送信者が管理されている環境でブロックチェーン技術を利用する場合、悪意のユーザや不正マイナーなどは入ってきません。
また、なにか問題が起きたとしても原因の口座やそのユーザが特定できるので、解決手段を考えられます。
不特定多数には公開されていないことからプライベートブロックチェーンとも呼ばれます。

ユーザが限定されている場合、悪意の第三者が入る恐れが小さいのでトランザクションの確定手続きを相当少なくできます。
例えばビットコインなら10分を要していたPoWをさらに短時間で許可したり、PoS(Proof of Stake)やPoI(Proof of Importance)を採用したりして短時間の処理を可能としたりできるのです。

ビットコインなら10分を要していたPoWをさらに短時間で許可したり、PoS(Proof of Stake)やPoI(Proof of Importance)を採用したりして短時間の処理を可能としたりできる

中央の管理者がひとつのコンピュータシステムを管理する場合、信頼性やセキュリティの確保にハードウェアやソフトウェアに大きな投資が必要です。
これに対してブロックチェーン技術を活用すれば比較的低コストでリーズナブルな性能のトランザクション処理システムが構築可能となるのです。

管理者がいない環境を前提としたブロックチェーン技術ですが、コストパフォーマンスに優れていることが注目されてパーミッションドブロックチェーンとして活用されることもあるのです。

Provided by
上野 仁(Hitoshi Ueno)

1984年山梨大学大学院修士課程(計算機科学専攻)修了後、株式会社日立製作所入社。
システム開発研究所、エンタープライズサーバ事業部などで主としてコンピュータアーキテクチャおよび基本ソフトウェアの研究開発に従事。
2015年より第一工科大学東京上野キャンパス情報電子システム工学科教授に就任。
2023年より東京情報デザイン専門職大学教授。
生体信号処理に関するプログラム開発や種々の先端ソフトウェアついての調査研究に興味を持つ。
技術士(情報工学)。
博士(工学)。

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