暗号資産(仮想通貨)の基礎

スマートプロパティとは?仕組みついて詳しく解説


20:スマートプロパティ

前回の解説でスマートコントラクトとは本質的にはブロックチェーンに記録されているトランザクションの上で実行されるコンピュータプログラムであることを示しました。

>スマートコントラクトの詳細はこちら

そこでブロックチェーンではすべての記録が公開されていてトランザクションの追跡が可能であるという特徴を活かし、スマートコントラクト機能と組合せた仮想通貨以外の機能を作るアイデアが出てきました。
それがスマートプロパティです。

スマートプロパティを簡単に説明すると?

あるプロパティ(資産)やその属性をブロックチェーン上の一種のコインとして記録しておく機能をスマートプロパティと呼びます。
属性の変更や所有者の変更が生じたときに変更のトランザクションを送信する仕組みで、誰がいつどのような変更をしたかがブロックチェーン上の履歴として残ります。
ブロックチェーンには絶対的な権限を持つ管理者がいないので改ざんが不可能で信頼性の高いプロパティの履歴記録が可能です。

スマートプロパティの仕組み

スマートプロパティで管理する資産の例として、証券会社の管理する株、免許センターが管理する免許証、ホテルが管理する宿泊予約を考えてみましょう。

スマートプロパティの仕組み

ブロックチェーン上にスマートプロパティの管理口座を作成し、証券会社は顧客の株に関する情報を保存したり書き換えたりするスマートコントラクト機能のプログラムを作成し口座Xに送信します。
このトランザクションはブロックチェーンを構成する多数のマイナーに記録されて、以後、口座Xが受信するトランザクションによる株に関する情報の変更が可能です。
株の名義書き換え記録などが改ざんの恐れなく履歴として残ります。

免許証を管理する免許センターも同様にスマートプロパティ機能を実現するためにプログラムを作成して口座Yに送信することによりの住所変更や結婚等による氏名変更などの履歴が残せます。
ホテルの宿泊情報管理などについても同様の手順で履歴を残せます。

スマートプロパティの注意点のひとつとして、誤りの修正も記録に残ってしまうことがあります。
単純な入力ミスや勘違いによる誤り記録、あるいはなんらかの犯罪による記録修正からの回復などが生じても、誤記録を「無かったことにする」ことはできません。
「〇〇により修正」といった事情が分かるように履歴を残す必要があるでしょう。
人によってはプロパティの素性のクリーンさを重視する可能性がありますが、そういった観点からは「無かったことにする」ことができないとそのプロパティの価値を毀損します。
このような場合にはスマートプロパティの厳格さは適さないかもしれません。

今回はブロックチェーン技術の応用のひとつとして、長期に管理するプロパティに応用するスマートプロパティについて紹介しました。

Provided by
上野 仁(Hitoshi Ueno)

1984年山梨大学大学院修士課程(計算機科学専攻)修了後、株式会社日立製作所入社。
システム開発研究所、エンタープライズサーバ事業部などで主としてコンピュータアーキテクチャおよび基本ソフトウェアの研究開発に従事。
2015年より第一工科大学東京上野キャンパス情報電子システム工学科教授に就任。
2023年より東京情報デザイン専門職大学教授。
生体信号処理に関するプログラム開発や種々の先端ソフトウェアついての調査研究に興味を持つ。
技術士(情報工学)。
博士(工学)。

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