用語解説

政策金利とは|意味・影響・政策金利の推移などを解説


政策金利とは、中央銀行が金融政策を実行するために最も重要視する短期金利を指します。

中央銀行は、物価の安定等を達成するために政策金利をコントロールします。

本記事では、政策金利の意味や、現在の各国政策金利、よくある質問について詳しく解説します。

政策金利とは

まず、政策金利の意味と公定歩合との違いを解説します。

  • ・意味
  • ・公定歩合との違い

意味

政策金利とは、中央銀行金融政策を実行するために最も重要視する短期金利を指します。

この短期金利は中央銀行が「〇%」と決められるわけではなく、金融機関同士の取引によって決定されます(自由金利)。

そこで中央銀行は、公開市場操作(オペレーション)によって、目標の水準に政策金利を誘導します。

日本では「無担保コールレート(オーバーナイト物)」、米国では「FF(フェデラル・ファンド)金利」が政策金利に該当します。

公定歩合との違い

かつての日本では、日銀が定めた「公定歩合」により、金融機関に貸し出しを行っていました(規制金利)。

公定歩合を変更することで、金融機関の金利も動く仕組みでした。

1994年には金利自由化が完了し、1995年からは公開市場操作を通じて金融市場調整を行うようになりました。

2006年、公定歩合の名称は「基準割引率および基準貸付利率」に変わり、無担保コールレートの上限金利(0.5%)となっています。(2024年11月時点)

政策金利が与える影響

政策金利が与える影響を以下の3項目で解説します。

  • ・利上げ
  • ・利下げ
  • ・据え置き

利上げ

利上げとは、各国の中央銀行による政策金利の引き上げのことを指します。

金利が上昇すると、企業や消費者の借入コストが増加し、投資や消費活動が減少します。

利上げは主に、インフレ(物価の上昇)抑制を目的として行われます。

利下げ

利下げとは、各国の中央銀行による政策金利の引き下げのことを指します。

金利が低下すると、借入コストが減少し、企業の設備投資や消費者の支出が活発になります。

利下げは主に、景気刺激を目的として行われます。

据え置き

据え置きとは、政策金利が現状の水準に維持されることを指します。

一般的に金利が据え置かれる場合、経済の現状が適切であると判断されています。

各国の政策金利

各国の政策金利は以下の通りです。

政策金利 最新の変更日
日本 無担保コールレート(オーバーナイト物) 0.25% 2024年7月31日(0.15%利上げ)
米国 フェデラル・ファンド金利 4.50~4.75% 2024年11月7日(0.25%利下げ)
欧州 主要リファイナンスオペ金利 3.40% 2024年10月17日(0.25%利下げ)
英国 バンクレート 4.75% 2024年11月7日(0.25%利下げ)
豪州 オフィシャル・キャッシュ・レート 4.35% 2023年11月7日(0.25%利上げ)
NZ オフィシャル・キャッシュ・レート 4.75% 2024年10月9日(0.50%利下げ)
カナダ オーバーナイト・レート 3.25% 2024年12月11日(0.50%利下げ)
スイス SNBポリシーレート 1.00% 2024年9月26日(0.25%利下げ)

2024年12月11日時点

政策金利の推移

主要国の政策金利の推移は以下の通りです。

主要国の政策金利推移

主要国の政策金利の推移は「主要国政策金利」のページで確認できます。

確認できる国は、以下の通りです。

  • ・米国
  • ・ユーロ圏
  • ・日本
  • ・英国
  • ・オーストラリア
  • ・カナダ
  • ・スイス
  • ・南アフリカ

また、OANDA Laboでは、政策金利だけでなく物価指標や雇用統計などの経済指標を確認することも可能です。

政策金利に関するQ&A

政策金利に関するよくある質問に回答していきます。

  • ・政策金利と国債との関係は?
  • ・政策金利と銀行の関係は?
  • ・政策金利はFX市場に影響がありますか?
  • ・現在の日本の政策金利は?

政策金利と国債との関係は?

政策金利と国債の金利には関係があり、政策金利が変更されると、国債の利回りは影響を受けて上下動します

償還までの期間が短い国債は政策金利の影響を受けやすく、政策金利が引き下げられれば国債の利回りも下がり、政策金利が引き上げられれば国債の利回りも上がりやすいです。

その一方、償還までの期間が長い国債の利回りについては、政策金利に加えて中長期の物価見通し等も反映されるため、政策金利の変化が直ちに国債利回りの上下動に結びつくとは限りません。

政策金利と銀行の関係は?

政策金利が利上げまたは利下げされると、さまざまな短期金利が影響を受けます

利上げは、銀行から見て調達金利の上昇を意味し、貸出金利を上げる流れが生まれます。

企業や個人は借り入れしにくくなるため、投資や消費が抑制され、景気が落ち着きます。

利下げは、銀行から見て調達金利の低下を意味し、貸出金利を下げる流れが生まれます。

企業や個人は借り入れしやすくなるため、投資や消費が活性化し、景気が上向きになります。

政策金利はFX市場に影響がありますか?

FX市場は、政策金利の影響を受けます。

通貨ペアはさまざまな要因で値動きしますが、一般的に政策金利が高い国の通貨は買われやすく、低い国の通貨は売られやすい傾向があります。

政策金利の利上げは通貨高、利下げは通貨安として影響する傾向があります。

現在の日本の政策金利は?

現在の日本の政策金利(無担保コールレート(オーバーナイト物))は、0.25%です(2024年11月時点)。

また、OANDA証券では「国別経済指標」を提供しており、各主要国の政策金利をご覧いただけます。

【まとめ】政策金利とは|意味・影響・政策金利の推移などを解説

政策金利とは、中央銀行が金融政策を実行するために最も重要視する短期金利を指します。

この短期金利は中央銀行が「〇%」と決められるわけではなく、金融機関同士の取引によって決定されます。

そこで中央銀行は、公開市場操作(オペレーション)によって、目標の水準に政策金利を誘導します。

政策金利の変更は、さまざまな金融市場に大きく影響するため注目度が高いです。

各国の政策金利の推移は、「国別経済指標」で確認することができます。

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