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【日銀会合】9月の注目点:1.25%への利上げを見込む向きが大勢、焦点は「次の一手」のペース(2026年9月18日昼 結果発表)

マーケットレポート

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2026年9月17日(木)〜18日(金)に、日銀金融政策決定会合が開かれています。結果は18日の昼ごろ(例年11時30分〜13時ごろ、時刻は決まっていません)に公表される見込みで、15時30分からは植田総裁の定例記者会見が予定されています。今回は展望レポートの公表はありません(次回は10月会合)。

日銀は今年6月に政策金利を1.00%へ引き上げた後、前回7月会合では据え置きを決めました。ただ、7月会合では高田審議委員が1.25%への利上げを主張して反対票を投じ、その後に公表された「主な意見」では利上げペースの加速を検討すべきだという意見が相次いでいたことが明らかになっています。8月末には高田委員が「2026年は転換点。決まった間隔や幅にとらわれず機動的に利上げすべきだ」と発言し、市場では今回の会合での1.25%への利上げを見込む向きが大勢となりました。民間の調査ではエコノミストの全員が今回の利上げを予想し、金利スワップ(OIS)市場が織り込む利上げ確率も8割程度に達しています。

利上げ自体が広く織り込まれているため、相場の焦点は「実施するかどうか」よりも、声明や会見でこれまでの「年2回程度」のペースからの加速が示唆されるかに移っています。しかも今回は、未明のFOMCで米国が約3年ぶりの利上げを決めてドル円が一時156円台へ上昇し、結果公表の約3時間半前には8月の全国CPIが発表されるという、日米の材料が立て込む異例の日程です。

発表の概要

イベント日銀金融政策決定会合
開催日2026年9月17日(木)〜18日(金)
結果発表9月18日(金)昼ごろの見込み(例年11:30〜13:00ごろ、時刻不定)/15:30から植田総裁会見の予定
現行の政策金利1.00%(2026年6月から据え置き)
今回の市場予想1.25%(0.25%利上げ)。OIS市場の織り込みは8割程度、民間調査ではエコノミスト全員が利上げを予想

▶ その他の重要指標の発表スケジュールはOANDA経済指標カレンダーでご確認いただけます。

政策金利の現在地:年2回ペースの利上げが続く

日銀・政策金利の歩みと今回の利上げ観測 0.000.250.500.751.001.251.500.25%24/70.50%25/10.75%25/121.00%26/6今回 1.25%へ利上げ?(市場予想)202420252026 出所: 日本銀行 ※無担保コールレート(オーバーナイト物)誘導目標。%

日銀は2024年3月にマイナス金利を解除した後、2024年7月に0.25%、2025年1月に0.50%、2025年12月に0.75%、2026年6月に1.00%と、おおむね半年に1回のペースで利上げを続けてきました。今回1.25%への利上げが実施されれば、6月以来3ヶ月ぶりの利上げとなり、従来の「年2回程度」から利上げの間隔が縮まることになります。これ自体が「ペース加速」のメッセージとして受け止められるため、実施された場合の声明の書きぶりまで含めて注目されます。

また、日銀が今年3月に示した中立金利の推計は名目で1.1〜2.5%とされており、1.25%はこのレンジの下限を初めて上回る水準です。「金融緩和の度合いを調整する」という従来の説明から一歩踏み込み、景気に中立か引き締め的かという新しい議論の段階に入るため、植田総裁が会見で現在の金融環境をどう評価するかも重要なポイントです。

利上げが進んでもドル円は円安圏だった——今回の円高は本物か

日銀の利上げ局面とドル円 ドル円(左軸、円)日銀の政策金利(右軸、%) 1401451501551601650.00.51.01.5ドル円 155.9円政策金利 1.00%24/725/125/726/126/7 出所: 日本銀行 ※ドル円は週次終値。出所: 日本銀行、FRB(為替)

日銀の利上げ局面でも、ドル円は米国の高金利を背景に長らく円安圏で推移してきました。9月に入ると、高田委員の発言をきっかけとした利上げ観測の高まりと政府・日銀による円買い介入への警戒から、ドル円は160円近辺から一時153円台まで急速に円高が進みました。しかし未明のFOMCで米国が利上げに踏み切り、ドル円は一時156円台まで戻し、足元も155円台半ばで推移しています。日本が利上げしても日米の政策金利差は縮まらないという構図のなかで、今回の会合が円高の流れを取り戻すきっかけになるのか、それとも円安再燃の起点になるのかが問われています。

前回会合(7月)の振り返り

前回7月30〜31日の会合では、政策金利は1.00%で据え置かれました。会合の直前には政府・日銀による円買い介入が実施されたとの観測が広がるなど、円安への警戒が強まるなかでの開催でした。票は賛成8・反対1で、高田委員が「海外発のディマンドショックによる物価の上振れリスクや海外の金融環境の転換に即応した機動的な対応が必要な新たな局面に入った」として1.25%への利上げ議案を提出し、否決されています。後日公表された「主な意見」では、物価の上振れリスクを踏まえて利上げペースを速める可能性に言及する意見が相次ぎました。

前回会合の結果公表時のドル円(USD/JPY)の動き

前回会合の結果公表時のドル円(USD/JPY)1分足の動き
12時10分ごろの結果公表で160.58円近辺から一時160.88円へ約30銭急伸。その後は160.7〜160.8円台で推移し、13時前には160.60円近辺へ戻す(7月31日、1分足)

前回7月31日は12時10分ごろに据え置きのヘッドラインが流れ、ドル円(USD/JPY)は160.58円近辺から1分ほどで160.88円まで約30銭急伸しました。据え置き自体は想定内でしたが、直前に円買い介入観測があったこともあり、「今回は動かない」と分かった瞬間に円売りが出ました。ただし上昇は続かず、160.7〜160.8円台でのもみ合いを経て、13時前には公表前の水準近くまで戻しています。結果の初動は数分で出尽くし、その後は会見待ちで方向感を失うという、日銀イベントの典型的なパターンでした。

前回会合の結果公表時の日経225(JP225)の動き

前回会合の結果公表時の日経225(JP225)1分足の動き
公表直後に64,395円近辺から64,195円へ下落した後、64,555円まで急反発。12時47分ごろには63,955円まで下げるなど乱高下(7月31日、1分足)

日経225(JP225)は昼休み中の公表だったため値動きが荒く、公表直後に約200円下落した後、20分ほどで64,555円まで360円の急反発、さらに12時47分ごろには63,955円まで600円下落と、方向が定まらない乱高下になりました。昼休み中は現物株の売買が止まり、先物やCFDの薄い板で価格が飛びやすいことが背景です。今回も結果の公表時刻は読めないため、昼をまたいでポジションを持つ場合は、この値飛びを前提にした損切り幅の設定が必要です。

  • 利上げ観測の推移:7月会合後は「次は年内あと1回」が中心 → 8月上旬の「主な意見」でペース加速論が表面化 → 8月末の高田委員発言で9月実施観測が急速に台頭 → 9月上旬にOIS市場の織り込みが8割程度に到達(民間調査ではエコノミスト全員が9月利上げを予想)

市場が見る「次の一手」:四半期ごとの利上げが多数派に

9月の利上げが織り込まれた今、市場の関心はその次に向いています。9月上旬に行われた民間のエコノミスト調査では、次回の利上げ時期として2027年1月を挙げた回答が約6割、今年12月が約35%でした。利上げの間隔については「四半期に1回程度」が最多で、7月の調査で8割超を占めていた「半年に1回程度」から想定が大きく前倒しされています。想定される利上げの到達点(ターミナルレート)の中央値は1.75%です。つまり市場は、今回の利上げを「半年ペースから四半期ペースへの切り替え」の始まりと位置づけており、声明や会見がこの見方を裏付けるか、それとも慎重さをにじませるかが相場の分かれ目になります。

直前のスケジュール:日米の材料が立て込む異例の週

※ 表は横にスクロールできます →

日時(日本時間)イベント結果・注目点
9/16(水)21:308月米小売売上高前月比+1.2%と市場予想(+0.8%)を大きく上回る
9/17(木)3:00FOMC結果発表・ウォーシュFRB議長会見0.25%利上げで3.75〜4.00%へ(約3年ぶり・全会一致)。ドットは年内あと1回を示唆。ドル円は一時156.42円へ上昇
9/18(金)8:308月全国CPI市場予想はコア前年比+1.8%(前回+1.8%)。会合最終日の朝に飛び込む物価データ
9/18(金)昼ごろ(見込み)日銀会合の結果発表15:30から植田総裁会見の予定

FOMCを受けてドル円が一時156円台まで上昇した後、17日夕方時点では155円台半ばへ押し戻されています。日銀の結果を迎える時点の水準は、今夜の海外市場やあす朝の全国CPIの結果次第でさらに変わり得るため、初動の出方が読みにくい点には特に注意が必要です。また、日銀の結果公表は時刻が決まっておらず、東京市場の昼休み中に突然ヘッドラインが流れて相場が急変するのがこのイベントの癖です。ポジションを持って昼をまたぐ場合は値飛びのリスクを想定しておく必要があります。

▶ FOMCの結果の解説はこちら:9月FOMCの結果とドル円・金の見通し

▶ 全国CPIの解説はこちら:全国CPI(2026年8月)予想と注目点

今回の結果によるシナリオ別の市場への影響

足元の相場状況

ドル円(USD/JPY)は155.6円台で推移しています。未明のFOMCで約3年ぶりの利上げが全会一致で決まり、ドットチャートも年内あと1回の利上げを示唆したことからドル買いが加速し、発表前の154円台後半から一時156.42円まで上昇しました。東京時間は156円を挟んだもみ合いのあと、日銀会合の結果を控えた夕方にかけて155円台半ばへじり安となっており、FOMC後の上昇分の一部を吐き出しています。それでも9月上旬に153円台まで進んだ円高の流れはいったん一服した状態です。米国が利上げした以上、日本が0.25%利上げしても金利差は縮まらないため、植田総裁が市場の想定を上回るタカ派姿勢を示せなければ円安が再燃しやすいという見方が広がっています。

日経225(JP225)は64,500円近辺で推移しています。17日は米利上げの通過と円安を好感して寄り付きで64,600円台まで上昇した後、半導体関連の利益確定売りと日銀会合への警戒から日中は64,000円前後まで伸び悩みましたが、夕方にかけて持ち直しています。利上げは金利面で株式の逆風になる一方、円安が輸出企業の追い風になるという綱引きのなかで、会合通過後に「悪材料出尽くし」となるかが焦点です。

※ 表は横にスクロールできます →

シナリオUSD/JPYJP225
0.25%利上げ+ペース加速を示唆(タカ派)円買いが強まりやすい。FOMC後の上昇分を吐き出し155円割れを試す展開も利上げ加速と円高が重しになりやすい
0.25%利上げ+従来ペースを維持(中立)織り込み済みで「材料出尽くし」の円売り戻しが出やすく、156円台後半〜157円が視野に悪材料出尽くしと受け止められれば持ち直しやすい
据え置き(サプライズ)織り込みの巻き戻しで円売りが強まりやすい。介入警戒が再び意識される水準まで一気に進むリスクも金利先高観の後退が支えになりやすい

なお、日銀イベントは「結果で動き、15時30分からの総裁会見でもう一段動く」という二段構えの反応が定番です。結果直後の初動が会見のトーンで反転することも珍しくありません。とりわけ今回は利上げそのものが織り込まれているため、会見での「次の利上げ」に関する言及こそが本命の材料です。声明の票の割れ(利上げ反対・より大幅な利上げ主張の有無)にも注意が必要です。

OANDAのオーダーブックから見る市場参加者の動向

オープンオーダー(指値注文の分布)

9月17日17時25分時点のOANDAのオーダーブックのうち、オープンオーダー(未約定注文)を見ると、全体では買いが54.9%、売りが45.1%です。現在値の155.85円近辺は注文が最も密集する帯の真ん中に位置しており、すぐ上の156.0〜156.5円には売り指値(利益確定や戻り売り)が厚く並ぶ一方、156.3〜156.5円には買い逆指値もまとまっています。156円台半ばは「戻り売りの壁」であると同時に、抜ければ逆指値を巻き込んで上昇が加速しやすい水準でもあります。下側では155.2〜155.5円に買い指値(押し目買い)が集まっていますが、155.3〜155.6円には売り逆指値も重なっており、155.5円を割り込むと損切りが連鎖して下げが速まる構図になっています。

オープンポジション(売買比率)

また、オープンポジションの売買比率はロング60.0%、ショート40.0%と、ロングへの傾きが目立ちます。内訳を見ると、156.0〜156.5円で建てたロングの多くが含み損を抱えており、未明のFOMC後の上昇局面で買った参加者が戻りを待っている状態です。一方、現在値のすぐ下(154.8〜155.8円)には含み損のショートが厚く積み上がっており、日銀の結果が円売り方向に出ればこのショートの買い戻しが上昇を後押ししやすく、逆に円買い方向なら156円台のロングの損切りが下げを増幅しやすい、上下どちらにも燃料がある状態です。

USD/JPYオープンオーダーとオープンポジション
USD/JPYのオープンオーダー(左)とオープンポジション(右)(9月17日17時25分時点)

最新のOANDAのオーダーブックの状況はこちら

OANDAの通貨強弱チャートから見る直近1週間の相場環境

直近1週間のOANDAの通貨強弱チャートを見ると、未明のFOMCを境に米ドルが一段高となり、主要通貨のなかで突出した最強となっています。注目の円は、週前半(13〜14日)には利上げ観測を背景に一時最強圏まで上昇していましたが、FOMCが近づくにつれて上昇分を吐き出し、足元ではユーロやポンド、カナダドルと同じ中位圏まで後退しています。日銀の利上げが広く見込まれているにもかかわらず円買いが続いていないのは、「利上げしても日米の金利差は縮まらない」という見方が優勢だからで、あすの会合で植田総裁がこの見方を覆すだけのタカ派姿勢を示せるかが、円の位置を決めることになりそうです。

直近1週間の通貨強弱チャート
直近1週間の通貨強弱(9月17日17時25分時点)

最新のOANDAの通貨強弱チャートはこちら

まとめ

  • 結果は9月18日(金)昼ごろに公表される見込み(時刻不定)、15:30から植田総裁会見の予定。展望レポートはなし
  • 1.25%への利上げを見込む向きが大勢(OIS織り込み8割程度・エコノミスト調査は全員が予想)。焦点は「年2回ペース」から四半期ペースへの加速が示唆されるか
  • 未明のFOMCは約3年ぶりの利上げでドル円は一時156円台へ上昇後、17日夕方は155円台半ば。日本が利上げしても金利差は縮まらず、会見のトーン次第で円安再燃のリスク
  • 18日8:30の全国CPI(コア予想+1.8%)は「次の利上げペース」の判断材料。結果で動き、会見でもう一段動く二段構えと昼休み中の値飛びに注意
  • ドル円は156円台半ばの売り指値と買い逆指値、155.5円割れの売り逆指値が節目。ロング60%に傾き、上下どちらにも損切りの燃料がある
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OANDA Lab編集部

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