金(ゴールド)の需要|宝飾や工業用などの需要について解説
今回は需要です。
(ゴールドの供給と需要:From Gold Focus 2021)
今回からはゴールドの需要を見てみましょう。
ゴールドの需要の最大の分野は宝飾品です。2021年の予想では1815トン。その次の分野は投資です。現物とETFを合わせると1246トン。中央銀行の買いが420トン。
一方産業の材料として使われる加工用需要は324トンと需要全体の7%に過ぎません。これは、貴金属の中でもゴールドの大きな特徴となっています。
ゴールド以外のシルバー及びPGM(白金族)はあくまで「産業用メタル」としての側面が強く、シルバーはその需要の50%が産業用需要、PGMではプラチナの65%の需要が工業用需要、パラジウムにいたっては需要の80%が自動車触媒でありその他の産業用需要を含めると90%以上といえます。同じ貴金属の範疇にあっても、ゴールドだけはその物質特性からの産業用の需要よりも圧倒的にそのままの形での需要、つまり、宝飾品や投資用の地金やコインなど、ゴールドをゴールドのまま保有する需要が圧倒的に大きいのです。宝飾品もインドや中国ではほぼ純金投資と考えると、ゴールドは貴金属のなかでも特別に「投資用メタル」だということができます。
宝飾需要
2020年は過去10年間でも最も宝飾需要の少ない年でした。これはコロナによる影響で最大の市場であるインドそして中国の都市ロックダウンにより、宝飾品どころではなくなったからです。2021年はその反動で需要は大きく伸びています。
宝飾品の最も大きな市場は中国とインドです。コロナ前の2019年の需要量は中国638トン、インドは545トン。第三位は米国の131トンであり、その他の国々は50トンを越える国はありませんでした。ちなみに日本は17トン。中国とインドがいかに巨大な市場かわかります。
(中国インドの宝飾需要の推移)
工業用需要
電子材
ゴールドはいろいろな電気製品で使われています。パソコンやスマートフォンの基板等は近年では都市鉱山と呼ばれ、そこからのゴールドの回収が注目されています。半導体や自動車部品の中にもゴールドは使われており、東京オリンピックのメダルに使われたゴールドそしてシルバーはすべてこの都市鉱山からのものでした。
ちなみにこの分野では最大の需要国は日本で、年間70トンあまりのゴールドを使用しています。世界の電子材分野でのゴールドの需要量は過去10年で約250トンから300トンの間です。
(ゴールド電子材需要の推移過去10年)
装飾品需要とその他の工業用需要
電子材に比べるとその量は少ないですが、装飾品や食器などに使われる金メッキなどの装飾品需要が例年50トン前後、金歯に使われる歯科の需要が10トンから20トンくらいあります。
(装飾品とその他工業用需要)
(歯科需要)
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池水 雄一(Bruce Ikemizu)
1986年上智大学外国語学部英語学科卒業後、住友商事株式会社。
1990年クレディ・スイス銀行、1992年三井物産株式会社で貴金属チームを率いる。
2006年スタンダードバンクに移籍、2009年同東京支店支店長就任。
2019年9月日本貴金属マーケット協会代表理事。
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