貴金属の基礎

プラチナの需要|自動車触媒や産業用需要、宝飾需要の観点から解説


プラチナの需要


プラチナの需要


「自動車触媒」


プラチナの需要の約4割は自動車触媒に使われます。PGM(白金族:Platinum Group Metals)の最大の需要分野がこの自動車触媒であり、パラジウムの需要の8割が自動車の触媒として使われています。そのためにプラチナ、パラジウムそしてロジウムといったPGMは、自動車の売上が直接のその需要に大きな影響をもってきます。

プラチナは主にディーゼルエンジンに触媒として使わており、パラジウムは主にガソリンエンジンに使われています。触媒としての性能はプラチナの方が圧倒的に優れているのですが、ガソリンエンジンには、パラジウムの能力で十分であったので、当時はプラチナよりもはるかに安かったパラジウムが使われたのでした。ところがディーゼルエンジンには触媒としてパラジウムでは十分ではなく、当時はパラジウムよりもはるかに高価であったプラチナを使わざるを得なかったというのがその背景にありました。

しかし皮肉なことに、パラジウがは安かったためにガソリンの触媒に使われましたが、世の中では売れる車の大部分がガソリン車であり、その上に年々排ガス規制が世界中で厳しくなっていくのにつれてガソリン車の触媒であるパラジウムの使用量は青天井に増加していき、そのためにパラジウムの価格も大きく上昇。プラチナ、ゴールドを追い越して、市場で取引される貴金属としては圧倒的に高いものになってしまいました。当然性能がより高く、今やパラジウムの半額であるプラチナをパラジウムの代替とすればよいのですが、価格逆転当初は、またいつ再逆転するかもわからず、そしてそもそもパラジウムを使う前提での触媒加工設備をプラチナベースの新たなものにするのには相当のコストもかかるため、なかなかその動きにはなりませんでした。

しかし、価格逆転してからほぼ5年がたちその価格差はなかなか狭まらない現実、そしてロシアがパラジウムの生産国としての供給不安から、世界では急速にパラジウムからプラチナへの乗り換えがすすみつつあるようです。

(プラチナとパラジウムの値動きと値差)

プラチナとパラジウムの値動きと値差

プラチナの触媒需要は主にディーゼルエンジンですが、そのディーゼル車は2015年の独フォルクスワーゲンの触媒試験不正が明らかになり、ディーゼル車が自動車全体の半分を占め最も主要なマーケットである欧州でガソリン車へのスイッチが進んだことで、プラチナの触媒需要は落ち込むことになりました。

これもまたパラジウムがその需要の伸びにより価格が上昇する一方、プラチナの値動きが下落傾向となり対照的な動きとなった理由の一つです。しかしプラチナには暗い材料ばかりではありません。自動車触媒という意味では、EVとならんで次世代自動車としての期待がかかる水素をエネルギーとするFCV(燃料電池車)では、その触媒としてプラチナが一台当たりとしてディーゼル車の数倍の量が使われています。今後FCVが広がって来ればこれはプラチナにとっては新たな需要分野となるでしょう。

これもまたパラジウムがその需要の伸びにより価格が上昇する一方、プラチナの値動きが下落傾向となり対照的な動きとなった理由の一つです


「産業用需要」


自動車触媒以外の産業用需要は、2021年は78トンとなりこれは2020年以来の最大の数字になりました。その原因はガラス産業での需要が75%も大きく伸びたことにあります。これは2020年に予定されていた設備更新がパンデミック要因で2021年にずれ込んだことが主な要因でした。

そのため2022年はこの需要は大きく減ることになるとみられています。そのため、2022年の産業用需要は65.6トンとパンデミック前の2019年とほぼ同じレベルになるとみられています。プラチナの産業用需要は、ガラス以外にも電子材、化学、石油、医療などの分野に主に触媒や、電極、高い融点を利用したるつぼに用いられています。

(PGMの産業用需要)

そのため2022年はこの需要は大きく減ることになるとみられています


「宝飾需要」


プラチナの宝飾需要は自動車触媒42%、産業用需要29%に次ぎ、26%を占めるプラチナの主な需要の一つです。この三つの需要がプラチナ需要の97%を占めています。最大の市場は中国、そして北米、日本、欧州、インドとなります。

中国は過去そのシェアは60%を超えていましたが、近年、特に2022年はゼロコロナ政策による都市ロックダウンで30%程度にまで下がっており、相対的にその他の地域の伸びが目立っています。

(中国のPGM宝飾需要とその世界シェアの動き)

中国のPGM宝飾需要とその世界シェアの動き

中国のPGM宝飾需要とその世界シェアの動き

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