原油・石油の基礎

世界の原油の埋蔵量、生産量、消費量をグラフつきで解説【2020年データ】


1.原油の埋蔵量


世界の原油確認埋蔵量は、英国の石油メジャーBPが発表した統計によると、2020年末時点で約1兆7,324億バレルとのことです。これは可採年数にして約50年にあたります。石油はいつも「あと30~50年で枯渇する」といわれてきましたが、新規油田の発見や開発技術の進歩などもあって、伸びる傾向にあるといわれています。当分は可採年数が30~50年以上の状況が続くとみられています。特に近年は米国やカナダの北米を中心にシェール革命が起こり、飛躍的に産油量が増えていることが全体的な可採年数を底上げさせています。

2020年末時点でのデータによれば、世界最大の確認埋蔵量を有しているのはベネズエラの3,038億バレルで、世界全体の17.5%のシェアを占めています。第2位は長年首位を維持してきたサウジアラビアの2,975億バレルで17.2%です。第3位はカナダの1,681億バレルで9.7%、第4位はイランの1,578億バレルで9.1%、第5位はイラクの1,450億バレルで8.4%と続いています。


2.原油の生産量


世界の原油の生産量(産油量)は近年少しずつ増えてきましたが、2020年は新型コロナウイルスの影響から石油需要が大幅に減退したため、世界の原油生産量は8,839万バレル/日(=日量)にとどまりました。内訳をみると、OPEC(石油輸出国機構)が3,111万バレル/日と世界の生産量の約35%を生産しています。地域別では、世界有数の産油国であるサウジアラビアを中心とした中東諸国で2,766万バレル/日が生産され、約3割を占めています。国別では、21世紀最大の変革と謳われる“シェール革命”が起こった米国が第1位で1,648万バレル/日(世界の18.6%)、第2位はサウジアラビアの1,104万バレル/日(世界の12.5%)、第3位はロシアの1,067万バレル/日(世界の12.1%)となっています。

1970年代前半には中東諸国が中心となって組織したOPECの産油量が、当時の世界産油量の半分以上のシェアを占め、原油価格の決定権を手中にしていました。しかし、1974年にOPECが原油価格を大幅に引き上げたことで第一次石油ショックが起こり、これを契機にOPECへの依存度を下げるため各国で省エネルギー化や代替エネルギー開発が促進されると共に、北海、中南米などで油田が開発されました。

また2000年代に入り、カスピ海沿岸やベトナム沖、タリム盆地、北海、西アフリカ、中南米、中央アジアなどの世界各地で新たな油田が発見されたことや、それに加えてシェール革命で米国を中心とした北米の産油量が急増していることから、将来的にOPECのウエートが一段と低下することが予想されています。

画像1/世界原油生産量(日量換算)の推移

単位:万バレル/日

世界原油生産量(日量換算)の推移グラフ

資料:英BP

画像2/世界の原油生産量(2020年)

単位:万バレル

世界の原油生産量(2020年)

資料:英BP


3.世界の石油消費


英BPの統計によると、2020年の世界石油消費は日量8,848万バレルです。そのうち、北米・南米は日量2,605万バレルで全体に占める割合は29.5%、2番目が中国を除くアジアで日量1,939万バレル(同21.9%)、3番目が欧州で日量1,279万バレル(同14.5%)となっています。近年では特に中国の需要の伸びが顕著であり、中国単独で1,423万バレルに達し、全体の占有率は16.1%に及んでいます。

画像3/世界の原油消費量の推移

単位:万バレル

世界の原油消費量の推移グラフ

資料:英BP


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週間原油在庫と天然ガス貯蔵量(EIA)


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本記事の監修者・佐藤りゅうじ


1968年生まれ。1993年米大卒業後、1995年2月株式会社ゼネックス入社。アナリストとしてマクロ経済分析をはじめ、原油、天然ゴム、小麦などの商品市場、また為替市場、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年1月エイチスクエア株式会社を設立。

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