原油・石油の基礎

石油製品とは?ガソリン、灯油の特徴や「得率」などの基礎を解説


1.石油製品の種類


石油製品にはガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、潤滑油、アスファルト、パラフィン、液化石油ガスなど各種あります。これらの石油製品は原油を成分ごとに分離して生産されるので連産品と呼ばれています。このうち、ガソリン、灯油、軽油は無色透明かそれに近いところから「白油」、重油などは黒い色をしているところから「黒油」と呼ばれています。また灯油、軽油、A重油の三つは総称して「中間三品」と呼ばれています。


2.ガソリンとは


ガソリンは、常温常圧の状態で蒸発しやすく「揮発油」ともいわれます。もともと無色透明の液体ですが、常温常圧で爆発的に燃焼するという、危険性が非常に高い性状を持っています。そのため「オレンジ色」に着色されて、容易に灯油との見分けができるようにされています。

そのほとんどが自動車の燃料として消費されます。ガソリンの特性として挙げられるのが、揮発性とアンチノック性です。気化のしやすさを揮発性といい、適度に揮発性の高いガソリンは、エンジンの点火燃焼がスムーズになります。アンチノック性とは、エンジン点火時に金属音がでるノッキング現象が発生しにくい性質を指し、この尺度をオクタン価で表わします。オクタン価の高いガソリンほどアンチノック性に優れています。


3.灯油とは


灯油は、無色透明の液体で、主に家庭暖房用に使われます。精製度の高いものを白灯油と呼び、特徴としては引火点が40℃以上と高いこと、燃焼性がよく、燃やした時に煙やすすが出ないことが挙げられます。白灯油はJIS規格で1号灯油に分類されます。一方、発動機や洗剤に使用される灯油を茶灯油と呼び、JIS規格では2号灯油に分類されます。

灯油は暖房用の需要が高いため、冬場の需要期には価格が上昇する傾向にあります。他の石油製品価格とは異なり、季節変動が大きい点が特徴です。


4.石油製品の得率


ガソリン、重油など製品別の生産比率を「得率」と呼びます。得率は製品の生産量を原油の処理量で割って算出します。ガソリンが原油から20%採れるとすると、この原油のガソリンの得率は20%です。得率は原油によって大きく異なり、一般的にはAPI度の高い原油(軽質油)の方が、ガソリンなど比重の軽い製品を多く採れます。API度が低くて重い原油(重質油)でもさらに分解すれば、ガソリンなどの得率を上げることができます。

得率は年によって大きな変動はありませんが、長期的には白油系統が少しずつ増えています。精製装置の機能向上に加えて需要が産業用中心から民生用中心に変わってきたためです。日本で製品別得率の最も高いのは重油で、次いでガソリン、軽油、灯油の順となっています。なお、米国のWTI原油ではガソリンの得率は約55%にも達します。


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本記事の監修者・佐藤りゅうじ


1968年生まれ。1993年米大卒業後、1995年2月株式会社ゼネックス入社。アナリストとしてマクロ経済分析をはじめ、原油、天然ゴム、小麦などの商品市場、また為替市場、株式市場のアナリストリポートの執筆、トレードに携わる。2010年1月エイチスクエア株式会社を設立。

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