テクニカル分析解説

逆張りや順張りに利用できるピボット


1.前日の値動きから当日の価格変動範囲を予測


ピボットは、RSIやパラボリックの開発者であるJ・W・ワイルダーが考案したツールです。前日の値動きから計算される全7本のラインで構成され、ピボット(P)を中心にその上下に3本ずつラインが描画され(画像1参照)、値動きの目標や売買シグナルとして利用することができます。

リアクション・トレンド・システムと呼ばれ、リアクション(逆張り)モードとトレンド(順張り)モードの売買手法を備えています。一般的には、リアクションモードによる売買手法が知られています。

画像1/ピボット

ピボット

ちなみに、ピボットはMT4/ MT5に標準搭載されているわけではなく、カスタムインジケーターを入手する必要があります。OANDAラボでは、便利なカスタムインジケーターをまとめた「MT5用ベーシックパッケージ」を提供しており、ピボットはこの中に含まれています(OANDA提供のMT5でのみ利用できます)。

オアンダラボ MT5用ベーシックパッケージ


2.相場の転換点になりやすい


ピボットは、次のように算出されます。パラメーターを自由に変更できるテクニカル指標とは異なり、ローソク足の価格を基に算出されるので、誰が使っても同じ場所に表示されます。利用者は同じ価格水準を意識することになるので、結果としてピボットは相場の転換点となるサポートライン/レジスタンスラインとして機能しやすいのが特徴です。

                                                                                                                                                     
【ピボットの役割と計算方法】
ドテン買いHBOP(R3)R1+(前日高値-前日安値)
レジスタンス2R2P+(前日高値-前日安値)
レジスタンス1R1P×2-前日安値
ピボットP(前日高値+前日安値+前日終値)÷3
サポート1S1P×2-前日高値
サポート2S2P-(前日高値-前日安値)
ドテン売りLBOP(S3)S1-(前日高値-前日安値)

基本的にはS1~R1の間で値動きすると考え、サポートライン/レジスタンスラインとなるS1やR1は逆張りの目安に用いることができます。価格がS1に到達したら押し目買い、R1に到達したら戻り売りが基本で、また押し目買いの利食いターゲットはR1、戻り売りの利食いターゲットはS1とします。あるいは、S1やR1を突破したとしても、S2やR2で同様の戦略をとることができます。

HBOP、LBOPはBOP(Break Out Point)のことで、価格がここまで達するとトレンドモード入りと考えます。その場合は順張り戦略に切り替え、HBOP到達で買いを、LBOP到達で売りを仕掛けるのが一般的です。

画像2/各線での売買戦略

各線での売買戦略

また、デイリーピボットの各ラインは前日の高値、安値、終値を基に計算・表示されるので、翌日になるとリセットされて新しい値に変わります。あくまでその日限り有効なラインであるということを頭に入れておきましょう。


3.どの時間足をベースにするかで呼び名が異なる


ピボットは日足ベースのデイリーピボットの他に、週足ベースのウィークリーピボットや月足ベースのマンスリーピボットもあります。ウィークリーピボットでは前週のローソク足、マンスリーピボットでは前月のローソク足から各ラインを求めます。

                                                                                   
ピボットの種類ベースとなる時間足相性の良いトレードスタイル
デイリーピボット日足短期トレード
ウィークリーピボット週足中長期トレード
マンスリーピボット月足中長期トレード

基本的な使い方は、期間が変わっても同じです。デイリーピボットは短期トレードとの相性が、ウィークリーピボットやマンスリーピボットは中長期トレードとの相性が良いとされています。トレードスタイルに応じて使い分けましょう。

監修:山中康司氏

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ピボット

長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、ピボットの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAではピボットに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。インジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


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