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2020米国大統領・議会選挙について

今年は11月3日(火)に4年に一度の米国大統領・議会選挙の実施が予定されています。

今回の大統領選挙は、共和党のドナルド・トランプ現大統領と、民主党のジョー・バイデン元副大統領の対決となりました。

外国為替市場でも、米国大統領選挙・議会選挙は注目されており、事前の世論調査から、実際の投票結果、その後の動向まで、相場を動かす要因となることが想定されるため、最新の報道に注意が必要となりそうです。


前回の大統領選挙の開票前後のドル円の動き


最初に前回(2016年)の大統領選挙の際のドル円はどのような動きとなったかを振り返ってみましょう。

前回は共和党のドナルド・トランプ氏と民主党のヒラリー・クリントン氏が大統領選を争いました。

選挙直前の世論調査等ではクリントン氏に軍配が上がり、序盤の開票速報では、クリントン氏が優勢と報じられていましたが、開票が進むにつれ、トランプ氏が優勢との報道が増え、株式市場が大きく下落したほか、外国為替市場では、円買いが強まる展開となりました。

市場では、それまでのトランプ氏の過激な発言等を受けて、可能性は低いけれど、仮にトランプ氏が大統領になったら、世界経済の不透明感が強まり、株式市場は大暴落、外国為替市場では、安全通貨とされる円買いが強まるなどと囁かれていました。

ところが、開票速報によると、そのリスクが徐々に高まりつつあるということで、市場は一斉にリスク回避に動いたのです。

その後、トランプ氏の勝利が確実との報道が流れました。

しかし、結果が確定した後の市場の動きはそれまで予想されていたのとは逆の動きとなりました。

事前の予想では、「トランプ大統領誕生→世界経済の不確実性強まる→株式市場暴落、ドル円下落」との声が多かったのですが、実際は「トランプ大統領への期待感???」により、株式市場は上昇、ドル円は上昇となり、投票前の水準を上回る動きとなりました。

その後もドル円は12月中旬まで上昇を続け、118円台まで上昇する動きとなりました。

 

【2016年の大統領選挙の前後のドル円の時間足チャート】

 

【2016年の大統領選挙の前後のドル円の日足チャート】

 

今回の大統領選挙の注目点


今回の大統領・議会選挙では様々な点に注目が集まっていますが、まずは誰が大統領となるのか、そして、その結果がすぐに確定するのかといった点が注目されています。

さらに、中長期的な見通しでは、同時に開催される議会選挙も併せて、ねじれが解消され、法案が通りやすくなるのか、その後のFRBの金融政策の傾向などが注目されそうです。

 

どちらが勝つのか?

まず最初にトランプ現大統領とバイデン氏のどちらが勝つかに注目が集まります。本稿執筆時点での世論調査の平均ではバイデン氏がリードしており、この結果からは、バイデン氏勝利の可能性が考えられますが、大統領選挙のシステムの関係上、前回の大統領選挙のように世論調査の結果とは異なる結果となる可能性も十分に考えられそうです。

また、事前の大統領候補者による討論会の内容や投票日が近付いた段階で新たなスキャンダルや健康問題に関する報道等により、状況が変わる可能性があるため、最新の世論調査の動向に注目したいです。

       
【大統領選挙までの主な予定】 
日付 内容
2020年9月29日 第1回大統領候補討論会
2020年10月15日 第2回大統領候補討論会
2020年10月22日 第3回大統領候補討論会
2020年11月3日 大統領選投票日
 

【本稿執筆時点での世論調査結果の平均の推移】

出所:RealClearPolitics

 

仮にトランプ現大統領が負けたとして、素直に認めるか?

今回の大統領選挙では、これまでの大統領選挙とは異なる部分にも注目が集まっています。

それは、「仮に、トランプ現大統領が負けたとしたら、負けを素直に認めるか?」という点です。

通常、米国の大統領選挙では、開票結果が出た後、敗れた候補者が負けを認めるという慣習があります。

前回は、ヒラリー・クリントン氏は開票結果が出た時点で、素直に負けを認め、トランプ現大統領に電話で祝意を伝えたと報じられました。

市場では、今回、仮にトランプ現大統領が敗北となった場合に素直に結果を受け入れないのではとの懸念が広まっています。

2000年の大統領選挙では、共和党のブッシュ氏と民主党のゴア氏が大統領の座を争い、ブッシュ氏の当選確実が報じられたものの、その後、ゴア氏が結果が僅差であったフロリダ州の再集計を求めたことにより、選挙結果が確定するまでに1カ月程度かかるという事態に陥りました。

この選挙結果が定まらない間、株式市場は軟調な推移となり、リスク回避色の強い相場となりました。

今回も選挙結果が確定しない事態に陥ってしまうというリスクが十分に考えられるため、仮に開票速報の結果がバイデン氏と報じられた場合は、その後のトランプ大統領の動向により、不安定な相場となる可能性が考えられそうです。

 

議会選挙の結果も併せ、ねじれが解消されるか?

現在、米国では、2018年の中間選挙以降、共和党のトランプ大統領、上院は共和党、下院が民主党というねじれ状態が続いています。

中長期的な視点で見ると、大統領選挙と併せて行われる議会選挙の結果も併せて、このねじれ状態が解消されるかにも注目が集まります。

本稿執筆時点の世論調査等のデータを見ると、共和党の支持率が徐々に低下しており、上院、下院ともに民主党が過半数となる可能性は十分に考えられそうです。

仮にバイデン氏が勝利し、上院でも民主党が過半数を奪取し、すべて民主党となり、ねじれが完全に解消となると、法案も通りやすくなり、市場にとっては明るい材料となりそうです。

ただし、短期的には、トランプ現大統領により行われた減税や規制緩和が巻き戻されることへの警戒感が出てくるため、ネガティブな反応となる可能性も考えられ、悩ましいところです。

仮に、ねじれが解消できない場合は現在のように法案が成立しにくい状況が続くので、市場にとってはネガティブな材料となりそうです。

 

FRBの金融政策への影響

仮に大統領選挙の結果が確定しない状況が続く、ねじれが解消できず法案が成立しにくい状況に陥る等の状況に陥った場合はFRBの金融政策への負担が大きくなることが想定されます。

低金利の長期化、状況によっては、追加緩和の必要性が出てくる可能性が考えられ、いずれの大統領が勝ったとしてもねじれが解消されない限りは、ドルにとってはネガティブな材料となりそうです。

 

大統領選挙前後の不安定な相場に要注意


前回の大統領選挙の動きを見ても想像がつくとは思いますが、今回の大統領選の開票中から結果が出るまでの間は不安定な推移となる可能性が高いため、注意が必要です。

また、今回は仮にバイデン氏が勝った場合はその後のトランプ現大統領の敗北宣言が出るかどうかといった点でも相場が激しく動くことが想定されます。

ちなみに、2016年の選挙の際のドル円は1日で上下500Pips(5円)以上の変動となりました。中には、1時間で200Pips以上の変動となった時間もあります。

普段のボラティリティと比較すると、それがどのくらい大きい変動であったのかを確認できます。

また、これだけ激しく相場が動く場面では1ティック当たりの値幅が広く、荒い値動きとなり、また、スプレッドも拡大した状態となります。

このため、ポジションを保有し、相場が逆方向に動いてしまうと、スプレッド分+相場変動分で短時間で大きな損失に発展してしまう可能性もあります。

価格が大きく動く可能性があるため、利益を上げるチャンスではありますが、同時に資産を減らしてしまうリスクも増えるため、荒れている場面では取引を控える、取引数量を減らす等のリスク管理を十分に検討する必要があると思います。

 
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