インターバンク市場とは|仕組み・特徴・よくある質問を詳しく解説
インターバンク市場とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)が行われる市場のことを指します。
本記事ではインターバンク市場の定義や役割、特徴、よくある疑問について解説していきます。
目次
- 1.インターバンク市場とは
- 2.インターバンク市場以外の金融市場
- 3.インターバンク市場の特徴
- 4.インターバンク市場に関するQ&A
- 5.【まとめ】インターバンク市場とは|仕組み・特徴・よくある質問を詳しく解説
インターバンク市場とは
インターバンク市場(取引)とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)のことを指します。
日本語で「銀行間取引市場」とも呼ばれ、参加者が金融機関に限定されていることが特徴です。
ここでは、インターバンク市場について、以下の点を解説していきます。
- ・インターバンク市場の仕組み
- ・インターバンク市場の参加者
インターバンク市場の仕組み
インターバンク市場では「金融機関同士」がコンピューター・システムや電話(ホットライン)などを通じて取引を行います。
金融機関による「取引の集合体」がインターバンク市場と呼ばれており、建物など特定の場所が存在するわけではありません。
直接または仲介(ブローキング)で取引し、そこで形成される為替レートはインターバンクレートと呼ばれます。
「金融機関同士」ではなく「金融機関と、企業や個人」が取引する市場は、対顧客市場と呼ばれます。
インターバンク市場と対顧客市場の関係は、しばしば卸と小売りにたとえられます。
インターバンク市場は、金融機関が外貨を仕入れる「卸市場」に当たります。
対顧客市場は、金融機関が仕入れた外貨を顧客に売る「小売市場」に当たります。
インターバンク市場の参加者
インターバンク市場の参加者は金融機関に限定され、個人や一般企業などは参加しません。
金融機関の具体例は、以下の通りです。
インターバンク市場以外の金融市場
金融市場とは「資金を取引する市場」のことです。
インターバンク市場は広い金融市場の一部であり、金融市場の中には、インターバンク市場以外にも様々な市場があります。
一般的に、金融市場は以下の3つの種類に大別できます。
- ・短期金融市場
- ・長期金融市場
- ・金融派生商品市場
そして、この3つの市場をさらに細かく分類すると、以下のようになります。
種類 | 市場の分類 | 取引対象・内容 |
---|---|---|
短期金融市場 | インターバンク市場 | コール・手形・外国為替 |
オープン市場(対顧客市場) | 債券現先・CP/CD・国庫短期証券 | |
長期金融市場 | 株式市場 | 株式 |
債券市場 | 国債・地方債・社債 | |
金融派生商品市場 (デリバティブ市場) |
金融商品・先物市場 | 先物・スワップ・オプション |
表にはありませんが、広義では、預貯金市場・貸付市場・保険市場などもインターバンク市場以外の金融市場として挙げられます。
インターバンク市場の特徴
インターバンク市場の特徴について、以下の項目を解説していきます。
- ・流動性と規模
- ・為替レート
- ・金利
流動性と規模
BIS(国際決済銀行)は3年ごとに金融取引の状況を調査し、結果を公開しています。
当記事を執筆した2024年11月時点で最新の調査は、2022年に公表されたものです。
(BISのデータは3年に1回更新されます)
この調査を使った分析によると、世界の外国為替市場の取引金額は、2022年4月において1日あたり平均7兆5000億ドルを超えたと報告されています。
出典:BIS
※Graph 1のA「Foreign exchange market turnover by instrument」(外国為替市場の取引金額)を参照
為替レート
為替レートは、インターバンク取引(銀行間取引)の需要と供給のバランスによって決まります。
対顧客市場で使用される為替レートは、インターバンク市場で決まったレートをもとに配信されます。
金利
短期金融市場におけるインターバンク市場(取引)は、1年以内の資金の過不足を調整する場です。
資金の貸し借りをする際に、担保を必要とする取引や、無担保での取引、手形を使った取引などがあり、需要と供給のバランスにより金利が決定します。
インターバンク市場に関するQ&A
インターバンク市場に関する、よくある疑問について解説していきます。
- ・インターバンク市場はどこにありますか?
- ・対顧客市場との違いは何ですか?
- ・オープン市場との違いは何ですか?
- ・コール市場との違いは何ですか?
インターバンク市場はどこにありますか?
インターバンク市場とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)のことで、この取引の枠組みのことを指します。
そのため、特定の場所や建物が存在するわけではありません。
対顧客市場との違いは何ですか?
インターバンク市場と対顧客市場の違いは「誰が取引を行っているか」です。
インターバンク市場では、金融機関同士が取引を行います。
対顧客市場では、銀行と個人・一般企業が取引を行います。
オープン市場との違いは何ですか?
インターバンク市場は、銀行などの金融機関のみが参加する市場です。
一方、オープン市場とは、金融機関以外でも参加できる取引の枠組みで、公開市場とも呼ばれます。
オープン市場には、債券現先市場、CP/CD市場、国庫短期証券市場などがあります。
コール市場との違いは何ですか?
コール市場は「インターバンク市場の一種」でコールという呼称の由来は「money at call」(呼べば直ちに戻ってくる資金)です。
この名前の通り「借りるのも返すのもすぐに終わる短期の資金」がやり取りされる市場です。
コール市場とは、金融機関同士が短期の資金の貸し借りを行う市場です。
コール市場で最も代表的な取引は、無担保で今日借りて明日返す「無担保コール翌日物」です。
この取引に適用される金利は「無担保コールレート」と呼ばれます。
【まとめ】インターバンク市場とは|仕組み・特徴・よくある質問を詳しく解説
インターバンク市場とは、銀行などの金融機関同士が取引する市場のことです。
特定の枠組みの中で行われる取引全体を示す抽象的な概念であり、特定の場所や建物が存在するわけではありません。
インターバンク市場では、金融機関同士がコンピューター・システムや電話などを通じて取引を行います。
対顧客市場で使用される為替レートは、インターバンク市場で決まったレートをもとに配信されます。
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