最終更新日:2021年9月6日 15時43分
ナンピン(難平)とは?言葉の意味や手法、資金管理のやり方などを解説
ナンピンとは?
FXにおけるナンピンとは、保有しているポジションに対して相場が逆の方向に進んだ際に、さらにポジションを追加し平均取得単価(平均コスト)を下げる取引手法です。
相場が上下に動く場合はプラスになったところで利益を確定することができるため良さそうな手法ですが、相場が一方向に動くようなときには一度に大きな損失を負ってしまうという危険な手法でもあります。
画像1/ナンピンとは
ナンピンにおける平均取得単価の計算方法
ナンピンはポジションの平均取得単価を下げる取引手法ですが、どのように下がるのかを計算してみましょう。ナンピンの計算方法は、以下の通りです。
- 平均取得単価=取引をした価格÷合計Lot(ロット)数
例えば、1ドル110円の時に買いポジションを1Lot保有し、1ドル100円まで下落してきたためさらに追加で買いポジションを1Lot保有しました。上記の計算式に当てはめると、(110+100)÷2Lot=105です。この場合の平均取得単価は105円です。
そのため、110円で買いポジションを保有していますが、100円でナンピン買いを行ったことにより、105円で買いポジションを保有している状態となるのです。言い換えると、105円以上の価格になれば利益を得ることができます。
ナンピンのメリット
ナンピンのメリットは、「より大きな利益を狙える」ことにあります。前述したように、ナンピンをすることで平均取得単価を下げられ、より大きな利益を得やすくなります。
例えば、AさんとBさんが110円で1Lot(1,000通貨)の買いポジションを保有します。価格が100円まで下落してきたときにAさんのみ1Lotの買いポジションを追加し、価格が115円で2人とも決済をしました。最終的な2人の利益は、以下の通りです。
- Aさん:10円(115-105)×2Lot=20,000円
- Bさん:10円(115-110)×1Lot=5,000円
上記の計算はあくまで例ですが、このようにナンピンをした場合としない場合では、取引が成功したときにナンピンをしたほうがより大きな利益を狙うことができます。
一見すると大きな利益を狙えるナンピンですが、実際はリスクが高い取引手法です。その理由を以下で詳しく紹介します。
ナンピンのデメリット
ナンピンはより大きな利益を狙うことができますが、取引に失敗すれば大きな損失を出すリスクが高い取引手法です。例えば、AさんとBさんが110円で1Lot(1,000通貨)の買いポジションを保有します。価格が100円まで下落してきたときにAさんのみ1Lotの買いポジションを追加し、価格が95円で2人とも決済をしました。最終的な2人の損失は、以下の通りです。
- Aさん:-10円(95-105)×2Lot=-20,000円
- Bさん:-15円(95-110)×1Lot=-15,000円
上記のように、ナンピンを行うことで取引に失敗すればより大きな損失となります。
ナンピンのやり方や取引手法
初心者の方はナンピンの意味を理解してもあまりイメージがわかないと思うので、実際にチャートを使いナンピンのやり方を紹介します。以下の画像をご覧ください。
【ナンピンのやり方のイメージ画像】

上記チャートは、米ドル円の日足チャートです。一般的にナンピンは、相場にトレンドが発生している場面で使います。ここでは、トレンドが発生しているのを確認するために、移動平均線を表示しています。上記チャートのように、買いポジションを保有し、価格が下落したところでもう一度追加で買いポジションを保有するのがナンピンです。
ナンピンする際の注意点
ナンピンは初心者の方が行うには、リスクが高い取引手法です。ここでは、ナンピンを使う際の注意点について詳しく紹介します。
資金管理を必ず行う
ナンピンはポジションを追加するため、その分リスクも抱えます。資金管理を行っていなければ、大きな損失を被り、FX市場から退場しなくてはならなくなります。資金管理は、FX市場に居続けるために必要な知識です。まずは正しい資金管理を身につけましょう。
戦略的にナンピンを利用する
ナンピンは、ただ単に保有ポジションと反対方向に相場が動いたからポジションを追加するという適当な取引をするのはやめましょう。仮にトレンドが発生してしまった場合、大きな損失を被る恐れがあります。テクニカル分析を用いて相場のトレンドを分析し、戦略的なナンピンを心がけましょう。
許容できる損失を超えたらすぐに損切りを行う
ナンピンは失敗すれば大きな損失を出すリスクがあるため、損切りラインをしっかり決めてから使いましょう。損切りは損失を確定させる行為のため、ネガティブなイメージをお持ちの方も多いと思います。しかし、大きな損失から証拠金を守ってくれる役割もあります。
また、一般的にFXはプロのトレーダーでも損失を出すといわれています。つまり、どんなにFXが上手なトレーダーでも必ず損失を出すのです。前述した資金管理や戦略的なナンピンを行うためには、損切りも重要な要素の一つです。
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