テクニカル分析解説

バンド系テクニカル指標の動的バンドと静的バンド


1.古くから研究されているバンド系テクニカル指標


ボリンジャーバンドが開発されたのは1983年のことですが、それ以前にもチャート分析の世界ではチャネルやバンド系のテクニカル指標が用いられ、値動きの進路や反転ポイントを予測することなどに用いられていました。

ジョン・ボリンジャーの『ボリンジャーバンド入門』によれば、バンド系テクニカル指標の最初の例は1960年にウィルフリッド・ルドゥーが著作権を取得した「トゥインライン・チャート」(月間高値を黒線、月間安値を赤線で結ぶ方法)です。また同時期には、チェスター・W・ケルトナーが「ケルトナーチャネル」の原型となる指標を紹介しているとのことです。

このように古くから研究されているバンド系のテクニカル指標は、静的バンドと動的バンドに大別されます。静的バンドの代表はエンベロープやケルトナーチャネル、動的バンドの代表はボリンジャーバンドです。

画像1/ボリンジャーバンドとエンベロープの比較

ボリンジャーバンドとエンベロープの比較

画像1では、ボリンジャーバンド(左:期間20、偏差2)と、エンベロープ(右:期間20、偏差2、緑の移動平均線は追加表示)を同一のチャートに表示し比較しています。エンベロープは中央の移動平均線の上下に一定幅の平行ラインを引くもので、どんなに値動きしても常に上下幅が変わらない静的なバンドが描かれます。一方、ボリンジャーバンドは値動きに応じて動的にバンド幅を変化させるのが特徴です。


2.ボラティリティの変化が分かる


ボリンジャーバンドの特徴は、ボラティリティの変化が分かることです。バンド幅はスクイーズ(収束)したり、エクスパンション(拡散)したりする性質があり、これによりトレンドの発生から終焉を見抜くのに役立ちます。

画像2で確認できるように、相場はスクイーズとエクスパンションを繰り返す傾向があります。スクイーズの局面はボラティリティが小さくもみ合い状態で、そこから発展するエクスパンションの局面はボラティリティ大きくなって明確なトレンドが発生。やがてバンド幅が縮小してトレンドが終焉を迎え、再びスクイーズに戻ります。このように、トレンドのサイクルを読み取れるのが、ボリンジャーバンドの利点だといえます。

画像2/トレンドの発生から終焉

トレンドの発生から終焉

監修:山中康司氏

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