テクニカル分析解説

開発者が推奨するボリンジャーバンドの設定


1.本家は±2σだけ使用!


ボリンジャーバンドというと、中央の移動平均線(Simple Moving Average:SMA)とその上下に描かれる±1σおよび±2σを合わせた5本のラインで構成されるバンドを思い浮かべる人が多いでしょう。この表示設定は、多くのチャートソフトでデフォルトとして採用されているためです。

しかし、開発者のジョン・ボリンジャーは移動平均線と±2σの合計3本を基本としました。現在、一般化している5本表示のうち、±1σは不要だということです。またパラメータに関しては、中期的なトレンドとボラティリティの情報を得るのに十分な期間があれば良いとし、期間20を推奨しています。

画像1/開発者が推奨する基本設定

開発者が推奨する基本設定

多くのチャートソフトとは異なり、MT4/MT5のデフォルトでは1種類の標準偏差しか設定できない(画像2参照)ため、3本表示となります。他の標準偏差も追加したい場合は、ボリンジャーバンドを重ねて表示するか、プロパティ画面の「レベル」に追加したい偏差の数値を追加する方法もあります。

画像2/設定できる「偏差」は1種類のみ

設定できる「偏差」は1種類のみ

2.±1σ、±2σ、±3σの比較


±2σが基本となるのは、その他のσと比較すると納得できるかもしれません。画像3は、同じ期間のチャートに±1σ(左)、±2σ(中)、±3σ(右)を並べて比較したものです。これらを比較すると分かるように、±3σの場合はバンドに到達することがほとんどなく、±1σの場合はバンドに到達することが頻繁に起こります。そのため、±2σが最も使い勝手が良いものと考えられます。

画像3/各標準偏差とローソク足の位置関係

各標準偏差とローソク足の位置関係

3.短期あるいは長期に応用する場合の考え方


ジョン・ボリンジャーの『ボリンジャーバンド入門』では、基本となる「期間20と標準偏差±2σ」を、短期や長期に応用して使う場合の考え方も示しています。短期用にするなら「期間10と標準偏差±1.9σ」に、長期用にするなら「期間50と標準偏差±2.1σ」にすることを推奨しています。

ただし、出版後のセミナーなどでは「どの期間であっても標準偏差±2σが良い」と解説しています。ボリンジャーバンドと上下バンドのクロスは、それ自体が単純な売買サインになるわけではないので、それほどナーバスな調整は必要ありません。

監修:山中康司氏

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