テクニカル分析解説

ダウ理論を活用してブレイクアウトやリターンムーブを狙うトレードアイデア


直近高値を更新したあとの勢いのある値動きを狙う


ダウ理論とは、トレンドを定義したマーケット理論で、チャート分析をする際の王道とされています。6種類の基本原則から成り立っていますが、最も重要な部分を要約すると「明確なトレンドが発生した場合、トレンド転換のシグナルが出るまでは、そのトレンドが継続する」という考え方です。

ダウ理論では、連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より上に位置する(切り上げる)状態を「上昇トレンド」、下に位置する(切り下げる)状態を「下落トレンド」と定義しています。その状態が崩れるまでトレンドは継続すると考えられるので、トレンドフォロー戦略が有効となるわけです。

トレンドフォローの王道といえば押し目買いですが、どこまでをもって押し目と判断するか難しいのが難点です。それに対して、直近高値を上抜けたところでエントリーするというブレイクアウトは、そのポイントが明確で分かりやすいという特徴があります。そこでこの記事では、ダウ理論を利用してブレイクアウトを狙うアイデアを紹介します。


ブレイクアウトの基本


ブレイクアウトとは、直近高値・安値の水準が突破される局面を狙う戦略です。突破をきっかけに、その方向への値動きが加速する性質により、優位性の高いトレードが実現できます。

多くの市場参加者が注目する直近高値の水準では、売買の攻防が起こる可能性が大いにあり、その結果として高値を上抜ければ買い方の勝利(売り方の敗北)となって、一気に上昇することに期待できます。

ブレイクアウト

ちなみに、高値水準での攻防により売り方が勝利を収めた(買い方が敗北した)場合、チャートにはダブルトップというチャートパターンが現れます。これはトレンド転換を示唆するので、反転下落に注意が必要です。


突破を狙うアイデア


ブレイクアウトを狙ったトレードでは、直近高値のラインを上方に突破したところでエントリーするのが王道です。例えば、安値を切り上げ、次に高値を切り上げたら上昇トレンド継続という局面で、直近の高値を上抜けたらブレイクアウトしたと判断してエントリーします。

この方法はエントリーポイントが明確で、なおかつ勢いよく値動きする局面を捉えることができるので、大きな値幅を狙えるメリットがあります。


エントリーのアイデア


ダウ理論で上昇トレンドの条件を満たしているときに、直近の高値を上抜けたところでエントリーします。

ブレイクアウトを狙ったエントリーアイディア

この戦略は「上昇トレンドでは高値を連続して更新していく」というダウ理論の考え方に基づいており、非常に理にかなっているといえます。

ただし、直近高値をブレイクしたからといって、必ずしもその方向に進むわけではありません。ブレイク後に逆方向へ大きく動いてしまう、いわゆるダマシとなることもあるので、それに備えて逆指値の損切りを入れておく予防策も必要です。


リターン・ムーブを狙うアイデア


ブレイクアウト後はその水準へいったん戻る「リターン・ムーブ」が発生する場合があります。その流れでダマシとなってしまう可能性もありますが、ここでダマシとならずにトレンドへ回帰する場合は、上値抵抗線が下値支持線に転換したことを意味しトレードの優位性が高まります。そのため、ブレイクアウトしてもすぐにエントリーするのではなく、リターン・ムーブしたのを確認してからエントリーする戦略も効果的だといえます。


エントリーのアイデア


ブレイクアウト後、価格が反転してブレイクアウトした直近高値の水準まで戻ったところでエントリーします。

リターン・ムーブを狙うエントリーアイデア

このように価格が一度ブレイクアウトした水準まで戻るのを待ってからエントリーすることで、ダマシを極力回避できます。ただし、リターン・ムーブせずに続伸するケースも多いことに注意が必要です。

参考記事:ダウ理論を活用したブレイクアウトのトレードアイデアから利益確定までを解説


本記事の監修者・平野朋之


ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

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