テクニカル分析解説

ダウ理論とダブルトップやソーサートップ、逆V字を組み合わせた逆張りトレードアイデア


ダブルトップを用いる逆張りのアイデア


ダブルトップもトレンド転換を示唆する典型的なチャートパターンです。ダブルトップは同水準の二つの高値(山)と一つの谷(安値)を形成し、アルファベットの「M」のような形を描きます。綺麗なM字になることはあまりなく、多少崩れた形で出現することが多いです。ダウ理論の観点からすると、高値の位置関係が重要です。二つ目の高値が切り下がっているようであれば、トレンド転換が示唆されます。

ダブルトップ

ダウ理論と三尊天井やトリプルトップを組み合わせた逆張りトレードアイデア」で紹介した三尊天井やトリプルトップと同様に、上昇トレンドの天井圏で出現すると、下降トレンドに転換しやすいとされています。二つの山を形成後、安値のポイントに引けるネックラインを下方向にブレイクしたら下降トレンドへ転換したと判断し、逆張りするのが一般的です。

また、ダブルトップの完成を見越して二つ目の高値をつけた時点でエントリーする方法もあります。一つ目の高値を更新できずに二つ目の山を形成した時点で上昇トレンドの勢いが弱まっている=下降トレンドへの転換が近いと判断し、逆張りでエントリーします。

参考記事:ダウ理論と三尊天井やトリプルトップを組み合わせた逆張りトレードアイデア


エントリーのアイデア


  • (A)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でダブルトップを形成し、価格がネックラインを下回ったところで売りエントリーします。
  • (B)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でダブルトップを形成中、二つ目の高値をつけたところで売りエントリーします。

ダブルトップ出現時のエントリーアイディア


ソーサートップを用いる逆張りのアイデア


ソーサートップも、トレンドの転換時に現れるチャートパターンの一つです。ソーサーは日本語で「受け皿」という意味があり、文字通り受け皿を逆にしたような丸いアーチ状の形を描くのが特徴です。上昇トレンドの勢いがなくなり、しばらく天井圏で緩やかな上げ下げを繰り返し、その後下降に転じることでこのような形状となります。

ダブルトップや三尊天井などのように、勢いのある波動をもってトレンドが転換することもありますが、こちらのソーサートップのように天井圏で緩やかな波動を繰り返して転換することもあります。この場合は、ダウ理論による高値・安値の切り上げ/切り下げが判断しづらいので注意が必要です。

ソーサートップ

上昇トレンドの天井圏でソーサートップが見られた場合は、下降トレンドへ転換することが予想されるので、逆張りするチャンスです。ただ、ソーサートップは何をもって完成とするかが分かりにくいのが難点です。そこで重視したいのは「プラットフォーム」と呼ばれる短期的なもみ合いで、基本的には弧を描くような上昇→下落が一服した後にプラットフォームへ移行します。

このプラットフォームの安値同士に引けるネックラインを下回った段階でソーサートップの完成とみなし、そこから本格的な下落が始まると考えます。エントリーに関しては、価格がプラットフォームのネックラインを下方向にブレイクしたタイミングで行うのが理想です。


エントリーのアイデア


ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でソーサートップを描き、その後にプラットフォームを形成したら、価格がそのネックラインを下回ったところでエントリーします。

ソーサートップ出現時のエントリーアイディア


逆V字を用いる逆張りのアイデア


逆V字は、文字通りアルファベットの「V」を逆さにした形状のチャートパターンで、こちらもトレンド転換を示唆します。相場の急騰時に出現しやすく、他のチャートパターンに比べて目にする機会は多いです。注意したいのは、下落が勢いづいて戻りを見せず、一方的に下げ続ける場合もあることです。そんなときはエントリーしづらいという傾向があります。ローソク足の実体やヒゲの長さ、その他のテクニカルの組み合わせなども含めて慎重に判断する必要があります。

逆V字

一般的には、上昇トレンドの最中に急上昇して高値をつけた後、勢いづいて下落した場合、まずは直近安値を割り込むかに注目します。そうなったら下降トレンドへの転換と判断できます。


エントリーのアイデア


ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中で勢いよく上昇して高値をつけた後、逆V字で切り返したら、直近安値を下回ったところでエントリーします。

逆V字出現時のエントリーアイディア


本記事の監修者・平野朋之


ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

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