テクニカル分析解説

ダウ理論と三尊天井やトリプルトップを組み合わせた逆張りトレードアイデア


ダウ理論とトレンド転換のチャートパターン


ダウ理論は、トレンドを定義したマーケット理論で、6種類の基本原則で構成されています。

その中でも「トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する」という原則が重要で、これを意識することによってトレンドの継続や転換を狙ったトレード戦略を判断できるようになります。ダウ理論では、トレンドおよびトレンド転換シグナルについて、次のように定義されています。

                                       
上昇トレンド連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より上に位置する(切り上げる)
下降トレンド連続する高値および安値が、それより前の高値・安値より下に位置する(切り下げる)
上昇から下降へのトレンド転換シグナル高値と安値をそれぞれ切り上げられず、それより前の高値・安値を下回る
下降から上昇へのトレンド転換シグナル高値と安値をそれぞれ切り下げられず、それより前の高値・安値を上回る

例えば、上昇トレンドの最中に直近高値と直近安値をそれぞれ切り上げられず、直近安値を下回った場合、下降トレンドに転換したと判断できるわけです。このようにダウ理論の考え方を意識することで、トレンドとは反対方向に取引する逆張りの精度を高められます。

そこでこの記事では、ダウ理論とチャートパターンを組み合わせた、逆張りのトレードアイデアを紹介します。


三尊天井を用いた逆張りのアイデア


トレンド転換を示唆する代表的なチャートパターンに、三尊天井があります。三尊天井は三つの高値(山)と二つの安値(谷)で構成され、中央の山が一番高くなる形状です。両脇の山が肩、真ん中の山が頭に見えることから、三尊像に見立てて三尊天井と呼ばれます。相場の天井付近で出現しやすく、三尊天井を形成した後は上昇トレンドから下降トレンドに転換する傾向があるため、逆張り戦略が有効となります。

三尊天井

トレードする場合は、安値の水準に引けるネックラインを下方向にブレイクしたら下降トレンドへの転換とみなし、売りエントリーするのが一般的です。これはすなわち、ダウ理論がトレンド転換だとする、高値と安値の切り下げを決定づける動きだからです。なお、三尊天井が完成することを見越して、ネックラインのブレイクを待たずに、早めにエントリーする方法も有効です。その場合は、三尊の右肩形成のタイミングを狙います。


エントリーのアイデア


  • (A)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中で三尊天井を形成し、価格がネックラインを下回ったところで売りエントリーします。
  • (B)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中で三尊天井を形成中、右肩にあたる高値をつけたところで売りエントリーします。

三尊天井出現時のエントリーアイディア


トリプルトップを用いた逆張りのアイデア


トリプルトップは、三尊天井のように三つの高値(山)と二つの安値(谷)で構成されるトレンド転換型のチャートパターンです。三尊天井は中央の山が最も高くなる形状ですが、こちらは三つの山の天井が同水準になるのが特徴で、両者は異なるチャートパターンとして区別されます。トリプルトップは必ずしも三つの山が同じ高さになるわけではなく、多少形が崩れることもあります。

ダウ理論の応用として注目したいのは、高値の位置関係です。高値が切り下がっているようであれば、トレンドの転機を示唆します。加えて安値も切り下がるようであれば、その確度は高まります。

トリプルトップ

トリプルトップは相場の天井付近で出現すると、上昇トレンドの終焉を示唆します。考え方としては、高値の更新に3回挑んだものの、ことごとく同じ水準で阻止され、最終的に安値を切り下げる形でトレンドが転換するというものです。

三尊天井と同様に、谷の水準に引けるネックラインを価格が下方向にブレイクすると、より下落が本格化する傾向があります。そのため、ネックラインを割り込んだところでエントリーするのが一般的です。また、トリプルトップの完成を見越して、3つ目の高値をつけた時点でエントリーする方法もあります。


エントリーのアイデア


  • (A)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でトリプルトップを形成し、価格がネックラインを下回ったところで売りエントリーします。
  • (B)ダウ理論の上昇トレンドの条件を満たしている中でトリプルトップを形成中、三つ目の高値をつけたところで売りエントリーします。

トリプルトップ出現時のエントリーアイディア

参考記事:ダウ理論とダブルトップやソーサートップ、逆V字を組み合わせた逆張りトレードアイデア


本記事の監修者・平野朋之


ネット証券で、FX業務全般、自己売買部門のディーラー、投資情報室の情報発信、セミナー講師などの業務に携わる。現在は独立して株式会社トレードタイムを設立。マーケット情報の発信や投資教育を行うかたわら、オリジナル手法での自己売買も精力的に行う。

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