用語解説

インターバンク市場とは|定義・役割・特徴を解説


インターバンク市場とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)が行われる市場のことを指します。

本記事ではインターバンク市場の定義や役割、特徴、よくある疑問について解説していきます。

インターバンク市場とは

インターバンク市場(取引)とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)のことを指します。

日本語で「銀行間取引市場」とも呼ばれ、参加者が金融機関に限定されていることが特徴です。

ここでは、インターバンク市場について、以下の点を解説していきます。

  • ・インターバンク市場の仕組み
  • ・インターバンク市場の参加者

インターバンク市場の仕組み

市場と呼ばれますが、特定の場所が存在するわけではなく、特定の枠組みの中で行われる取引全体を示す抽象的な概念です。

インターバンク市場では、金融機関同士がコンピューター・システムや電話(ホットライン)などを通じて取引を行います。

直接または仲介(ブローキング)で取引し、そこで形成される為替レートはインターバンクレートと呼ばれます。

ニュースで報道されるのは、この為替レートです。

インターバンク市場の仕組み

一方、金融機関が企業や個人と取引する市場は、(金融機関から見て)対顧客市場と呼ばれます。

金融機関の取引は、しばしば卸と小売りにたとえられます。

金融機関は、インターバンク市場で外貨を仕入れ、対顧客市場で小売りする関係です。

インターバンク市場の参加者

インターバンク市場は、金融機関同士が取引する市場であり、個人や一般企業は参加できません

金融機関は、中央銀行や銀行、大手証券会社などで、さらに取引を仲介する短資会社、為替ブローカー、電子ブローキングなども加わります。

インターバンク市場の特徴

インターバンク市場の特徴について、以下の項目を解説していきます。

  • ・流動性と規模
  • ・為替レート
  • ・金利

流動性と規模

BIS(国際決済銀行)が3年ごとに公表しているサーベイ(Central Bank Survey of Foreign Exchange and Derivatives Market Activity)によると、世界の外国為替市場の出来高は、2022年4月時点で1日あたり平均7兆5000億ドルを超えたと報告されています。

世界の外国為替市場の出来高

「Foreign exchange market turnover by instrument:外国為替市場の取引量(取引手段別)」

出典:BIS Quarterly Review

為替レート

為替レートは、インターバンク取引(銀行間取引)の需要と供給のバランスによって決まります。

対顧客市場で使用される為替レートは、インターバンク市場で決まったレートをもとに配信されます。

金利

これまでは外国為替市場のインターバンク市場を説明してきましたが、他方で短期金融市場にも存在します。

短期金融市場におけるインターバンク市場(取引)は、1年以内の資金の過不足を貸し借りする場です。

資金の貸し借りをする際に、国債や地方債といった担保を必要とする取引や、無担保での取引、手形を使った取引などがあり、需要と供給のバランスにより金利が決定します。

インターバンク市場に関するQ&A

インターバンク市場に関する、よくある疑問について解説していきます。

  • ・インターバンク市場はどこにありますか?
  • ・オープン市場との違いは?
  • ・金融市場にはインターバンク市場以外に何がありますか?

インターバンク市場はどこにありますか?

インターバンク市場とは、銀行間取引(金融機関同士の取引)のことで、この取引の枠組みのことを指します。

そのため、特定の場所や建物が存在するわけではありません

オープン市場との違いは?

インターバンク市場は、銀行などの金融機関のみが参加する市場です。

一方、オープン市場とは、金融機関以外でも参加できる取引の枠組みで、公開市場とも呼ばれます。

オープン市場には、債券現先市場、CP/CD市場、国庫短期証券市場などがあります。

金融市場にはインターバンク市場以外に何がありますか?

金融市場は、広い意味を持つ言葉です。

一般的には短期金融市場や長期金融市場、外国為替市場、金融派生商品市場のことを指しますが、広義には預貯金市場や貸付市場、保険市場なども含まれます。

以下、金融市場の俯瞰図をまとめました。

市場の分類 取引対象・内容
短期金融市場 インターバンク市場 コール・手形
オープン市場 債券現先・CP/CD・国庫短期証券
長期金融市場 株式市場 株式
債券市場 国債・地方債・社債
外国為替市場 インターバンク市場 円貨・外国通貨の銀行間取引
金融派生商品市場 金融商品・先物市場 先物・スワップ・オプション

【まとめ】インターバンク市場とは|定義・役割・特徴を解説

インターバンク市場とは、銀行などの金融機関同士が取引する市場のことです。

特定の枠組みの中で行われる取引全体を示す抽象的な概念であり、特定の場所や建物が存在するわけではありません。

インターバンク市場では、金融機関同士がコンピューターや電話などを通じて取引を行います。

対顧客市場で使用される為替レートは、インターバンク市場で決まったレートをもとに配信されます。


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