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DMI、ADXとは?意味や使い方、計算式、MT4の設定方法を紹介


DMI、ADXとは?


DMIとは、「Directional Movement Index」の略であり、日本語では一般的に「方向性指数」と呼ばれています。RSI(Relative Strength Index)を開発してことでも有名な、J.W.ワイルダー氏によって開発されたインジケーターです。DMIは+DIと-DI、ADXという3本のラインを使い相場のトレンドの強弱を分析します。

DMI、ADXの見方

しかしDMIと同様にADXの知名度も上がってきており、MT4(Meta Trader4)やMT5(Meta Trader5)では、「Average Directional Movement Index」という名前で登録されています。このインジケーターの略称をADXと呼ばれています。したがって呼称としてのDMIとADXは同義です。


DMI、ADXの見方


前述したように、DMIは+DIと-DI、ADXという3本のラインを使い相場のトレンドの強弱を分析します。それぞれのラインの見方を紹介します。


+DIライン


+DIラインは、一般的に上昇トレンドの強さを表すラインです。下落トレンド中は、20以下での推移が続くことが多く、価格が反発すると上昇しているのが確認できます。下のチャートでは、価格が下落している状態が続いており、+DIラインは低い水準での推移が続いています。

+DIライン

-DIライン


-DIラインは、一般的に下降トレンドの強さを表すラインです。価格が下落すると上昇し、価格が上昇すると低下します。-DIラインが20~30を超えてくると下降トレンドに発展する可能性が高まります。

-DIライン

ADXライン


ADXラインは、トレンドの強弱を表すラインです。そのため、上昇トレンドや下降トレンドであっても、トレンドが発生すれば上昇します。20~30を超えるとトレンドが強い状態を表しており、強いトレンドが発生する可能性があります。一方で、相場が反転しトレンドが不明確な状態になると数値は低下します。

ADXで注意したいのはADXを算出する際に用いる移動平均線の種類です。ADXを算出する際に用いられる移動平均線の種類は主に単純移動平均線(SMA)、指数平滑移動平均線(EMA)、修正移動平均線(RMA)の3種類があり、チャートシステムごとに採用している移動平均線が異なります。ちなみにMT4の場合は指数平滑移動平均線(EMA)を使用しています。大きな違いはありませんが、自分の使用しているチャートでのADXの動きに併せて使いこなす必要があります。

ADXライン

DMI、ADXの使い方


DMI、ADXの使い方において注目すべきは、以下の通りです。

  • +DI、-DIの位置
  • ADXの上昇
  • ダイバージェンス

上記3点に注目すると、上昇・下落のどちらが強いのかやトレンドの強弱、トレンドの転換などを分析することができます。


+DI、-DIの位置


+DIは上昇トレンド、-DIは下落トレンドの強さを示しています。このため、+DIが-DIより上にある場合は上昇基調が強い状況、逆に-DIが+DIより上にある場合は下落基調が強い状況と考えることができます。 よって+DIと-DIがクロスするような動きとなった場合は強弱の力の強さが入れ替わっており、トレンド転換に注意が必要な状況といえます。次のドル円の1時間足チャートで、+DIと-DIの位置に注目して見ると、上昇基調と下落基調が比較的きれいに出ているのが確認できます。

+DI、-DIの位置

ただし、同じ1時間足チャートでも方向感の鈍い相場の場合は次のチャートのように+DIと-DIの交差が続く場合もあるため、注意が必要です。

+DI、-DIの位置2

ADXの上昇


前述の通り、ADXが上昇し、20〜30を上抜けるような動きとなる場合は大きなトレンドに発展する可能性がでてきているといえます。価格の動きと併せてトレンドの経過を見守る必要があります。


ダイバージェンス


ADXはトレンドの強さ、+DIは上昇トレンド、-DIは下降トレンドの強弱を示していると考えると、RSIのようにトレンドの勢いと価格の関係でのダイバージェンスの発生に注目するという使い方もできます。つまり、トレンドの勢いに注目し、トレンドのピークを探るという方法です。

例えば、次のドル円の4時間足チャートのように、価格が高値を更新する動きとなっているにも関わらず、+DIやADXが低下する動きになっている場合は、価格は上昇しているものの、上昇トレンドの強さが弱まっている状態ということができ、上昇トレンドがピークとなっている可能性があります。よって、その後に流れが変わる可能性に注意が必要な状況といえます。

ダイバージェンス

次のドル円の4時間足チャートは下降トレンド中にダイバージェンスが発生したような状況です。価格が安値を切り下げる動きとなっているにも関わらず、-DIの数値は低下、ADXの数値の上昇が止まっているのが確認でき、その後、流れが変わっているのが確認できます。

このダイバージェンスに関しては、反転の可能性が出てきているというだけであるため、これのみで売買判断というのは厳しいと考えられますが、利益確定のタイミングを探る場面などで使うことも考えられそうです。

ダイバージェンス2

DMI、ADXの計算式


+DIと-DIを求める場合は、まず+DM(上昇幅)と-DM(下落幅)を求める必要があります。+DMと-DMの計算式は、以下の通りです。

  • +DM:当日の高値-前日の高値
  • -DM:前日の安値-当日の安値

上記の計算式が基本ですが、以下の条件があります。

  • 条件①+DM<0の場合は、+DM=0
  • 条件②-DM<0の場合は、-DM=0
  • 条件③+DM>-DMの場合は、-DM=0
  • 条件④-DM>+DMの場合は、+DM=0

続いて、一日の最大の値動きであるTR(True Range)を求めます。

  • A:当日の高値-前日の終値
  • B:前日の終値-当日の安値
  • C:当日の高値-当日の安値

TRは上記の3つの中から最大値になるものを使用します。

続いて、+DIと-DIを求めます。

  • +DI:(N日間の+DM合計÷N日間のTRの合計)×100
  • -DI:(N日間のーDM合計÷N日間のTRの合計)×100

一般的にNの期間は、「14」日間が採用されることが多いです。MT4やMT5、Tradingviewなどのデフォルト値も14日間を採用しています。

最後にADXを求めます。

  • DX=「(+DI)-(-DI)」÷「(+DI)+(-DI)」×100
  • ADX=DXのN日間平均

DMI、ADXは、計算式にすると難しく感じるかもしれません。しかし、使い方自体はそれほど難しいものではないため、計算式を覚える必要性はそれほどありません。


DMI、ADXの期間


DMI、ADXの期間は特にこだわりがないのであれば、デフォルト値で設定をしましょう。一般的にMT4では、「14」日間がデフォルト値となっています。そのため、チャート上に表示した後はパラメータをいじる必要はありません。むしろ、必ず機能する設定値はないので、期間を探すよりもインジケーターを使いこなすことが大切です。


DMI、ADXの設定方法


DMI、ADXを、MT4、MT5、Tradingviewといったそれぞれのプラットフォームで設定する方法を紹介します。


MT4(Meta Trader4)への設定方法


DMI、ADXをMT4へ設定する方法を紹介します。

MT4を表示しチャート上の「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Average Directional Movement Index」を選択

MT4へ設定する方法

MT5(Meta Trader5)への設定方法


DMI、ADXをMT5へ設定する方法を紹介します。

MT5を表示しチャート上の「挿入」→「インディケータ」→「トレンド」→「Average Directional Movement Index」を選択

MT5へ設定する方法

Tradingview(トレーディングビュー)への設定方法


DMI、ADXをTradingviewへ設定する方法を紹介します。

Tradingviewを表示しチャート上の「インジケーター」→検索窓に「DMI」と入力→「Directional Movement Index」を選択

Tradingviewへ設定する方法

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DMI

長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、DMIとADXの基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAでは、DMIとADXに関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。このオリジナルインジケーターは、OANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


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