FXに関するコラム・豆知識

引き続き米国債利回りに注目 ECB理事会や米国消費者物価指数にも要注意 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年3月8日)


米国長期債利回り上昇継続、米ドルが堅調


先週はパウエルFRB議長の講演内容や米国雇用統計が底堅い結果となったことを受けて、米国債利回りが上昇し、FX市場では米ドルが底堅い推移となりました。対主要国通貨のほか、対新興国通貨でのドル買いも増えており、今後も米国債利回りの動向に注意が必要となりそうです。

また、株式市場は上値の重い推移が続いた後、終盤には少し反発する動きとなりました。

 

【ドルインデックス、S&P500、米国10年債利回りの動き】


引き続き米国債利回りの動きに注目


今週も引き続き米国債利回りの動きに注意が必要となりそうです。米国の追加の経済政策の行方や米国消費者物価指数の結果等を受けてどのような反応となるかに注目したいところです。

また、欧州ではECB理事会、ラガルドECB総裁の会見が予定されています。大きな金融政策変更の可能性はそれほど高くないと考えられますが、長期金利の上昇やユーロの価格水準等について示されるとユーロが過敏に反応する可能性考えられそうです。

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

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主要通貨の強弱


先週のFX市場は引き続き米国債利回りの上昇を受けて米ドルが強い推移となったほか、原油価格の上昇に併せて、カナダドルが強い推移となりました。

これに対し、円、スイスフランが引き続き弱い推移となりました。

今週もドル高の流れが続くかに注目したいところです。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ると、円、スイスフランといった通貨が弱いのに対し、ポンド、カナダドル、豪ドル等が強い動きが続いています。

【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら


直近30日間の株価指数の変化率


米国市場

先週の米国株式市場は上値の重い推移が続きましたが、週末には米国雇用統計が強い結果となったこともあり、反発する動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

欧州市場

欧州の株価指数は伸び悩む動きが続きましたが、終盤にかけては反発に転じています。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

アジア・オセアニア市場

アジア、オセアニアの株価指数は伸び悩む動きが続いています。ただし、前週に続き、シンガポールの株価指数は比較的底堅い推移となりました。

 

主要銘柄の相関性分析


先週のドルストレートの主要銘柄の値動きの相関性を見ると、USDCADを除いて、米ドル中心で相関性の高い動きとなりました。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

ドル円とクロス円の通貨ペア同士の相関性を見ると、USDJPYとクロス円の間では相関性の比較的高い銘柄もありますが、CHFJPY、ZARJPYのように逆相関の関係の通貨ペアもあり、クロス円が全て似たような動きにはなっていないようです。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、株価指数とドルストレートではEURUSD、GBPUSD、AUDUSDとの相関性が高く、USDJPYとは逆相関の関係となり、株式市場が上昇すると、ドル売り、株式市場が下落するとドル買いという動きとなりました。

これに対し、株価指数とEURJPY、GBPJPYは逆相関の関係、AUDJPYとは低い相関性となっており、株式市場が上昇すると円売り、株式市場下落すると円買いという動きではなかったのが確認できます。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


OANDA、通貨先物市場(FX)のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は底堅い推移が続き、108円台中盤まで上昇となりました。

OANDAのオープンポジションを見ると買いポジションの比率が53.8%と偏りはそれほど大きくない中、底堅い推移が続いたことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い状態が続く可能性を見出すことができます。

一方で高値圏で構築された買いポジションも増えており、高値圏では利益確定の売り、下値を探る動きとなると、これらのポジションの損切りの売りが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いており、今週もこの上昇基調が続くかを見守りたいところです。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の円の通貨先物ポジションは円買いが減少、円売りが増加となりました。

売買をネットすると、依然として、円買いポジションの方が優勢な状況ですが、減少傾向が続いており、今後もこの傾向が続くかを見守りたいところです。

円買いポジションがまだ残っているところを見ると、円買いポジションの決済により、円の下落余地(ドル円の上昇余地)はまだ残されているのかもしれません。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/3/2)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週のユーロドルは上値の重い推移が続き、一時1.19を割り込む水準まで下押しとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りはあまり大きくない中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えているのが確認できます。

反発した水準ではこれらのポジションの安堵の決済売り、下押しが続くとこれらのポジションの損切りの売りが増え、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、緩やかな上昇基調が続いていたものの、安値を結んだラインを割り込んだ後、安値、高値を切り下げる下落基調に転じており、このまま上値の重い推移が続くかに注目したいところです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションは買いが少し減少、売りが少し増加となり、ネットしたポジションでは、買いポジションの比率が減少しています。

依然として、ユーロ買いのポジションが多く残っているところを見ると、これらのポジションの決済によるユーロの下落余地はまだ残されているかもしれません。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/3/2)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週もポンドドルは上値の重い推移となり、安値を切り下げる動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると売買の偏りは少ないですが、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準ではこれらのポジションの利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、これらのポジションの損切りの売りが増える可能性があり、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、安値を結んだラインを割り込んだ後、高値、安値を切り下げる下落基調に転じており、今週もこの流れが続くかを見守りたいところです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点における投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週から買いポジションが少し減少となりましたが、売りポジションがそれよりも多く減少したため、ネットすると、買いポジションの比率が上昇となりました。

買いポジションの増加に一服感が出てきており、今後、買いポジションが再度増えるのか、買いポジションの決済が増えるのかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/3/2)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは上値の重い推移が続き、0.76台まで下押しする動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ないものの、下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えており、反発した水準では、これらのポジションの利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、これらのポジションの損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

底堅い推移が続いた豪ドルですが、前週に続き安値を切り下げる動きとなっており、今週も上値の重い推移が続くかを見守りたいところです。反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点の投機筋の通貨先物市場における豪ドルのポジションは引き続き売買の偏りは少ないですが、買いポジションの比率が少し増えており、今後もこの傾向が続くかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/03/2)】

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CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は上値の重い推移が続きましたが終盤は少し盛り返す動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションの比率がやや高い中、下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが依然として多く、反発した水準では安堵の決済売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性も考えられそうです。

一方で直近の反発により苦しくなった売りポジションも少し増えており、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りの買い、下押しの際はこれらのポジションの安堵の買い戻しが下落を和らげる可能性も考えられそうです。

4時間足チャートを見ると、緩やかに高値、安値を切り下げる動きが続いており、この流れに変化がないかを見守りたいところです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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