テクニカル分析解説

ローソク足を改良した平均足


1.ローソク足よりもトレンドが明確に分かる


ローソク足は、始値・高値・安値・終値といった四本値を表示したものです。その形状や、何本かの組み合わせによって、トレンドや転換点を判断することができますが、より明確にトレンドを読み取るためには平均足を利用すると良いでしょう。

平均足は、いわば修正版ローソク足です。四本値に所定の計算を加えることで、細かなノイズを省いて、よりトレンドが分かりやすくなります。画像1のように、平均足はトレンド発生時に同じ色の足(陽線・陰線)が連続しやすいのが大きな特徴です。

画像1/平均足

平均足

画像1では、同じ期間の平均足(上)とローソク足(下)を比較しています。平均足の方が陽線(青色)、陰線(赤色)が連続しており、トレンドの継続や転換を判断しやすいことが見て取れるでしょう。


2.平均足の作り方


平均足が、陽線や陰線を連続しやすい性質を持つのは、以下の計算により作られるからです。

       
【平均足の計算方法】
平均足始値=前日平均足の実体の中値([前日平均足始値+前日平均足終値]
平均足終値=四本値の平均値([当日始値+当日高値+当日安値+当日終値]

平均足は、始値と終値に平均値を取り入れることで値動きのブレが減るため、上昇トレンド時には陽線が、下降トレンド時には陰線が連続して出現しやすくなっています(高値と安値についてはローソク足と同じく、対象期間の高値と安値を用います)。

また、平均足では前の足の始値と終値の平均値が次の足の始値となり、新しい足は必ず前の足の中心から描かれるので、ローソク足のように窓(空間)をあけることがありません。これも平均足の特徴の一つです。


3.ヒゲや実体も売買判断の重要な要素


平均足を使う上で重要視すべきポイントは、次の五つです。同色の連続性だけでなく、実体とヒゲにも注目します。ローソク足とは違う見方になるので注意が必要です。

                         
【平均足のチェックポイント】
陽線は買い(陰線は売り)
陽線+上ヒゲは「強い買い」(陰線+下ヒゲは「強い売り」)
陽線+下ヒゲは「買いにかげり」(陰線+上ヒゲは「売りにかげり」)
前日の実体より短い実体は「変化の兆し」
非常に短い実体は「トレンドの変化」

前述の通り、トレンドが発生しているときは陽線や陰線が続きやすいです。そのため単純に陽線で買い、陽線で売るトレード戦略が有効になります。 ヒゲについては、通常のローソク足とは真逆の判断になるので注意が必要です。明確なトレンド発生時に、平均足のヒゲはトレンド方向に伸びるのが特徴です。

また、実体の長さはトレンドの強弱を表します。トレンド発生時は長い実体が連続する特徴があります。一方、前日よりも短い実体の平均足が現れた場合はトレンドに変化が起こる可能性を示唆、実体が極端に短い平均足(実体部分のない十字線も含む)であればトレンド転換のサインとなります。

画像2/平均足のチェックポイント

平均足のチェックポイント

これら五つのポイントは全てトレードに生かすことができますが、基本的には陽線から陰線への「陰転」、陰線から陽線への「陽転」に注目して売買するだけでも、ある程度の利益が狙えます。

監修:山中康司氏

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長く為替トレーディングの第一線で活躍されてきた山中康司(やまなかやすじ)氏監修のもと、ローソク足の基本的な知識や使い方、トレーディングアイデアなどをご紹介します。またOANDAではローソク足に関するオリジナルインジケーターを多数提供しています。インジケーターはOANDAの口座をお持ちのお客様だけがお使いいただけます。


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