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TradingViewのコミュニティスクリプト「EMA Crossover Strategy」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewのコミュニティスクリプトに投稿された「EMA Crossover Strategy」(制作者名:BrendanW98)について紹介します。

1.ロジック概要

ローソク足の終値と3本のEMAを使い、4つの条件が同時に満たされる場合にロングまたはショートでエントリーします。
決済の条件には、RSIを使用します。
ロングの場合、「①終値が長期EMAよりも大きく」「②中期EMAが長期EMAよりも大きく」「③短期EMAが長期EMAよりも大きい」という条件を満たしたうえで、「④短期EMAが中期EMAを下から上に抜ける」とエントリーします。
そして、RSIが買われすぎの水準を上から下方向に抜けたら決済します。
ショートのエントリー条件はロングの逆です。
ストラテジー制作者は、決済の条件としてRSIを使う理由を明記していません。
RSIは上昇トレンド発生時に買われすぎの水準に張り付くことがあり、トレンドが終了すると下落します。
その傾向を利用していると推測できます。
なお、ロングポジション保有中にショートのエントリー条件を満たすと、ロングポジションを決済してショートでエントリーします。
その逆も同様です。

2.ストラテジーテスター

パラメーターはストラテジー開発者が設定した値が使用され、ユーザーが決められる項目はありません。
なお、パラメーターの値はパラメーターの名称と異なっており、ストラテジー開発者による解説文に書かれた値とも異なります。
これは、最良のパラメーターを見つける目的で試行錯誤した結果だと考えられます。

パラメーター設定(固定)

 
ema5 9(短期EMAの期間)
ema20 21(中期EMAの期間)
ema50 55(長期EMAの期間)
rsiSource close(終値を使ってRSIを算出)
rsiLength 14(RSIの計算期間)
rsiOverbought 70(RSI:買われすぎの水準)
rsiOversold 30(RSI:売られすぎの水準)

プロパティ初期設定

 
初期資金 100,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨 デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ 1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング 1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数)

ユーロ/円 日足

20年以上のバックテスト期間でトレード回数は50回台であり、1年あたり3回弱

20年以上のバックテスト期間でトレード回数は50回台であり、1年あたり3回弱です。
ポジション保有期間は1か月間から6か月間ほどであり、長期間になるのが特徴的です。
また、勝率は63.64%、プロフィットファクターは1.554です。

ユーロ/米ドル 4時間足

3年強で取引回数は40回以上あり、平均的に見て1か月に1回のトレード頻度

3年強で取引回数は40回以上あり、平均的に見て1か月に1回のトレード頻度です。
成績は右肩上がりになっており、プロフィットファクターは2.48です。
なお、勝率は66.67%で3回に2回利食いできています。

バックテスト総括

このストラテジーはエントリー条件が厳しく、取引頻度がやや少ないものの、右肩上がりの成績でした。
トレンド狙いのストラテジーであり、値動きの小さいレンジ相場では損切りを繰り返す可能性があります。
そこで、トレンド相場に特化するとさらに成績が向上する可能性があります。

3.注意すべきポイント

  • ・パラメーターが固定されており、ユーザーの意向を反映したり相場環境に合わせたりできない
  • ・値動きによってはドテンでポジションを持ったり、連続して損切りになる場合がある
  • ・日足で取引する場合、決済までに半年を要する場合がある

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