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【2024年】ユーロ円(EUR/JPY)の今後の見通し・予想|いつ下がるのかについて徹底解説


ユーロ(EUR)は、EU(欧州連合)に加盟する27ヵ国のうち、20ヵ国(2023年11月現在)で使用される通貨です。
1999年から発行開始とまだ歴史の浅い通貨ですが、「米ドル」に次ぐ世界第2位の取引量を誇ります。
取引量の多さから、ユーロの組み合わせであるユーロ円やユーロ米ドルなどは、FX初心者でも取引を行いやすい通貨ペアです。

以下は、2003年~2023年の価格推移を表したユーロ円の月足チャートです。

2003年~2023年の価格推移を表したユーロ円の月足チャート

長期的には上昇トレンドが発生しており、2008年7月につけた約168円台まで上昇しそうな値動きです。
とは言え、高値を更新するほど買われているのも事実であり、買いポジションを手仕舞う動き、つまり価格が下がることも考えておく必要があります。

今後、ユーロ円は、

  • ● 上昇トレンドが継続するのか?
  • ● 調整局面を迎えるのか?

など、様々な予測を立てられて、どのような投資戦略を立てていけば良いのか迷う方も多いでしょう。

本記事では、来年(2024年前半)のユーロ円の見通しや価格推移予想、投資戦略などについて詳しく解説します。

1.ユーロ円(EUR/JPY)のリアルタイムチャート

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>ユーロ円のリアルタイムチャートはこちら
>ユーロ米ドルのリアルタイムチャートはこちら

前述したように、ユーロとは、EU(欧州連合)に加盟する27ヵ国のうち、20ヵ国で使用される通貨です。
ユーロを法定通貨として採用している20ヵ国は、ユーロ圏と呼ばれます。

 
ユーロを使用している国(ユーロ圏) ユーロを使用していない国
オーストリア、ベルギー、キプロス
エストニア、フィンランド、フランス
ドイツ、ギリシャ、アイルランド
イタリア、ルクセンブルク、マルタ
オランダ、ポルトガル、スロバキア
スロベニア、スペイン、リトアニア
ラトビア、クロアチア
デンマーク
ブルガリア
チェコ
ハンガリー
ポーランド
ルーマニア
スウェーデン

EU(欧州連合)に加盟しているデンマークやブルガリアなどは、国民の支持を得られないなどの理由から、ユーロを法定通貨として採用していません
ユーロ圏ではないものの、モンテネグロやコソボといった国では、ユーロを導入しています。

ユーロは、ECB(欧州中央銀行)によって管理されています。
政治や経済情勢などが異なる様々な国をまとめなければならないという、難しい舵取りをECBは担っているのです。

2.【2024年前半】ユーロ円の今後の見通し・予想

2024年前半のユーロ円の値動きを予想する前に、2023年はどのような要因で推移してきたのかを、ざっと整理しましょう。

【2023年】
ユーロ円の振り返り

2023年のユーロ円相場は、長期的な上昇トレンドが発生しており、2023年11月現在でも続いています。
以下は、ユーロ円の日足チャートです。

ユーロ円の日足チャート

今年(2023年1月)の初めは、約138円台で推移していましたが、11月には約164円台で推移しており、約1年間で26円の上昇を見せました。
この主な上昇要因としては、ユーロと日本の金利差拡大が挙げられます。

以下は、ユーロと日本の政策金利を比較したチャートです。

ユーロと日本の政策金利を比較したチャート

ユーロではハイペースな金融引き締め(金利の引き上げ)を行っている一方で、日本は金融緩和(金利の引き下げ)を継続しており、金利差が拡大していることが分かります。

このユーロのハイペースな金融引き締めは、新型コロナウイルス(2020年に発生)やロシアウクライナ問題(2022年に発生)などの影響でサプライチェーンに混乱が生じ、世界的なインフレが発生したことによるものです。
日本以外の世界各国の中央銀行は、インフレを抑制するために、ハイペースな金融引き締めを実施。
その結果、対ユーロだけではなく、対米ドルや対英ポンドなどで大幅な円安を発生させました。

為替相場は、投資効果の関係から、金利の高い通貨が買われやすく、低い通貨が売られる傾向にあります。
2023年は、まさにセオリー通りの値動きとなった1年でした。

では、2024年前半のユーロ円見通しについて見ていきましょう。

2024年前半のユーロ円は引き続きECBの金融政策に注目

2024年前半も引き続き、ECBの金融政策に注視する必要があります。

これまで、11会合連続(2022年7月から)で利上げを行ってきたECBですが、今回の(2023年10月26日実施)の発表では、前回(2023年9月14日実施)と同じ4.5%の据え置きを決定。

ECBの金融政策

この据え置きは、インフレ率の低下によるものと考えられ、ユーロ圏のインフレを把握する様々な指標でインフレ率が低下していることが分かります。
たとえば、最新(2023年11月17日発表)のユーロ圏消費者物価指数では、前年比「+2.9%」と2021年7月以来の低水準となりました。

2023年11月17日発表のユーロ圏消費者物価指数は2021年7月以来の低水準

この結果を受けて、市場ではECBの利上げが終了したとの見方を強めています。

とは言え、直近(2023年10月26日実施)のECB理事会では「利下げについて議論せず。時期尚早だろう」「金利水準は十分に長期間維持されなければならない」と言った旨を発言していることから、利下げの決定は今後発表される様々な経済指標の結果次第と言えそうです。

引き続き、マーケットの最新情報や要人発言、重要な経済指標などに注視していく必要があります。

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3.ユーロ円の5つの価格変動要因

ユーロ円の価格変動要因は、主に以下の5つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

【変動要因①】
ECB(欧州中央銀行)の金融政策

ユーロ円の大きな変動要因は、ECB(欧州中央銀行)の金融政策です。
ECB理事会(ECBの最高意思決定機関)によって決定され、約6週間毎に1回開催されます。

2023年12月と来年2024年の開催日程は、以下の通りです。

 
2023年12月と来年2024年の開催日程
2023年 12月14日
2024年 1月25日
3月7日
4月11日
6月6日
7月18日
9月12日
10月17日
12月12日

>ECB理事会の会合日程はこちら

ECB理事会の終了後に行われる定例記者会見は、マーケットに大きな影響を与える発言が出ることもあり、多くの投資家から注目を集めています。

>ECB総裁の記者会見をリアルタイムで見るならこちら

また、ECB理事会が金融政策を決めるうえで、参考としている以下の経済指標の動向は必ず把握しておきましょう。

HICP(消費者物価指数)

HICP(消費者物価指数)は、ユーロ圏の物価動向を把握する経済指標です。
この数値を把握することで、ユーロ圏がインフレ(インフレーション)または、デフレ(デフレーション)なのかを把握できます。

ECBは、物価の安定化を責務としていることからも、このHICPの数値は金融政策を決めるうえで重要視している経済指標です。

また、消費者物価指数と言えば、CPIがあります。
HICPは持ち家の帰属家賃が含まれておらず、この点がCPIと異なります。
ECBが発表している消費者物価指数はHICP、日本や米国などの消費者物価指数はCPIと覚えておくと良いでしょう。

>CPIについて詳しく知りたい方はこちら

【変動要因②】
第2の基軸通貨としての役割がある

ユーロは、米ドルに次いで世界第2位の取引量を誇ることから、第2の基軸通貨としての役割もあります。
基軸通貨とは、軍事力や経済力などが強く、信用力が強い国の通貨のことです。

たとえば、米ドルへの悪材料が発生し価格が下落している局面では、ユーロが買われる傾向にあります。
以下は、ユーロ米ドルと米ドル円を比較したチャートです。

ユーロ米ドルと米ドル円を比較したチャート

綺麗な逆相関とは言えませんが、米ドルが買われているときはユーロが売られ、米ドルが売られているときはユーロが買われていることが確認できます。
ユーロの強弱を分析する際は、まずユーロ米ドルを見ると良いでしょう。

【変動要因③】
金や原油など商品市場との相関性もある

ユーロは、米ドルと逆相関の関係にあることから、原油や金など商品市場との相関性も見られます。
以下は、ユーロ米ドルとユーロ円、原油、金を比較したチャートです。

ユーロ米ドルとユーロ円、原油、金を比較したチャート

ところどころ違いはあるものの、相関性が見られます。
ユーロを取引する際は、原油や金など商品市場も把握しておくと良いでしょう。

>金(ゴールド)のリアルタイムチャートはこちら
>WTI原油(USOIL)のリアルタイムチャートはこちら
>ブレント原油(UKOIL)のリアルタイムチャートはこちら

【変動要因④】
米国10年債利回りとドイツ10年債利回りとの差

米国が発行する10年債利回りとドイツが発行する10年債利回りの差が、ユーロ米ドルに影響を与える場合があります。
以下は、ユーロ米ドルを反対にした米ドルユーロと、米国10年債利回りとドイツ10年債利回りの差を比較したチャートです。

ユーロ米ドルを反対にした米ドルユーロと、米国10年債利回りとドイツ10年債利回りの差を比較したチャート

>TradingViewで通貨ペアを逆に表示させる方法はこちら
>Trading Viewでドル円と日米10年債利回りを比較する方法はこちら

大まかな方向性はあっており、ユーロの相場動向を分析するうえで参考にできます。

また、ユーロ圏内での国債利回り差が意識されるケースもあります。
たとえば、ドイツ国債に対して国債利回りが高くなった国では、何らかのリスクが高まっている可能性があり、ユーロ売りの材料と判断できる場合もあります。
各国の国債利回りを比較することで、ユーロの相場分析に役立ちます。

【変動要因⑤】
欧州時間以降に値動きが活発化する傾向がある

ユーロ系の通貨ペアは、欧州時間(日本時間:およそ16時~2時)以降に値動きが激しくなる傾向があります。
これは、ユーロ圏での市場参加者が増えるからです。
ユーロや英ポンド絡みの通貨ペアでデイトレ―ドやスキャルピングなど短期取引を行っているなら、欧州時間を狙って取引するのも一つの方法です。

ただし、ユーロ円は米ドル円との兼ね合いから、東京時間に動く可能性もあります。

>各取引市場の特徴やFXの取引時間についてはこちら
>FXの週末(土日)の取引時間についてはこちら

4.ユーロ円の過去の価格推移(2003年~2023年)

2003年~2023年の20年間、ユーロ円はどのような要因によって変動してきたのかを見ていきましょう。

2003年~2023年のユーロ円の変動

【2007年~2008年】
サブプライムローン問題・リーマンショック

2007年に発生したサブプライムローン問題をきっかけに、翌2008年にリーマンショックが発生。
米国の大手投資銀行リーマンブラザーズが破綻したことで、世界経済に大きな影響を及ぼしました。

この金融ショックにより、約168円台(2008年7月時点)で推移していたユーロ円は、約115円台(2009年1月時点)まで急落しました

【2009年~2012年】
欧州債務危機(ソブリン危機・ユーロ危機)

2009年に発生したギリシャ危機(ギリシャショック)をきっかけに、欧州全土にわたる債務危機が発生。
ソブリン危機・ユーロ危機とも呼ばれ、欧州の根本的な財政問題が露呈しました。
欧州債務危機により、約133円台(2009年12月時点)で推移していたユーロ円は、約94円台(2012年7月時点)まで下落しました

【2012年~2015年】
アベノミクス

2012年に第2次安倍政権が発足し、3本の矢(大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略)による経済政策を実施。
リーマンショックや欧州債務危機などで円高方向へ動いていましたが、大きく円安方向へ動きだしました。

アベノミクスにより、約94円台(2012年7月時点)で推移していたユーロ円は、約145円台(2013年12月時点)までの上昇を見せました。

【2020年~2022年】
コロナショック・ロシアウクライナ問題

2020年のコロナショック、2022年のロシアウクライナ問題の影響により、世界のサプライチェーンに大きな混乱が生じました。
この影響で、全世界で大規模なインフレが発生。

日本以外の世界各国の中央銀行は、インフレを抑制しようと、ハイペースな金融引き締めを実施しました。
日本と世界各国の金利差が拡大し、大幅な円安を発生させました。

これにより、約117円台(2020年4月時点)で推移していたユーロ円は、約164円台(2023年11月時点)までの上昇を見せました。

5.ユーロ円のFX取引にOANDA証券が選ばれる3つの理由

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代表的な以下3つのサービスについて、詳しく見ていきましょう。

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6.まとめ

最後に、本記事で解説した内容についてまとめます。

  • 1. 2024年前半は、ECBの金融政策に注目
  • 2. 最新(2023年11月17日発表)のHICPではインフレ率の低下が見られる
  • 3. 利下げ時期が明確となればユーロ安円高の可能性がある
  • 4. ECBは利下げ時期についてまだ明確にしていない
  • 5. 今後もECB理事会の金融政策やHICPの数値に注目

本記事では、主にファンダメンタルズ要因によるユーロ円の見通しを解説しましたが、ユーロ円の投資戦略を立てる際に重要な要素は、その他にも多くあります。

たとえば、相場の大まかな予想を立てても、エントリータイミングやどこに損切りを設定するのかなど、取引スキルの知識も必要です。
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