FXに関するコラム・豆知識

株式市場は堅調地合いを維持 今週はFOMC等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2021年7月26日)


NYダウは史上最高値更新、米国株式が堅調地合いを維持


先週は序盤に新型コロナウイルス感染拡大による景気減速懸念等を背景に株式市場が軟調な推移となり、市場全体のリスク許容度が低下したものの、長続きせず、好調な米企業決算等にも後押しされ、株式市場が反発に転じ、米国を代表する株価指数の一つであるNYダウは先週も史上最高値更新となりました。

FX市場では序盤はリスク許容度低下により、円や米ドルが強い推移となったのに対し、後半は巻き戻しの動きで円は売られたものの、米ドルは米国債利回りの低下が一段落となったこともあり、円に比べると強い推移となりました。

また、商品市場は原油が下押し後、反発、金は伸び悩む動きが続いています。

【ドルインデックス、S&P500(CFD)、米国債利回り(10年、2年)、原油(CFD)、金(CFD)の推移】

上からドルインデックス、S&P500(CFD)、米国10年債利回り、米国2年債利回り、原油(CFD)、金(CFD)の推移

 

【残存期限別の米国債利回りの推移】

長期債利回りを中心に緩やかな低下傾向が続いていますが、直近では少し下げ渋る動きとなっています。

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債、日本国債利回りの推移はこちら

 

【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】

長期債利回りを中心に低下傾向が続いていましたが、前週からの低下は限定的なものとなっています。

 

【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債、日本国債のイールドカーブの推移はこちら

 

FOMC、重要経済指標等に注目


今週は米国でFOMCの開催が予定されています。今回の会合での金融政策の変更の可能性は低いと予想されていますが、今後の金融政策の手がかりを求めて、声明文やパウエルFRB議長の記者会見等に注目が集まりそうです。

現在の物価上昇は一時的なもので、金融緩和縮小はまだまだ先というスタンスであれば、FX市場ではドル売り、株式市場の下支え材料となりそうですが、反対に物価上昇を警戒、金融緩和縮小が近づいていることを意識させられる内容となると、FX市場では米ドルの下支え材料、株式市場では上値圧迫材料となる可能性も考えられそうです。

このほか、米国では第2四半期のGDP速報値、耐久財受注、個人消費支出、PCEデフレータ、雇用コスト指数等の重要経済指標の発表されます。いずれも個々のインパクトは限定的となりそうですが、偏った結果が続くと市場のセンチメントを動かす要因となりそうです。

その他、ユーロ圏では消費者物価指数の速報値、ドイツのIFO景況指数、ドイツ、フランスのGDP速報値、オーストラリアでは4-6月期のGDP、消費者物価指数の発表等に注目が集まりそうです。

【米国のGDP(前期比)の推移】

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

過去の経済指標の推移はこちら


主要通貨の強弱


先週のFX市場は序盤にリスク許容度が低下し、ドル、円等が強い推移となったのに対し、豪ドルやカナダドル等の通貨が弱い推移となりましたが、後半にかけて株式市場が反発したことを受けて、円が売られる展開となりました。米ドルは米国債利回りの下落が一段落したことや対ユーロで底堅い推移となったこともあり、週間を通しては比較的強い通貨となりました。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

直近30日間の主要通貨の通貨の強弱チャートを見ると、強い推移が続いた円が徐々に弱くなり、一方で軟調な推移が続いたカナダドルや豪ドル下落が一段落し、前週に比べると強弱の振れ幅が小さくなっています。

【直近30日間の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら


直近30日間の株価指数の変化率


米国市場

米国の株価指数CFDは序盤に下値を探る動きとなったものの、後半は反発に転じる動きとなりました。ただし、US30、US500、US100に比べ、US2000は前週に続き、伸び悩む動きが続いています。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

欧州市場

欧州の株価指数CFDも米国同様に序盤に下値を切り下げる動きとなったものの、その後は反発地合いが続き、下押し分の殆どを取り返す動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

アジア・オセアニア市場

先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDはジリジリと上昇する銘柄が多かったですが、中国や香港の株価指数CFDは引き続き軟調な推移が続いています。

 

主要銘柄の相関性分析


先週はドルストレートの銘柄の相関性を見ると、銘柄によっては多少相関性を見出すこともできますが、全体的には前週に比べると低下しており、米ドル中心の相場ではなかったようです。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

これに対し、ドル円とクロス円の相関性は全体的に高い状態が続いています。ただし、ZAR/JPYとの相関性はの相関性は薄く、ZAR/JPYはドル円や他のクロス円の動きと異なる動きをしていたようです。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

先週の主要通貨と米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、US500とドル円、クロス円の相関性が高いのに対し、EUR/USDとは逆相関、GBP/USD、AUD/USDとは相関関係ですが、少し低めの相関関係で、米ドルと株式市場の相関性はあまり高くなかったようです。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は序盤に109.00に迫る水準まで下落したものの、その後は反発に転じ、110円台中盤まで反発する動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りはあまり大きくない中、直近の反発により、含み損を抱えた売りポジションが増えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性が考えられ、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、高値を結んだラインや直近の高値水準を切り上げる動きとなっており、反発地合いが強まっているのが確認できます。

今週は下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は直近の高値をしっかりと突破できるか等に注目しながら、まずは反発地合いがどの程度続くかを見守りたいです。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の円の通貨先物市場のポジション比率は円買い、円売りともに減少していますが、円売り比率が少し低下となりました。今後も円売りポジション比率の低下傾向が続くかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2021/7/20)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週もユーロドルは上値が重いものの、1.175に迫る水準では底堅く下げ渋る動きが続きました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションの比率が高い中、下押しにより買いポジションの多くが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い状態が続く可能性を見出すことができそうです。

ただし、安値圏でのもみ合いが続いていることもあり、直近の水準で構築された売りポジションも増えており、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いも増える可能性が考えられ、短期的にでも反発地合いが強まる可能性にも少し注意が必要となりそうです。

まずは直近のサポート水準となる1.175付近の水準を守れるか、反発に転じた際は直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションはユーロ売りのポジションが増加し、買いポジション比率の低下傾向が続いています。今週もこの傾向が続くか、低下傾向に歯止めがかかるかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2021/7/20)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンドドルは前半に安値を切り下げる動きとなった後、終盤にかけては1.37台中盤まで反発して週末を迎えています。

4時間足チャートを見ると、上値詰まり感が出てきているようにも見えますが、OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の反発で含み損を抱えた売りポジションが少し増えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、これらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性にも少し注意が必要となりそうです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のポンドの通貨先物市場の前週に続き、買いポジションが減少、売りポジションが増加となり、ネットすると売りポジションの数の方が多い状態となりました。今後も売りポジション比率の増加傾向が続くかを価格のトレンドと併せて見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2021/7/20)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは上値の重い推移が続き、一時は0.73を割り込む水準まで下落しましたが、週末にかけては少し反発しています。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しにより含み損を抱えた買いポジションが多い状況です。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

ただし、直近の下げ渋りでストレスを抱えている売りポジションも少し増えており、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性にも少し注意が必要かもしれません。

いずれにせよ、まずは高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は先週の安値を切り下げることができるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは、徐々に売りポジションへの傾きが大きくなっており、今後もこの傾向が続くかに注目したいところです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2021/7/20)】

投機筋の通貨先物ポジションのチェックはこちら

CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は序盤に下値を探る動きとなったものの、その後は上昇基調が続き、4400をしっかりと上抜ける動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションの比率がやや高い中、高値圏での推移が続いていることもあり、売りポジションの多くが含み損を抱えており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のS&P500先物のオープンポジションを見ると、買いポジション比率が少し多い状況が続くなか、先週は買いポジション比率が少し減少しています。今週もこの傾向が続くかを見守りたいところです。

 

【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2021/7/20)】

投機筋の株価指数先物市場のポジションのチェックはこちら

 
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