FXに関するコラム・豆知識

引き続きウクライナ情勢に要警戒。米国CPI、ECB理事会等にも注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年3月7日)


今週の注目材料


先週もウクライナ情勢への警戒感が強く、株式市場が軟調な推移となったほか、FX市場ではユーロやポンドが弱い推移となりました。

今週も引き続きウクライナに関する報道に市場が揺さぶられることが想定されるため、最新の報道に注意したいです。

また、米国では消費者物価指数の発表が予定されています。ウクライナ情勢への関心が高いこともあり、市場の反応は限定的となる可能性も考えられますが、今後の米国の利上げペースを占う上で重要な経済指標の一つであるため、注目したいです。

ユーロ圏では、ECB理事会が予定されています。今回の会合では、政策金利は据え置かれる可能性が高いと予想され、注目はラガルドECB総裁の記者会見となりそうです。

消費者物価指数が上昇を続け、早期利上げの可能性が囁かれる中、ウクライナ情勢が欧州経済に対する不確実性を高めており、これらをECBがどのように評価しているかに注目が集まります。

早期利上げ観測を後押しするような内容となればユーロの下支え材料、ウクライナ情勢への警戒感の強さを意識させられるような内容となるとユーロの上値圧迫材料となりそうです。

【参考データ】

 

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

過去の経済指標の推移はこちら


先週のFX市場の動き


先週もウクライナ情勢への警戒感が欧州通貨の上値圧迫材料となったのに対し、豪ドルやNZドルといったオセアニア通貨が底堅い動きとなりました。

【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】

 

最新の騰落率ランキングはこちら

 

主要銘柄の相関性分析

先週のドルストレートの相関性を見ると、ドルストレート同士はユーロとポンドが対米ドルで高い相関となりましたが、その他のドルストレート通貨ペアの相関は低く、米ドル中心の相場ではなかったようです。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

ドル円、クロス円の通貨ペアの相関性も全体的に普段に比べると相関性は低い動きとなりました。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

一方で、ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性を見ると、全体的に高い相関となっており、ユーロ中心の相場であったようです。

【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】

先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、米国株式市場とFX市場の値動きの相関は限定的であったようです。

【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


先週の株価指数CFDの動き


米国市場

先週の米国の株価指数CFDは、伸び悩む動きが続き、週末には下押す動きとなりました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

欧州市場

欧州の株価指数CFDは下値を探る動きが続きました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

アジア・オセアニア市場

先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDも全体的に上値の重い動きとなりました。

 

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

【株価指数CFDの騰落率ランキング】

 

最新の騰落率ランキングはこちら


米国債利回りの推移


【残存期限別の米国債利回りの推移】

米国債利回りは、短期債、長期債のいずれも上昇傾向が続いていましたが、ウクライナ情勢を受けて伸び悩んでいます。

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債利回りの推移はこちら

 

【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】

直近5週の金曜日のイールドカーブを比較すると、全体的に低下しているのが確認できます。

 

【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債のイールドカーブの推移はこちら

 

OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は、114円台後半から115円台後半で上下に振れる動きが続き、大きな方向感を見出しにくい状況が続いています。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の下押しにより含み損を抱えた買いポジションが増えています。

このため、安値を切り下げる動きとなると、これらの買いポジションの損切りの売りが増える可能性に注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、徐々に値動きが収縮するような動きとなっており、均衡が崩れると、方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。

高値、安値を結んだラインや直近の高値、安値を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいところです。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、売りポジションに傾く状態が続く中、売りが少し増加となりました。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/03/01)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週のユーロドルは下値を探る動きが続き、1.09付近まで下押す動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、下落基調が続いていることもあり、買いポジションのほとんどが含み損を抱えており、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、高値、安値を切り下げる動きが続いています。反発の際は、高値を結んだラインや直近のサポートやレジスタンスとなった水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは前週に続き、買いポジション比率が増加となりました。今後も買いポジションの増加傾向が続くかに注目したいです。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/03/01)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンドドルは上値の重い推移が続き、1.32付近まで下押しする動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、下押しにより、買いポジションのほとんどが含み損を抱えています。

このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続く中、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは依然として偏りの少ない状態が続いており、今後、どちらに偏りが増えていくかを見守りたいところです。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/03/01)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは底堅い推移が続き、0.74に迫る動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売買の偏りは少ない中、直近の上昇により、含み損を抱えた売りポジションが増えています。

このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなった場合は、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、上昇基調に転じつつありますが、下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調が続くかを見守りたいところです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジションが少し減少しましたが、依然として売りポジションに大きく傾く状態が続いており、これらの決済による買いが増える可能性にも注意したいです。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/03/01)】

投機筋の通貨先物ポジションのチェックはこちら

CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は下落基調は一段落したものの、上値の重さは残り、伸び悩む動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の揉み合いにより、現在の価格水準付近で構築されたポジションが増えています。

このため、均衡が崩れると、苦しくなった方のポジションの損切り注文が増え、崩れた方に短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、直近では4280から4400付近のレンジで揉み合う動きが続いており、まずはこの水準を上下いずれに抜け出すかに注目しながら短期的な方向感を探っていきたいです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のS&P500先物市場のポジションは買いポジションに傾く状況が続いていますが、前週は買いポジション比率が減少となりました。

 

【投機筋の先物市場のS&P500 consolidatedのポジションの推移(最終更新日2022/03/01)】

投機筋の株価指数先物市場のポジションのチェックはこちら

 
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