米国消費者物価指数、ECB理事会等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年6月6日)
今週の注目材料
今週は金曜日に米国の金融政策を占う上で重要な消費者物価指数の発表が予定されています。
米国では、他に目立った経済指標はなく、また、FOMC前のブラックアウト期間に入るため、FRB関係者の金融政策に関する発言が制限されており、材料に乏しいため、注目が集まりそうです。
物価上昇の勢いが加速となると、FRBの金融引き締め強化への警戒感が強まり、市場のリスクセンチメントが悪化、逆に物価上昇の勢いが鈍化となると、警戒感が和らぐ可能性などが考えられそうです。
いずれにせよ、発表前後はFXでは米ドルを含む通貨ペアやリスクセンチメントの影響を強く受ける通貨ペアを中心に、株価指数CFDでは米国のものを中心に不安定な推移となる可能性があるため、注意したいです。
【参考資料】米国消費者物価指数の推移
欧州では、ECB理事会が予定されています。これまでの報道からは、今回の会合では政策金利の変更の可能性は低く、7月、9月の会合での0.25%ずつ利上げの可能性が高いと考えられています。
市場では今回の会合で、次回以降の利上げの地ならしが行われるとの見方が強まっており、ラガルド総裁の会見内容や経済見通しの内容等に利上げ幅の手がかりを求めて注目が集まりそうです。
このほか、オーストラリアでも金融政策を決定するRBA理事会が予定されています。今回の会合では利上げが行われる可能性が高いとの予想が中心で、市場では利上げの幅(0.15%?、0.25%?、0.4%?)に注目が集まっています。
0.4%の利上げとの見方も出てきているため0.15%や0.25%の利上げとなると、FX市場では豪ドル売りで反応する可能性も考えられそうです。
先週のFX市場の動き
先週は中国のロックダウン解除に関する報道や米国経済指標が底堅さを見せたことで、市場のリスクセンチメントが改善し、FX市場では円が最弱通貨となったのに対し、カナダドルや豪ドルが強い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
直近1ヶ月を見ると、5月下旬から円の弱さが目立っています。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に対ドルでの相関性は薄く、米ドル中心の相場ではなかったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアは全体的に相関性が高く、円の強弱がはっきりとしていたのが確認できます。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は全体にバラバラで、ユーロの強弱は見出しにくい状況であったようです。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、底は固いものの、上値は重く、伸び悩む動きが続いています。
欧州市場
先週は底堅い推移となった欧州の株価指数CFDも今週は伸び悩む動きとなりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数は中国や香港、日本が底堅いのに対し、オーストラリアやシンガポールは上値の重い推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、下押しが一服し、上昇に転じています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較を見ると、超短期金利は引き続き上昇傾向が続いているのに対し、中長期の金利も5月中旬の水準まで戻しています。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、反発に転じ、131円に迫る水準まで上昇する動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジションに傾く中、底堅い推移が続いたため、売りポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。
このため、下押した水準では安堵の買い戻し、上昇した水準ではこれらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いており、今週もこの流れが続くかを見守りたいです。下押しの際は、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は、131円台に乗せることができるか、4月下旬に2回上値を抑えた131.35付近の水準を突破できるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場では円売りポジションに大きく傾く状況が続いていますが、前週に続き、売りポジション比率が少し減少となりました。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/5/31)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは、前半は下押す動きとなった後、後半は底堅い動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の伸び悩みで苦しくなった買いポジションが少し増えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すこともできそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、直近では、安値を結んだトレンドラインを割り込んだ後、高値切り上げに失敗するような動きとなっており、流れが変わる可能性にも注意が必要な状況と考えられそうです。
引き直したトレンドラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売りポジションが減少したことにより、買いポジション比率が増加となりました。このまま買いポジション比率の増加傾向が続くかに注目したいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/5/31)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは上値の重い推移となり、1.24台まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えています。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性に注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、安値を結んだトレンドラインを割り込んだ後、高値切り上げに失敗する動きとなっており、流れが変わり始めています。下押しの際は直近の安値水準を守れるか、反発の際は高値を結んだラインや直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは買いが少し増えたため、売りポジション比率が少し低下となりましたが、依然として売りポジションに大きく傾く状況が続いています。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/5/31)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは底堅い推移となり、高値を切り上げる動きとなりましたが、週末は伸び悩む動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、底堅い推移が続いたことにより、含み損を抱えた売りポジションが増えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。
一方で週末の伸び悩みで苦しくなった買いポジションも少し増えており、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増える可能性にも少し注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、横ばい推移で安値を結んだラインを割り込むような動きとなったものの、依然として上昇基調が続いています。
今週も安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を切り上げることができるか等に注目しながら、上昇基調継続の可能性を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売買双方が減少する中、売りポジションの比率が少し増えています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/5/31)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は4070-4200の間で上でに揺れる動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、この4070-4200のレンジ内で構築されたポジションが売買いずれも多くなっています。
このため、このレンジを上下のいずれかに抜ける動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切りを絡めて短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、下落基調は一段落したものの、上値も重く、悩ましい状態が続いています。高値安値を結んだラインや直近のレンジを上下いずれに抜けるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場では買いポジションが減少し、売買の偏りは僅かとなりました。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/5/31)】
本ホームページに掲載されている事項は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資の勧誘を目的としたものではありません。投資方針、投資タイミング等は、ご自身の責任において判断してください。本サービスの情報に基づいて行った取引のいかなる損失についても、当社は一切の責を負いかねますのでご了承ください。また、当社は、当該情報の正確性および完全性を保証または約束するものでなく、今後、予告なしに内容を変更または廃止する場合があります。なお、当該情報の欠落・誤謬等につきましてもその責を負いかねますのでご了承ください。