FXに関するコラム・豆知識

先週はスイスフランが全面高、株式市場は軟調 今週はパウエルFRB議長の議会証言、本邦消費者物価指数等に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年6月20日)


今週の注目材料


先週は米国のFOMCで政策金利が0.75%引き上げられたほか、イングランド銀行、スイス国立銀行等で利上げが決定されました。これに対し、日銀は金融政策の維持を決定し、引き続き日銀と他の中央銀行の金融政策の温度差がある状況が続いています。

FX市場ではサプライズとなったスイス中銀の利上げを受けてスイスフランが上昇したほか、株式市場や資源価格が下落したことを受けて資源国通貨が軟調な推移となりました。

また、ドル円は日米の金融政策に関する思惑が揺れ動いたことやリスク回避の円買いが強まる場面もあり、上下に大きく揺さぶられる動きとなりました。

今週は米国でパウエル議長の議会証言が予定されています。

次回のFOMCにおける政策金利の手がかりを求めて注目が集まることが予想され、米ドルや株式市場が過敏に反応する可能性に注意が必要です。

ちなみに、現時点では、市場は次回(7月)のFOMCでは、+0.75%で225-250%との予想が中心のようです。

次回開催のFOMC後の政策金利予想の推移のグラフはこちら

 

本邦では消費者物価指数の発表が予定されています。特にコアの上昇率が増加するようであれば、日銀の金融政策のスタンスの変更が意識されそうです。

【参考資料】日本の消費者物価指数の推移

 

また、欧州ではPMIの速報値の発表が予定されています。冴えない結果となってしまうと、ユーロ圏のスタグフレーションが意識され、ユーロの上値圧迫材料となるかもしれません。

このほか、引き続き株式市場の動向やウクライナ情勢の最新の報道等にも注意したいです。

 

主要な経済指標・中央銀行のイベントの予定はこちら

過去の経済指標の推移はこちら


先週のFX市場の動き


先週の主要通貨の強弱はスイス国立銀行(SNB)が予想外の0.5%利上げ、また追加利上げの示唆を行ったことでスイスフランが全面高、また、米国のFOMCでの利上げ観測に後押しされた米ドルが強い推移となりました。

これに対し、株式市場や資源価格が軟調な推移となったことを受けてカナダドルや豪ドルといった資源国通貨が弱い推移となりました。

【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】

最新の通貨別強弱(騰落率)グラフはこちら

【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】

直近1ヶ月を見ると、引き続き円が弱いのに対し、米ドルが強い推移となりました。直近ではスイスフランが大きく上昇しています。

最新の主要通貨の強弱チャートはこちら

【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】

 

最新の騰落率ランキングはこちら

 

主要銘柄の相関性分析

先週のドルストレートの相関性を見ると、全体的に対ドルで多少の相関性を見出すことはできるものの、相関の薄い銘柄も含まれており、前週に比べると、米ドルの強弱は明確ではなかったようです。

【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】

また、ドル円、クロス円の通貨ペアも全体的に多少の相関性を見出すことはできるものの、前週に比べると低く、円中心の相場ではなかったようです。

【先週のドル円、クロス円の相関性】

ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性は前週に続き、全体的にバラバラで、ユーロの強弱は見出しにくい状況であったようです。

【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】

最新の相関性のチェックはこちら


先週の株価指数CFDの動き


米国市場

先週の米国の株価指数CFDは、上値の重い推移が続きました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

欧州市場

欧州の株価指数も上値の重い推移が続きました。

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

 

アジア・オセアニア市場

先週のアジア・オセアニアの株価指数も全体的に上値の重い銘柄が多いものの、中国の株価指数は比較的底堅い動きとなりました。

 

最新の主要の株価指数の変化率はここでチェック

【株価指数CFDの騰落率ランキング】

 

最新の騰落率ランキングはこちら


米国債利回りの推移


【残存期限別の米国債利回りの推移】

先週の米国債利回りは、FOMCまで全体的に上昇が続いたものの、その後は失速となりました。

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債利回りの推移はこちら

 

【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】

直近5週の金曜日のイールドカーブの比較すると、全体的に高い水準で推移しています。

 

【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】

出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY

米国債のイールドカーブの推移はこちら

 

OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き


FX

米ドル/円(USD/JPY)

先週のドル円は、底堅い推移が続き、135.60付近まで上昇したものの、その後は失速し、一時は131円台前半まで下落、135円台を回復するまで反発と上下に揺さぶられる動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が6割程度まで上昇する中、高値圏で推移しているため、売りポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。

このため、下押した水準では安堵の買い戻し、上昇した水準ではこれらのポジションの損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことはできそうです。

一方で高値で構築された買いポジションも多く、直近の伸び悩みでストレスを抱えているようにも見え、上昇した水準での利益確定売り、下押しに転じた際の損切りの売りが短期的にでも増える可能性にも少し注意が必要かもしれません。

4時間足チャートを見ると、比較的大きな下押しの後、すぐに下落分を取り戻す動きとなりましたが、しっかりと高値を切り上げることができるか、下押しの際は安値を結んだラインや直近のサポート水準を守れるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【USD/JPYの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションでは円売りポジション比率が減少しています。

【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/6/14)】

シカゴIMM通貨先物ポジションのチェックはこちら

ユーロ/米ドル(EUR/USD)

先週のユーロドルは、上値の重い推移が続き、1.03台中盤まで下押した後、一度は1.06付近まで反発するものの、失速し、1.05を少し下回る水準で週末を迎えています。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が6割程度まで上昇するなか、安値圏で推移しているため、含み損を抱えた買いポジションが多い状況です。

このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

一方で直近の下げ渋りでストレスを抱えた売りポジションも増えており、下押しした水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増える可能性にも注意が必要となりそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、直近では比較的大きな反発の後ということで、少し様子を見たいところです。下押しの際は直近の安値水準を守ることができるか、上値を探る動きとなった場合も直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【EUR/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションは売りポジションが増加したのに対し、買いポジションが減少し、売りポジション比率の方が高い状態に転じています。

【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/6/14)】

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ポンド/米ドル(GBP/USD)

先週のポンドドルは下落基調が続き、1.2を割り込む水準まで下落後、1.24付近まで反発、1.22台で週末を迎えました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が65%程度まで上昇する中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えています。このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

一方で比較的大きな反発の後ということで、安値圏でストレスを抱えている売りポジションも多少残されており、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いも多少出てくる可能性も考えられそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いた後、直近では短期的な反発地合いが続いています。下押しの際は、安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は高値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【GBP/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは売りポジションに傾く状況が続いていますが、ジリジリと売りポジション比率の減少傾向が続いています。

【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/6/14)】

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豪ドル/米ドル(AUD/USD)

先週の豪ドルは上値の重い推移が続き、0.685付近まで下落後、一度は0.707付近まで反発したものの、失速し、0.69台まで下押しして週末を迎えました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しで買いポジションのほとんどが含み損を抱えている状況です。

このため、反発した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていましたが、比較的大きな反発が入った後ということもあり、下押しの際は直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。

【AUD/USDの4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは売りポジションに傾く状況が続いていますが、前週に比べると、少し減少しています。

【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/6/14)】

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CFD

米国S&P株価指数500(US500)

先週のUS500は上値の重い推移が続き、3700を割り込む水準まで下押しする動きとなりました。

OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しにより含み損を抱えた買いポジションが増えています。

このため、反発に転じた場面では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる場面では損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。

4時間足チャートを見ると、下落基調が続いていますが、まずは直近のサポート水準の3635付近を守れるか、反発に転じる際は直近の高値水準を突破できるか等に注目しながら、下落基調継続の可能性を探っていきたいです。

【US500の4時間足チャート】

表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足

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投機筋のS&P500先物市場では、再度買いポジションが優勢な状況に転じましたが、依然として偏りが少ない状況が続いています。

 

【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/6/14)】

投機筋の株価指数先物市場のポジションのチェックはこちら

 
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