反対売買とは|意味・他の決済方法との違いなどを詳しく解説
反対売買とは、保有ポジションと逆方向の取引をすることであり、デリバティブ取引や信用取引での決済方法として利用されます。
買いポジションを保有している場合は売り注文、売りポジションを保有している場合は買い注文を指します。
本記事では、反対売買に関する意味や、よくある質問について詳しく解説していきます。
反対売買とは
デリバティブ取引と信用取引における、反対売買について解説します。
- ・デリバティブ取引における反対売買
- ・信用取引における反対売買
デリバティブ取引における反対売買
デリバティブ取引とは、金融派生商品を取引することです。金融派生商品とは、為替や株式、商品などの価格を基にして、開発された金融商品を指します。
FX取引はデリバティブ取引に含まれます。
金融派生商品の取引における反対売買とは、売り建てでエントリーした場合は買い、買い建ての場合は売ることです。
反対売買することにより、ポジションを決済します。
買い建ての反対売買のイメージは下図の通りです。
買い建てした時より価格が上がっていれば利益、下がっていれば損失となります。
売り建ての反対売買のイメージは下図の通りです。
売り建てをした時より価格が下がっていれば利益、上がっていれば損失となります。
信用取引における反対売買
信用取引とは、証券会社に担保(現金や株式など)を預け入れて、証券会社から現金を借りて株式を購入したり、株式を借りて売却する取引方法です。
信用取引における反対売買とは、買った株式を売って現金を得ること、または売った株式を買い戻して株式を得ることです。
反対売買で得た現金や株式は、証券会社に返却します。
以下の図は、信用取引で株を買う「信用買い」での反対売買の流れです。
- ①:投資家が、証券会社に担保を差し入れる
- ②:投資家が、証券会社に買い建て注文を出す
- ③:証券会社が、市場に購入代金を支払う
- ④:市場が、証券会社に株式を渡す
- ⑤:証券会社が、投資家に買建玉を貸す
信用買いでポジションを建てた後、反対売買で決済(返済)する流れは、以下の通りです。
- ①:投資家が、証券会社に返済注文を出す
- ②:証券会社が、市場に株式を売る
- ③:市場が、証券会社に売却代金を支払う
- ④:証券会社が、投資家に貸していた買建玉を返済してもらう
- ⑤:差額を決済して完了
信用買いの場合、ポジションを建てた時よりも株価が上がっていれば利益が出ます。
以下の図は、信用取引で株を売る「信用売り」での反対売買の流れです。
- ①:投資家が、証券会社に担保を差し入れる
- ②:投資家が、証券会社に売り建て注文を出す
- ③:証券会社が、市場に株式を売る
- ④:市場が、証券会社に売却代金を渡す
- ⑤:証券会社が、投資家に売建玉を貸す
信用売りでポジションを建てた後、反対売買で決済(返済)する流れは、以下の通りです。
- ①:投資家が、証券会社に返済注文を出す
- ②:証券会社が、市場に買い戻し代金を支払う
- ③:市場が、証券会社に株式を渡す
- ④:証券会社が、投資家に貸していた売建玉を返済してもらう
- ⑤:差額を決済して完了
信用売りの場合、ポジションを建てた時よりも株価が下がっていれば利益が出ます。
信用買い・信用売りのどちらも、最後の「⑤決済」が反対売買となります。
その他の決済方法との違い
取引の決済方法は、反対売買の他にも「現渡(げんわたし)」「現引(げんびき)」があります。
信用取引とFX取引の場合で解説していきます。
- ・現渡との違い
- ・現引との違い
現渡との違い
信用取引における現渡とは、信用売りで売った銘柄と同一銘柄・同一数量の現物株式を証券会社に渡して返済を完了することです。 FX取引における現渡とは、売り建玉と同種・同数量の外貨をFX会社に渡すことにより、その金額に相当する円を受け取ることです。現引との違い
信用取引における現引とは、信用買いの買付代金相当額を証券会社に差し出すことにより、現物株式を手元に残すことです。 FX取引における現引とは、買い建玉相当の日本円をFX会社に差し出すことにより、外貨を現物で受け取ることです。反対売買に関するQ&A
- ・差金決済とは何ですか?
- ・FX取引はどの決済方法ですか?
- ・ドテンとの違いは何ですか?
- ・先物取引は反対売買ですか?
差金決済とは何ですか?
差金決済とは、実際に商品を受け渡しすることなく、取引開始時の金額と決済時の金額を比較し、過不足分の資金のみ移動する決済方法です。差金決済は、現物商品を授受しないデリバティブ取引などで使われます。
FX取引はどの決済方法ですか?
FX取引(外国為替証拠金取引)の決済方法は、主に差金決済(反対売買)が用いられます。現渡や現引が可能なFX会社もあります。
ドテンとの違いは何ですか?
反対売買は、保有しているポジションと反対方向の売買をすることを指します。
ドテンは、保有ポジションを決済すると同時に、決済したポジションと逆方向のポジションを保有することを指します。先物取引は反対売買ですか?
先物取引では、反対売買が行われます。反対売買は、先物取引を完了させる方法(決済方法)の一つです。
【まとめ】反対売買とは|意味・他の決済方法との違いなどを詳しく解説
反対売買とは、保有ポジションと逆方向の取引をすることであり、デリバティブ取引や信用取引での決済方法として利用されます。
買いポジションを保有している場合は売り注文、売りポジションを保有している場合は買い注文を指します。
決済方法には「反対売買」の他に、「現引(げんびき)」や「現渡(げんわたし)」などがあります。
FX取引(外国為替証拠金取引)のほとんどは、差金決済(反対売買)による決済で行われます。
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