FX自動売買基礎と応用

EA(自動売買)は勝てないのか?Trader Kaibe氏が徹底解説


かつてはEAに不利な環境だった


世間では「EAは勝てない」といわれることがあります。しかし、その意見は何を根拠にしているのでしょうか? インターネットを検索すれば、数年にわたって口座残高グラフが右肩上がりに推移しているフォワードテストを見つけることもできます。これらの存在を無視して、勝手なイメージで「EAは勝てない」というのはフェアではありません。

そのようなEAにネガティブな意見があるのは、一昔前のイメージを引きずっている人が多いからかもしれません。確かに、一昔前はEAが勝ちづらい取引環境であり、「EAは勝てない」といわれても仕方がありませんでした。現在と比較すると、スプレッドが広かったこと、約定スピードが遅かったことなどが、EAにとって非常に不利だったのです。


スプレッドが狭くなりEAが活躍


過去から現在にかけて、最も変化したのはスプレッドです。かつてMT4採用業者の大半は、主要通貨ペアのスプレッドが2~3pipsでした。それが現在では0.3~0.5pipsにまで狭くなっています。このコストの変化が、特にスキャルピングタイプのEAの成績を激変させることになったのです。

それに加えて、約定関連の環境も進化しています。かつてはロンドンサーバーやニューヨークサーバーがメインだったのに対して、現在は東京サーバーを用意するFX会社も現れています。OANDAはTY3(データセンター大手のエクイニクス社の施設。東京都江東区に立地)にサーバーを設置しており、レイテンシー(データ転送の時間差のこと)はニューヨークサーバーの15倍改善されているそうです。

なお、OANDAの東京サーバーのインフラデータは、ホームページで公開されています。ここでは注文到達から約定までのスピードや、スリッページの発生率などがまとめられています。

OANDA 東京サーバー インフラデータ


EAを取り巻く環境が進化


スプレッドが狭くなり、約定環境も向上したことから、特にスキャルピングタイプのEAは「勝てるようになった」といえます。そんな環境の進化と並行して、優秀な開発者の参入や、開発能力の向上もあったように思います。EAに関する集合知の活用が進んだことは、より優秀なロジック開発に結びついているでしょう。

「MQL5.community」はMT5の開発元であるメタクォーツ社が提供するコミュニティサイトで、マーケットやフォーラムには世界中のユーザーが集まっています。フォーラムではEAやストラテジー、プログラミングなどの情報共有、議論が活発に行われており、最先端の情報を入手することができます。

MQL5.community

EAを取り巻く環境はこのように進化しており、「EAは勝てない」という時代は過ぎていると考えます。


本記事の監修者・Trader Kaibe(@K_FLASHES


FXトレード歴は15年(2021年現在)。世界でも有名なFXトレード大会『ロビンスカップ』で、FXトレードの経験と本職の研究開発ノウハウを生かして作った自作自動売買だけで準優勝。

投資雑誌掲載、ラジオ日経出演、投資戦略EXPO登壇など、各種メディアでFX自動売買の良さを発信中。


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