FX自動売買基礎と応用

EA(自動売買)のナンピンマーチンとは?運用する際の注意点を解説


ナンピンマーチンとは?


他者が開発したEAを選ぶ際に初心者が失敗しがちなのが、ナンピン+マーチンゲール(ナンピンマーチン)のEAを優秀なものだと考えてしまうことです。その性質上、口座残高グラフが目立った下落のない綺麗な右肩上がりになるためとても見栄えが良いのですが、そこには落とし穴があります。その注意点を解説する前に、まずは用語の説明をしておきます。

                       
ナンピンレートの逆行によりポジションが含み損になった際に、建玉を追加して平均取得単価を引き下げる戦略。建玉を追加しすぎると証拠金不足となり、戦略が破綻してしまうリスクがある
マーチンゲール(勝てなかった場合に)ロットを2倍、4倍、8倍…と倍々にしていき、最終的にどこかで勝てば利益が残るという戦略。こちらも証拠金不足になるリスクが高い

この両者を組み合わせたナンピンマーチンEAは、レート逆行時にナンピンをマーチンゲール方式で行うというものです。分かりやすくするために俗っぽくいえば、「含み損に耐えながら倍々のナンピンを行い、利益になるのを待ち続ける」戦略です。そしてこの戦略は“ほとんど負けない”のが最大の特長で、そのため口座残高グラフは綺麗な右肩上がりに推移します。

とても優秀な戦略に思えますが、“いつかは負ける”ことを避けられないのが問題です。戦略の性質上、負けるときには大きな損失が発生します。つまり綺麗な右肩上がりの口座残高グラフが、鋭角に大きく下落する推移となります。いわゆるコツコツドカン(小さな利益をコツコツと積み上げるが、大きな損失をドカンと出すこと)の結果です。


上級者向けの戦略である


ナンピンマーチンは、しっかりとした資金管理や相場分析が伴えば、上手く利用することもできます。通貨ペアによっては特定のレンジ内を行き来しやすい傾向があるので、この戦略が有効に機能する場合もあるのです。しかし、初心者が扱うには難しすぎるといえ、高確率で証拠金の多くを失ってしまう可能性があります。そのリスクを知らずに、このEAに手を出すのは厳禁です。

ナンピンマーチンのEAは、先述の通り綺麗な右肩上がりの残高グラフを描きます。逆にいえば、綺麗すぎる右肩上がりの推移は、ナンピンマーチンのEAである可能性があります。EAの口座残高グラフを見る際には、その起伏(勝ったり負けたりしているか)に注目するのも重要です。


本記事の監修者・Trader Kaibe(@K_FLASHES


FXトレード歴は15年(2021年現在)。世界でも有名なFXトレード大会『ロビンスカップ』で、FXトレードの経験と本職の研究開発ノウハウを生かして作った自作自動売買だけで準優勝。

投資雑誌掲載、ラジオ日経出演、投資戦略EXPO登壇など、各種メディアでFX自動売買の良さを発信中。


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