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TradingViewの内蔵ストラテジー「Rob Booker – ADX Breakout」のロジック概要や注意点を解説


この記事では、TradingViewにデフォルトで内蔵された「Rob Booker – ADX Breakout」について紹介します。

1.ロジック概要

Rob Booker – ADX Breakoutは、ADXを用いたトレンドフォローの戦略です。
値動きの勢いを示すADXを利用してトレンドの発生局面を狙うため、方向感のない局面でトレードしてしまうリスクが軽減されます。

ルールとしては、過去20本分のローソク足の上限、下限から「ボックス」を作り、そのボックスの上限をブレイクしたら買い、下限をブレイクしたら売りというルールでドテンを繰り返します。
ただし、エントリーするときにはさらに条件があり、ADXが18(デフォルト)よりも低い必要があります。
損切りはボックスの値幅の50%、利益確定はボックスの値幅の100%というのがデフォルトです。

2.ストラテジーテスター

パラメーターは以下の7種類です。
ADX Smoothing Period、ADX Periodは、ADXそのものの設定で平滑化や期間を決めます。
ADX Lower Levelは、エントリー時のフィルターとして設定し、その値を下回っていなければトレードしません。

Profit Target Box Width MultipleとStop Loss Box Width Multipleは、利益確定と損切りの値幅設定で、ボックスの値幅を1とした割合を設定します。
BreakoutBox Lookback Periodは、ボックスの対象とするローソク足の本数です。
Both(0),Long(1),Short(-1)は、ロングかショートか両方かを決めるパラメーターです。

パラメーター初期設定

                                                                                                   
ADX Smoothing Period14(ADX平滑化)
ADX Period14(ADXの期間)
ADX Lower Level18(エントリーを制限する値)
Profit Target Box Width Multiple1(利益確定の幅)
Stop Loss Box Width Multiple0.5(損切りの幅)
BreakoutBox Lookback Period20(ボックスの対象企画)
Both(0),Long(1),Short(-1)0(トレードの方向)

プロパティ初期設定

                                                         
初期資金1,000,000(ストラテジーで取引可能な初期資金)
基準通貨デフォルト(ストラテジーの計算や結果に使われる通貨)
発注サイズ1取引(取引ごとの枚数)
ピラミッディング1注文(同じ方向に連続してエントリーできる最大数)

このストラテジーは、エントリーにフィルターがかかるので、トレード回数が少なくなるのが特徴です。
そのためテストする期間によって成績にばらつきが生じてしまう可能性があります。
以下のテストは、すべてデフォルト設定で行っています。

【ポンド/円 日足】

ポンド/円の日足や4時間足では、右肩上がりの成績
(※画像をクリックすると大きな画像が表示されます。)

ポンド/円の日足や4時間足では、右肩上がりの成績となりました。
勝率は50%をやや下回る水準ですが、PFは1.452と良い数値でした。

【米ドル/円 15分足】

15分足などの下位時間軸でも、右肩上がりの成績となる通貨ペアがありました
(※画像をクリックすると大きな画像が表示されます。)

15分足などの下位時間軸でも、右肩上がりの成績となる通貨ペアがありました。
ただし、勝率が高くないため、パラメーターを調整する必要がありそうです。

このストラテジーは、相場が膠着してレンジ相場になり(ボックス内を推移する状態)、さらにADXが低迷している状態を見つけ、そこからブレイクアウトする流れでトレードします。
明確なトレンドが出ている局面を得意としますが、方向感のない相場環境だとダマシが多くなってしまう傾向があります。

3.注意すべきポイント

  • ・エントリーのフィルターが強くトレード回数は多くない
  • ・トレード回数が多くないためテストする期間によって成績がブレる
  • ・デフォルトでは勝率が高くない
  • ・パラメーターを変更することで成績向上の可能性あり

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