米国債市場で逆イールド発生 今週はFOMC議事要旨やウクライナ情勢に注目 OANDAラボ-マーケット最新情報(2022年4月4日)
今週の注目材料
今週は米国でFOMC議事要旨の公開が予定されています。今後の利上げペースやバランスシートの縮小に関する手がかりが出てくると、市場が過敏に反応する可能性に注意が必要となりそうです。
オーストラリアではRBAの政策金利の発表が予定されています。今回の会合では据え置きとの予想が中心となっていますが、オーストラリア経済や豪ドルの水準に関する評価や今後の金融政策の手がかりが出てくると豪ドルが過敏に反応する可能性が考えられそうです。
また、引き続きウクライナ情勢に関する報道に振り回される状況が続きそうです。最新の報道で停戦へ向けた期待感が高まるか、混乱長期化への懸念が強まるかを見極めたいです。
このほか、米国債市場の動向にも注意が必要となりそうです。先週、短期国債の利回りが長期国債の利回りを上回る逆イールドが発生しており、景気後退を危惧する声が増えています。今週もこの逆イールド状態が続くかに注目が集まります。
先週のFX市場の動き
先週のFX市場はユーロ、スイスフランが強い推移となったのに対し、ポンド、円、NZドルなどが弱い推移となりました。
【先週の主要8通貨の通貨別の騰落率】
【直近1ヶ月の主要8通貨の通貨の強弱チャート】
主要通貨に対し、円が弱い状態が続いているのが確認できます。
【先週のFXの主要28通貨ペアの騰落率ランキング】
主要銘柄の相関性分析
先週のドルストレートの相関性を見ると、AUD/USDは他のドルストレートとの相関が低い動きだったようです。
【先週の主要ドルストレート通貨ペアの相関性】
ドル円、クロス円の通貨ペアは前週ほどではありませんが全体的に相関性が高い状態が続きました。
【先週のドル円、クロス円の相関性】
また、ユーロを含む主要な通貨ペアの相関性を見ると、全体的に多少の相関性はあるものの、EUR/JPY、EUR/CHFは比較的低い値でした。
【先週のユーロを含む主要な通貨ペアの相関性】
先週の主要通貨ペアと米国株価指数(ここでは代表的なUS500との相関性を表示しています)の相関性を見ると、US500はEUR/USDとの相関性が高い動きとなりましたが、その他の銘柄との相関性は低い動きとなりました。
【先週の主要銘柄と米国株価指数の相関性】
先週の株価指数CFDの動き
米国市場
先週の米国の株価指数CFDは、前半は底堅い推移となりましたが、後半は失速となりました。
欧州市場
欧州の株価指数CFDも米国市場同様に序盤は底堅い推移となったものの、後半は上値の重い推移となりました。
アジア・オセアニア市場
先週のアジア・オセアニアの株価指数CFDは中国や香港の株価指数が比較的堅調なのに対し、日本の株価指数は上値の重い推移となりました。
【株価指数CFDの騰落率ランキング】
米国債利回りの推移
【残存期限別の米国債利回りの推移】
米国債利回りは、10年債の利回りが伸び悩むのに対し、短期債の利回りの伸びが大きく、10年債利回りの水準を上抜けるものも出てきています。
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
【直近5週間の金曜日の米国債イールドカーブの比較】
直近5週の金曜日のイールドカーブを比較を見ると、短期国債の利回りの上昇が続いているのに対し、長期国債の利回りが低下し、一部の短期国債の利回りが長期債利回りよりも高い水準まで上昇する逆イールド状態となりました。
【米国債イールドカーブの変化(3Dグラフ)】
出所:U.S. DEPARTMENT OF THE TREASURY
OANDA、先物市場のポジション、主要銘柄の値動き
FX
米ドル/円(USD/JPY)
先週のドル円は、月曜日に日銀の指値オペ実施発表を受けて底堅い推移が続き、一時125円台まで上昇となりましたが、その後は失速となり、122円台で週末を迎えました。
OANDAのオープンポジションを見ると、上昇基調が続いたこともあり、売りポジションに傾く中、その多くが含み損を抱えています。このため、下押した水準では安堵の買い戻し、高値を切り上げる動きとなると、損切りの買いが増え、底堅い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
一方で直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションも増えており、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなる場面では損切りの売りが増える可能性にも注意が必要となりそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇が続いた後に、大きな調整が入った後の悩ましい状態です。
今後はトレンドラインや直近の高値、安値水準等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【USD/JPYの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週火曜日時点における投機筋の円の通貨先物市場のポジションは、前週に続き売りポジション比率が上昇し、売りポジションに傾く状態が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の円のポジションの推移(最終更新日2022/03/29)】
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
先週のユーロドルは前半は底堅く、1.1185付近まで上昇したものの、その後は下値を探る動きが続き、1.10台前半まで下押しする動きとなりました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに少し傾く中、直近の下押しでストレスを抱えた買いポジションが増えています。このため、上値を探る動きとなると安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移となる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、方向感を見出しにくい状態が続いています。下押しの際は安値を結んだラインや直近の安値水準を守れるか、上値を探る場面では高値を結んだラインや直近の高値を切り上げることができるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【EUR/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のユーロの通貨先物市場のポジションはほぼ横ばいとなりました。買いポジションにやや傾いているものの、偏りは少なく、今後、どちらに傾くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のユーロのポジションの推移(最終更新日2022/03/29)】
ポンド/米ドル(GBP/USD)
先週のポンドドルは方向感を見出しにくい小動きが続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジション比率が高い中、直近のレンジ内で構築されたポジションが増えています。
このため、均衡が崩れるような動きとなると、苦しくなった方のポジションの損切り注文が増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、徐々に値動きが収縮するような動きとなっています。
下押しの際は直近のサポート水準を守れるか、上値を探る動きとなった場合は、高値を結んだラインや直近のレジスタンス水準を突破できるか等に注目しながら近郊が上下いずれに崩れるかを見守りたいです。
【GBP/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
先週の投機筋のポンドの通貨先物市場のポジションは前週に続き売りポジション比率が増加となりました。今後もこの傾向が続くかを見守りたいです。
【投機筋の通貨先物市場のポンドのポジションの推移(最終更新日2022/03/29)】
豪ドル/米ドル(AUD/USD)
先週の豪ドルは方向感の鈍い横ばい推移が続きました。
OANDAのオープンポジションを見ると、売りポジション比率が少し高い中、直近のレンジ内で構築されたポジションが増えています。
このため、均衡が崩れると苦しくなったポジションの損切り注文が増え、短期的にでも方向感が出てくる可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、狭いレンジ内で横ばい推移が続いており、まずはこのレンジを上下いずれに抜けるか等に注目しながら、方向感を探っていきたいです。
【AUD/USDの4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋の豪ドルの通貨先物市場のポジションは前週から横ばいとなり、売りポジションに傾く状態が続いています。
【投機筋の通貨先物市場の豪ドルのポジションの推移(最終更新日2022/03/29)】
CFD
米国S&P株価指数500(US500)
先週のUS500は底堅い推移が続き、4635付近まで上昇後、4500台まで下押しし、週末を迎えています。
OANDAのオープンポジションを見ると、買いポジションに傾く中、直近の下押しにより、含み損を抱えた買いポジションが増えています。
このため、上昇した水準では安堵の利益確定売り、安値を切り下げる動きとなると、損切りの売りが増え、上値の重い推移が続く可能性を見出すことができそうです。
4時間足チャートを見ると、上昇基調が続いていましたが、深めな下押しとなりました。再度高値を探る動きとなった場合は直近の高値水準を突破できるか、下押しの際は直近の安値水準を守れるか等に注目しながら、根気強く方向感を探っていきたいです。
【US500の4時間足チャート】
表示しているインジケーター:OANDA_Orderbook3、OANDA_Multi_Parabolicの日足、OANDA_Multi_RSIの日足
投機筋のS&P500先物市場のポジションは僅かに売りポジションに傾く状態が続いています。今後も売りポジションに傾く状況が続くかを見守りたいです。
【投機筋の先物市場のS&P500 E-miniのポジションの推移(最終更新日2022/03/29)】
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